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イッピンNHK 「よーく見れば 楽しさ無限!~東京 江戸の小紋柄~」

2023-10-14 09:18:31 | イッピンNHK

 第174回 2017年10月31日 「よーく見れば 楽しさ無限!~東京 江戸の小紋柄~」リサーチャー: 新妻聖子

 番組内容
 極小の連続模様が特徴の江戸の「小紋柄」。その柄を色鮮やかに詰め込んだポップなストールや、表と裏に秋の季節を感じさせる小紋柄を施した傘などが、隠れおしゃれを楽しみたい人たちの間で人気だ。「よく見ると楽しさが何倍にも広がる」手に取った人がワクワクする小紋柄の世界。極小の柄に込められた職人たちの思いと超絶の職人技を、女優で歌手の新妻聖子が徹底リサーチする!

*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201710311930001301000 より

 「小紋」とは室町時代から伝わり、江戸時代に広く行き渡った「型染め」のことです。

 「大紋型染め」(だいもんがたそめ)「中型染め」(ちゅうがたそめ)に対して、細かい模様(小紋)の型染めのことを
「小紋型染め」と呼んでいたことに由来します。

 「小紋」は型紙を使わない「友禅」に対して、型紙を使って染めます。

 型紙一枚を、一反約13mにも及ぶ着物の反物に当てて防染(染まらないように糊を置くこと)して、柄を染めて行きます。

 型紙の模様を一寸も違わずに繋げて染めなければならないという気の遠くなるような技が必要となります。

 江戸時代には、裃に用いられていた柄は、「留柄」とか「定め小紋」といい、武家毎に定められ、他の使用を禁じられていました。

 いくつかご紹介すると、
 ・徳川将軍家「御召十」

 ・紀州大納言家「極鮫(ごくさめ)」

 ・加賀前田家「菊菱(きくびし)」

 ・薩摩島津家「大小あられ」

 ・肥後浅野家「霰(あられ)小紋」

 ・甲斐武田家「武田菱小紋」 などがあります。


 更に、裃の柄の大きさは「6段階」あり、殿様に一番近い席に座る上位の家臣が一番細かい柄を着用し、下位になるほど柄は大きくなり、7段階以降の家臣は無地の裃を着用していました。

 これらのことから今でも「定め小紋」は、無紋でも「礼装」として着られる着物であり、一つ紋付きの色無地よりも格上なのです。

 因みに、「鮫(さめ)」「行儀(ぎょうぎ)」「角通し(とおし)」を「江戸小紋三役」と言います。

 これに「縞(万筋)」「大小あられ」を加えて「江戸小紋五役」と言います。

 三役、五役の文様は紋を入れることで「略礼装」とすることができる「格」のある文様です。

 初めは武士だけの裃小紋でしたが、江戸時代中期には、町人文化の自由で粋な感覚を受け、庶民の間でも親しまれ、華やかに発展しました。

 昭和51年、経済産業大臣指定伝統的工芸品の指定を受けました。

 1. 前原光榮商店 両面染めの日傘  

 伝統の江戸小紋生地を日傘に仕立てたものです。
 表と裏に秋の季節を感じさせる小紋柄を施した両面染めの日傘です。

 富田染工芸さんがこの生地を製作しています。

 富田染工芸さんもある新宿の神田川周辺には染め物工場が30ヶ所以上集まっていっています。

 傘の模様は10万種類以上の型紙で作られています。

 傘に使われる厚さ0.5mm生地に型紙の上から「防染糊」と呼ばれる糊を置きます。

 この時、型紙を移動させて布に柄を塗っていくのですが、型紙を移動させる際に柄と柄の境目が分からないように塗るという大変難しい作業です。

 型紙の移動は、「ホシ」と呼ばれる柄の中に紛れた目印に型紙を合わせて行います。

 糊が乾いたら、次はヘラを使って餅粉と糠を合わせて作った糊を混ぜた染料を布の上に均一に伸ばします。

 糊と混ぜることで染料が糊に閉じ込められるため、乾かした布をひっくり返しても、染料は染み込まず布の裏に色が付くことはありません。

 最後に生地を蒸すことで生地にしっかり色が染み込ませ、更に一気に高温にして、色を定着させます。

 蒸し上がった生地を水に入れ、表面の余分な糊が落とします。

 こうして作られた生地を繋げて縫い合わせることで、両面染の傘が作られるのです。

 こちらでは、見学や体験もできます。

 

 2. 大松染工場

 柄を色鮮やかに詰め込んだポップなストールを作っています。

 「大松染工場」の工房は墨田区にあります。

 入り口には、葛飾北斎の版画を元にデザインされた着物が飾られていました。

 この着物を近くから見ると、様々な小紋柄が絵を構成していました。
 「小紋合わせ染め」と呼ばれる技法です。
 その「小紋合わせ染め」の作り方が紹介されました。

 まず小紋柄でサイコロの目の部分だけを描き、粘着フィルムを染めたい部分に乗せ、表面のフィルムだけを切り抜きます。
 少しでも力を入れ過ぎると布も切れてしまうので緊張を要する仕事です。

 その後、フィルムからはみ出さないように防染糊でサイコロを塗っていきます。

 そこに更に塗料を塗るという作業を繰り返すことで「小紋合わせ染め」は作られます。

 通常の何倍もの手間が掛かる作業ですが、職人中條さんは「職人を長くやっているとどんどん手が混んだものを作りたくなる。そのうちこのようなものが 出来上がってしまった」と話していました。

 

 3. 二葉苑 井上英子さんの東袋

 二葉苑は、東京都新宿区上落合にある「江戸小紋」や「江戸更紗」を得意とする工房です。

 井上英子さんは、美術大学でテキスタイルデザインを専攻しました。

 市松模様の小紋柄に更にチェック柄を描くなど、新たなデザインを考案しています。

 井上さんはこの生地を使って東袋を作ってくれました。

 「東袋」とは、一枚の風呂敷の2箇所をまっすぐに縫うだけで出来上がる「袋」の事を言います。

 作りはとってもシンプル。
 何も入れていない状態だと、このようにフラットになります。

 上部の三角部分を左右一緒に結んで持ち手にすれば、バッグとして使えます。
 日本版「エコバック」です。

 持ち手を長めに結べば、サイズによっては肩にかけてトートバッグのようにも使えます。

 小さなサイズのものはお弁当袋にピッタリ!
 袋状になっていて、お弁当箱をすっぽり入れることができます。

 カゴバッグの目隠しバッグにもなります。

 柔らかい布製で、形がカチっと決まっていないので、様々なカゴバッグに合わせやすく便利です。

*http://atmarymead235.seesaa.net/article/454724558.html より

 


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