「わかさぎとれんこんの酢漬け」
主な伝承地域 県内全域
主な使用食材 ワカサギ、れんこん、酢、人参、玉ねぎ
歴史・由来・関連行事
「わかさぎとれんこんの酢漬け」は、国内第2位の湖面積を誇る霞ヶ浦の特産品である、ワカサギとれんこんを使った郷土料理である。
豊富な水と肥沃な湿地帯に恵まれた霞ヶ浦周辺では、古くかられんこんの栽培がはじまり、いまでは国内生産量日本一の産地として知られている。れんこんは、1年を通して出荷されるが、夏に収穫するものはシャキシャキとみずみずしく、冬に収穫するものはもっちりとした食感になり、収穫時期によって違った味わいが楽しめる。
また、霞ヶ浦で古くからおこなわれてきたワカサギ漁は、昭和40年代はじめごろまでは、霞ヶ浦独特の漁法である帆びき船を使った帆びき漁でおこなわれていた。真っ白な巨大な帆が特徴的で、風力を利用してひき網を引きながら漁をおこなう。白い帆を広げた何十隻もの帆引き船が湖上に浮かぶ様は、霞ヶ浦の名物であったという。しかし、風がない時は漁ができないことと、帆が非常に大きいため、突風に煽られたときに転覆する危険性も高かったことから、現在では、機械トロール船による漁になっている。近年は、乱獲気味のため収穫量が減ってきているという課題がある。
ワカサギは骨が柔らかく、丸ごと食べられるため、手軽に調理ができることから多くの人に親しまれている。
食習の機会や時季
ワカサギ漁は、7月下旬から12月下旬までの間でおこなわれる。この時期にとれたワカサギはすぐに地元の加工業者に水揚げされ、鮮魚として市場に出荷される。れんこんも夏から冬にかけて収穫されるため、この時期に「わかさぎとれんこんの酢漬け」をつくることが多い。酢を使って味付けをすることで日持ちがするため、いまでも日常的に食べられている。
飲食方法
ワカサギはうろこをとり、塩水で洗って水気を切ったら、片栗粉をまぶして油で揚げる。れんこんは薄切りにし、揚げたてのワカサギとともに甘酢に漬け込む。しばらく寝かし、味が馴染んだら食べる。甘酢は、柚子の皮などを入れることで爽やかな風味を楽しめる。
現在は、南蛮酢(甘酢、醤油、唐辛子)を使って「南蛮漬け」として食べられることも多い。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
現在でも、食材を手軽にスーパーマーケットなどで購入できることから家庭でよくつくられている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/wakasagitorenkonnosuzuke_ibaraki.html より
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