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7月の課題本「変身」カフカ著

2006-08-08 22:35:11 | ・例会レポ
出席者15名 うち男性4名

意外だったのは(と言うか十分予想されていたか)、出席者15名中12名が過去に一度は読んでいたこと。
しかもそのほとんどは中高生時代に読んでいたそうです。
そのほとんどの人が、しかし当時は「よくわからなかった」
唯一浪人時代に読んだT氏のみが「衝撃だった、あの年齢で読んだことがよかったと思う」ということでした。

で今回、この年齢で再び、あるいは初めて読んだ感想は、多くの人が「おもしろかった」「古びていない」「やはり名作」と肯定的な意見でした。
昔は「これが不条理ってものなの?虫になって死ぬことにどういう意味があるの?よくわからない」で終わってしまったのが、今回は

・家族の反応の方に興味あり、家族の成長物語として読んだ
・虫になった息子に対する家族のこのクールさこそが不条理かも
・ユーモアを感じた、これって可笑しい話かも
・ザムザって、結局は引きこもりみたいなもの?

などといろいろな感じ方があり、何人かが言ったように、こうやって「時代により、人により、いろいろに読み取れるところが名作と言われるゆえんなのか」。
ただし中には「山もなく谷もなく淡々として、何が言いたいのかよくわからない」という意見もありました。

菊池さんも大学時代「何故虫にならねばならなかったのか」、机をたたいて議論したが結論は出なかったそうで、当時の大学生はカフカやカミュからサルトルを熱く語ったのですね。
変身譚は昔からあるけれど、カフカ以前は罪と罰としての変身だった、と言われてなるほど。
なぜかわからないけれど虫になって、なぜかわからないまま死んで行くところがカフカの新しさと言うか、ということでしょうか。

世間的には好評な池内訳は、読みやすい、という意見がある一方、旧訳に馴染んだカフカファンからは「軽すぎて、私のカフカとは違う!」という声もありました。

今月の一言
大人にならないとわからないことってあるのね

推薦者・レポート:A・I

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