「油麩丼」
主な伝承地域 登米市
主な使用食材 油麩
歴史・由来・関連行事
お盆になると豆腐店は精進料理に使用する油揚げ、豆腐づくりに精を出した。しかしながら今のような冷蔵技術がなかった時代は、油揚げも豆腐もすぐに傷んでしまうのが大きな課題だった。そんな中、明治の末期に登米の豆腐店が考案したのが油麩だった。
小麦粉と水を合わせて練り、それを水ででんぷんを洗い流すとグルテンが残る。
麩は生麩と焼き麩、油麩があるが、生麩はグルテンにもち米粉を合わせて蒸したもの、焼き麩はグルテンに小麦粉を合わせて焼いたもの。油麩は、焼き麩と同じくグルテンに小麦粉を加えたもので、棒状にしたものを油で揚げる。油で揚げているので香ばしく、歯ごたえもあるので、ベジタリアン料理やマクロビ食としても重宝されている。登米地方だけで生産されていたが、全国的にその美味しさが広まると、登米以外でも大量に生産されるようになった。
油麩丼はその油麩を使った代表的な料理で、地元の旅館のおかみが考案したメニュー。かつ丼のかつの代わりに油麩を使用するもので、油麩の風味が存分に生かされている。「B-1グランプリ」にも参加したことで、全国的にも知られている。
食習の機会や時季
もともとは夏の食材だった油麩だが、今や通年食べられている。肉が苦手な人やベジタリアン、マクロビオティックなどの食生活を送っている人には肉の代用品として好まれている。
飲食方法
かつ丼をつくるときと同じ要領で、鍋にだし汁、醤油などの調味料を入れて煮汁をつくり、油麩を入れて卵でとじる。それを丼に盛り付けたご飯の上にのせて食べる。三つ葉などを彩りに加えると、見た目も美しい。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
登米市には「油麩丼の会」があり、ウェブサイト上で食べられる店やつくり方を紹介している。また、「B-1グランプリ」に参加し、全国的な普及活動をおこなっている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/aburafu_don_miyagi.html より
仙台で油麩を買ってきて試しましたが、実に旨い!
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