ウイルキー・コリンズ / 中村能三 訳
創元推理文庫
インド寺院の宝〈月長石〉は数奇な運命の果て、イギリスに渡ってきた。しかし、その行くところ、常に無気味なインド人の影がつきまとう。そしてある晩、秘宝は持ち主の家から忽然と消失してしまった。警視庁のけんめいの捜査もむなしく、〈月長石〉のゆくえは杳として知れない。「最大にして最良の推理小説」といわれる古典的名作の完訳(東京創元社HP)
出席者は、講師を除いて24名、内 男性5名、女性19名
完読した会員 13名
全体的な評判は好評の一言。
平均的な講評としては、「ミステリとしては物足りないが、面白く読めた。
特に140年前に書かれた小説であることを考えると、高く評価できる。」
といったあたりでしょうか。
有名な古典を読めて良かった。
物語の構成が優れている。
人物描写が上手である。
バラを愛する刑事という設定が良い。
クラック嬢が魅力的だった。
「五輪の薔薇」を連想した。
黙っていることが美徳であった時代だったことで成立したミステリ。
執事の記載が、論理性と情緒性の混在したスタイルで良かった。
さすが、ディケンズの友人だ。読者を引っ張っていく力を感ずる。
やや否定的な意見としては、数人から「もう少し短くても良かったのではないか」と。
文責 幹事 tade63
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます