著者:志水 辰夫 集英社 1,890円(税込) 発売年月日: 2008年11月5日
前作『青に候』につづく、著者2作目の時代小説(書き下ろし)。 感情表現をぎりぎりにまで切り詰めた抑制の効いた文章。それと対をなすように情感たっぷりに描かれた移ろい行く日本の四季(特にタイトルにもなっている早春の自然描写は絶品)。そして、封建制下に生きる下級層の悲哀 . . . 本文を読む
「ルインズ 廃墟の奥へ」(上下)スコット・スミス著 扶桑社ミステリー文庫 2008/2
S・キング絶賛の作家S・スミス 長い沈黙を破り待望の第2作目!米独ギリシャからメキシコへ観光旅行にやって来た若者6人が企てた廃坑への小冒険旅行。密林の中へ迷い込んだ彼らを待っていたものは‥‥。ノンストップ・ホラー・サスペンス!(扶桑社HP)かれこれ10年以上も前、課題本になった「シンプ . . . 本文を読む
今年のベスト本ですよ!
先日の例会で7月の課題本として推薦しましたが、3,000円という価格のせいで、(Sさん以外からは)一顧だにされなかった、あの本です。新潮クレスト文庫で630ページの超大作ですが、途中からぐいぐい一気読み。昨日1日朝から晩までで読んじゃいました。
舞台はイギリスの占領が始まる直前のビルマの街マンダレーで始まり、アウンサンスーチー女史が登場するほぼ現代のヤンゴンまで。ビルマ、イ . . . 本文を読む
小池真理子 著 新潮社/1,995円2007/10/22
2007年も残り少ないこの時期、ついに今年のベスト本にめぐり合うことができました。 作品的には『無伴奏』『恋』の系譜に連なるこの小説は、現時点における小池真理子の最高傑作と言って間違いないでしょう。封印していたはずの女子大生時代の思い出を、54歳になったヒロインが偶然の再会を機に語り始めるこの物語のモチーフは、本書の . . . 本文を読む
渡辺眸/著 山本義隆/寄稿 新潮社 2,415円(定価)発売日 2007/10/18 学園紛争の嵐が吹き荒れた1968年から69年。ロックアウトされた東京大学駒場キャンパスと本郷キャンパスに、唯一出入りを許された写真家が、本書の著者、渡辺眸さんです。 ロックアウトが進むキャンパスの状態から、安田講堂陥落までの日常を写した白黒写真は貴重な歴史史料であり、何よりも . . . 本文を読む
読書会「おもしろ本棚」について
おもしろ本棚について、簡単にご説明をさせていただきます。
この読書会は約40年前に発足し(古い!)、現在、文学評論等をお書きになっている 菊池 仁さんに講師をお願いしています。
●主な活動内容
・毎月第3土曜日(原則)午後2時~4時頃まで、千代田区内、あるいは港区内の会場で読書会を行っています(3月と8月はおやすみ)。
課題本は、出席者の投票で決定しますが、新刊もあればいわゆる名作もあり、洋の東西を問わず、 内容のカタいものもユルいものも小説もノンフィクションも、何でも読みます。決まった本は、各自で購入したり図書館で借りたりしています。
過去の課題本と例会とレポートはこのブログで紹介しているのでご覧ください。
・読書会の進め方は、課題本推薦者を一番手に各自が雑感を述べ、講師の総評の後で思い思いに語り合う、というスタイルをとっています。
・現在、正会員は50代~80代の30名弱ですが、特に年齢枠はなく、男女不問。
そのときどきで出席者は十数名ぐらいが集い、読書会後は自由参加の二次会も行っています。
若い頃から本が好きで、いつの間にか年をとってしまった会員も多いのですが、 最近参加された方もあれば、以前の会員が戻って来られることもあります。
・そのほか競馬、花見、温泉旅行など、有志によるオプション企画もちらほらとあり(強制参加ではありません)、和気あいあいと活動しています。
なお、3月と8月については会員以外の方も自由にご参加いただけるオープンな回として、それぞれが最近読んでよかった本を紹介し合ったりしています。
●会費について
・読書会の会場代や、講師への謝礼などの諸経費として、
現在は1期(6ヵ月5回)で5千円という会費をいただいています。
●例会の見学については、「見学のご案内」をご参照ください。