遺体屋の仕事

日常生活では見ることも聞くこともない「遺体屋の仕事」とは・・・

納棺師は見た!の話

2007-11-18 07:50:26 | Weblog
“ひやり”とする出来事がありました。
納棺業務に伺って葬儀屋さんが来るのを待っていました。
お寺の控え室(小屋) 兼 霊安室での納棺。
その小屋の前で待っていたのですが静まり返っていたので
ご家族は着ていないものと思っていたら
喪主のおばあちゃんと娘さんはいらしていて休憩を取っていました。
おばあちゃんは亡くなったおじいちゃんの事で心労がたまったのか
故人様と平行に布団を引いて横になっていました。
いらした葬儀屋さんが私の先に立ち、納棺の準備をさせてもらうため
おばあちゃんに少し移動してもらえる様お話。
「すいません、疲れていたもので今どけます」と娘さんは布団を上げだして
おばあちゃんもフラフラ~~と辛そうに立ち上がりました。
『なんか具合悪そうだな~布団ずらして寝ててもいいけど…』と
フラフラしているおばあちゃんを見ていると

「ぁ…ぁ めまいする」

全員が あっ!! と思ったときにはもう遅く
立ち上がってすぐ畳でスベリ背中から倒れて
頭をドンッ!と強打
「大丈夫っ!!」と娘さんの一声と共におそらく全員頭によぎったのは
『最悪の状況だったらどうしよう~(><|||)』だったと思います。
おばあちゃんはTVのゲームコントで失敗したお笑い芸人のリアクションのように
仰向けになったまま後頭部を押さえ
「うーーー」と左右に体を揺らして苦しんでいました。
やっぱり布団で横になりましょうと準備中寝ていてもらうことに。

それから他の身内の方もいらして事情をきいて心配した息子さんが
「お水か何か飲む?」と優しく聞いたのですが
「ぁーーぁ♯何にもいらない」
「え?」
「(><♯)!!欲しくない!!!」
逆切れするお年寄りというのを私は初めて見た気がしました。
その後の納棺式でも「動きたくない」と言うことでおばあちゃんはお部屋の端から眺めていました。

お年寄りになるとよく転んだり骨折したりとケガをして
それが原因で寝込むことがあるとは聞きます。
転んだ瞬間を見て『原因はこういうことかー』と納得しました。
具合の悪そうなお年よりに付随する危険と足がおぼつかなくなる事は「=」なのでしょうか?
ご家族にお年寄りがいる方はご注意ください。
天国のおじいちゃんもきっと心配してましたよ。
おばあちゃん。お大事にされてください。







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