「ニシンとタケノコの煮付け」
主な伝承地域 栃木県全域
主な使用食材 身欠きにしん、たけのこ
歴史・由来・関連行事
身欠きにしんとたけのこを甘じょっぱく煮付けた料理。内陸部の栃木県は、新鮮な海産物をふんだんに食べられるようになったのは、冷蔵庫が普及してからであった。身欠きにしんは、内臓や頭を取り除き乾燥させた干物のような加工品で保存が効くため、海の幸が手に入りにくい時代に貴重なたんぱく源として重宝されてきた。
「田植えにしん」ともいわれ、田植えの際のご馳走としてにしんの煮物は付きものだった。田植え始まりだけでなく、田植え終了後の宴でも振る舞われた。にしんの味がたけのこと良く合い、ご飯のお供として今日でも日常的に食べられている。
食習の機会や時季
かつては田植えの時期に食べられた。「田植えは田の神様の祭り」と言われ、稲作のなかで最も大切な作業であるとされてきた。身欠きにしんの煮付けは「田植えにしん」と呼ばれ、田植えの際に神様をもてなし、手伝いに来てくれた人たちに振る舞う御馳走の代表格として欠かせないものであった。
飲食方法
身欠きにしんは米のとぎ汁に浸して臭みをとり、柔らかくした後、小骨を取り除き下準備をする。たけのこと共に好みの大きさに切り、鍋に調味料を入れ一緒に火にかける。落し蓋をして柔らかくなったら完成。好みで山椒の葉を加えると香りが良くなる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
日常的に家庭や飲食店などで食べられている。また、宇都宮市内の市民団体活動でこの料理を取り上げ、講座や調理実習を行うなど、伝承活動に取り組む地域もある。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/31_20_tochigi.html より
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