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俳句雑記帳

俳句についてのあれこれ。特に現代俳句の鑑賞。

花吹雪(はなふぶき)

2010年04月16日 | 俳句
 花吹雪は最も美しい日本語だと言ったが、「花吹雪」という名を持つものは実に多い。料理屋や飲み屋はもちろんのこと、旅館もある。劇団もあるし、ちんどん屋にも花吹雪一座というのがある。歌にも「花吹雪」という題があるし、花吹雪が出てくる歌詞は多いようだ。太宰治の作品にも「花吹雪」がある。美しい言葉であり、日本人が好きな言葉なのだ。桜の散る様子を吹雪に見立てた描写なのだが、華やかであると同時にはかなさを伴うから日本人好みなのだろう。

      花吹雪浴び真青な空を浴び  粟津松彩子(あわず・しょうさいし)

 晴れた日の花吹雪である。本当の吹雪の日は晴れることはないが、花吹雪は晴れの日でも曇りの日でも風さえあれば起こる現象である。花吹雪は「浴びる」という表現がふさわしい。空は真っ青だが、その空も高いわけではなく、花びらと共に零れてくるような感じである。真青な空を浴びているように思えるのだ。春の青空は秋のように高い感じではない。花も青空の中にあるような感じを受けるのである。(勢力海平)

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