昔の望遠鏡で見ています

すり割り式接眼スリーブ

 昔の標準的な接眼スリーブはすり割り式でした。金属の弾性力を用いて締め付けるタイプです。横からビスで止めるタイプもありましたが、軸がずれると言われていました。タカハシのナイロンリングで周囲から締めるタイプは、高級品でした。

 この画像はニコン用で、左右とも同じ規格のものですが、左側は内側の塗装が薄く下地が見えています。右側は樹脂っぽい感じもする外観です。取付用ネジは、直径44ピッチ0.75です。 

 

 上記画像は五藤のもので、左が8cm屈折に使用されているタイプ(直径36.5、ピッチ0.75)で、右がテレパックに使用されているタイプ(直径30、ピッチ0.75)です。ともに内側の下地が見えています。一般的な塗装では、あまり厚いと削れて粉状になり悪さをするので、これくらいがちょうど良いのでしょう。また、これら二つは、上から見ただけでは何用か判らないので、オークション等で購入される際には注意が必要です。

 製作過程を想像すると、それぞれ円筒状の部品に歪まないように中子を入れ、そのうえで縦・横にカッターで溝を切っているのだと思いますが、テレパック用のものは、縦の溝がちょっと行き過ぎて、横溝の下まで行ってしまっています。ご愛嬌ですね。

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