子午線と聞くと明石市を思い出す人が多いのではないだろうか。子午線とは地球の経線のことである。干支では子(ね)が北を、午(うま)が南を表す。簡単に言うと、地球の北極と南極を含む大円が子午線ということになる。したがって子午線は地球上に無数にあることになる。
東経135度を通る子午線を日本標準時子午線と言うが、これが明石天文台を通過しているので明石市が有名になった。経度135度では英国グリニッジ天文台を通るグリニッジ子午線(経度0度線)より9時間の時差があり、東経135度は9時間進んでいる。東経135度子午線は、京都府京丹後市から明石海峡に面した兵庫県明石市、淡路島の兵庫県淡路市を通り、和歌山市沖ノ島西端(友ヶ島灯台近傍)をかすめて太平洋に至る。つまり、子午線は無数にあるわけで明石と言えば子午線とわかるというわけではないのである。
子午線に糸絡めたる女郎蜘蛛 中村 遥(句集「海岳」より)
見えない子午線を見えるもののように描写している発想は面白いと思うのだが、これは明らかに明石を通っている子午線を意識しての句であろう。子午線という言葉が明石と結びつくとは関西人だけの思い込みではなかろうか。ほかにも子午線を詠んだ句がいくつか見られるが、注意する必要があると思って取り上げた。
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