白梅は気品があると言われるが、紅梅はやさしく、濃艶な趣がある。花期は白梅より遅いとされるが、木によってまちまちとも言える。白梅は実を取るが紅梅は観賞用に植えられる。
紅梅の紅(こう)の通へる幹ならん 高浜虚子
よく知られた句である。紅梅をじっと見ていると、人間と同じように血が流れていて、それが花を紅くしているのだということを発見したのである。そんなはずはないと思いながら、一方で納得させられるものがあるから、この句は有名になったのである。虚子の発想にはときどきこういう色に対する認識が表れる。「白牡丹といふといへども紅ほのか」などもそうである。よく見ることが発見につながっているのである。
紅梅と故人のごとく対しけり 富安風生
その人が紅梅を好んだとは限らないが、白梅と違って紅梅には人間臭さがあることは確かであろう。思わず「こんにちは」と言ってしまいそうな雰囲気がある。作者はもちろん紅梅が好きなのだ。
紅梅の紅(こう)の通へる幹ならん 高浜虚子
よく知られた句である。紅梅をじっと見ていると、人間と同じように血が流れていて、それが花を紅くしているのだということを発見したのである。そんなはずはないと思いながら、一方で納得させられるものがあるから、この句は有名になったのである。虚子の発想にはときどきこういう色に対する認識が表れる。「白牡丹といふといへども紅ほのか」などもそうである。よく見ることが発見につながっているのである。
紅梅と故人のごとく対しけり 富安風生
その人が紅梅を好んだとは限らないが、白梅と違って紅梅には人間臭さがあることは確かであろう。思わず「こんにちは」と言ってしまいそうな雰囲気がある。作者はもちろん紅梅が好きなのだ。