いいもの見ぃ~つけた!

「いいもの」は探せばいっぱいあります。独断と偏見による個人的「いいもの」情報発信所です。

< 郷土料理 > 秋田 いぶりがっこ

2024-02-24 09:49:08 | 郷土料理

 「いぶりがっこ」

 主な伝承地域 県内陸南部

 主な使用食材 大根、米ぬか、塩、砂糖(ザラメ)

 歴史・由来・関連行事
 秋田の代表的な燻製干しのたくあん漬け。今では県内全域で作られているが、かつては県内陸部の農家で作られていた郷土料理である。
 冬の訪れの早い秋田、特に県内陸南部は、晩秋から冬にかけて日本海の湿気を帯びた西風が奥羽山脈に阻まれることで、降雨と降雪が多くなり、日照時間が短く気温も下がる。たくあん作りのための天日干し大根が十分乾燥しないまま氷点下になる雪深い環境のため、家の囲炉裏の上で大根を干していた。囲炉裏火の熱と煙で干すことにより、大根の保存性を高め、さらに米ぬかと塩などで漬け込んで水分を取り除くことで、冬を越して食べることができた。また、冬季の気温で発酵がゆっくり進み、大根に付いた燻製の香りと漬け材料が良い塩梅で融和し、独特のうま味と風味を醸し出す。この囲炉裏干しのたくあん漬けが「いぶりがっこ」の原型であり、その起源は室町時代ともいわれ、この地域のほぼ全戸で作られ、独特の風味とともに秋田の豪雪地の冬越しの食卓を支えた。〈いぶり〉とは〈いぶした〉という意味で、〈がっこ〉とは秋田で〈漬け物〉を意味する方言である。

 食習の機会や時季
 収穫したての大根や人参等の根菜を降雪の時期が訪れる前に仕込みはじめる。長期間雪に閉ざされる地域の生活と健康を支えるためになくてはならない、雪深い秋田の風土が生み出した知恵の産物といえる。

 飲食方法
 大根を冷水で洗い、まんべんなく燻製させるために太いものから順に、大根を手作業で縄編みする。ナラや桜など広葉樹の原木を燃やした煙で2~5日間いぶす。米ぬか、塩、砂糖(ザラメ)などを振りかけて漬け込み、2ヵ月以上発酵熟成させる。樽から出して表面の米ぬかを冷水でさっと洗い落とし、薄く切って器に盛り付ける。ご飯のお供はもとより、酒の肴、お茶うけとしても食べる。また、家々に伝わる味があり、もてなしの一品として来客を楽しませたり、近所の仲間たちとその年のいぶりがっこの出来映えを褒めあったりする。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 現在は、冬場の保存食としてつくる家庭は減り、物産品として作る生産者が増えてきている。
 生産地も内陸南部地方に留まらず県内全域に広がっている。スーパーをはじめ、直売所やネット通販でも幅広く販売されており、飲食店でもいぶりがっこ、またはいぶりがっこを使用した様々な料理を味わうことができる。食材としての認知も高まり、いぶりがっこを使用したレシピがインターネット、SNSで広がりをみせている。
 2017年に「秋田県いぶりがっこ振興協議会」が県内事業者3団体(秋田県漬物共同組合、横手市いぶりがっこ活性化協議会、秋田いぶりがっこ共同組合)により設立され、2019年には「いぶりがっこ」がGI(地理的表示)に登録された。秋田県の風土と食文化によって作り継がれてきたいぶりがっこの製法を守り伝え、品質を向上していくため、燻製方法や、漬け込みに用いる材料、熟成期間に一定の基準を設けた。県内生産者が一丸となって日々の啓蒙活動に取り組み、品質の向上と需要の拡大に努めている。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/29_1_akita.html より


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« <おせち> 鹿児島 つけ揚 | トップ | <西国三十三所> 第2番札所... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

郷土料理」カテゴリの最新記事