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イッピンNHK 「しなりを生かし 優しさをつなぐ~宮崎 木工品~」

2023-11-20 08:43:49 | イッピンNHK

 第211回 2018年12月25日 「しなりを生かし 優しさをつなぐ~宮崎 木工品~」リサーチャー: 田丸麻紀

 番組内容
 子どもの手にぴったり収まる、木製のハサミ。紙は切れるが安全な優しい製品は、温暖で木の生育に適した宮崎生まれのイッピン。県南部で育ち、独特のしなやかさを持つ“飫肥(おび)杉”で作られた、柔らかく体を支えるベンチ。しなりと木目を生かした、シンプルなトレイ。豊かな森に寄りそう職人たちが、木の特徴を見極めて手作りする現場を、田丸麻紀さんがリサーチ。

*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201812251930001301000 より

 

 《参考》みやざきスギ

 宮崎県の森林面積は約59万haで、県土面積の76%を占めています。
 温暖な気候に加え、日本一の快晴日数や豊富な降水量など、木が育つ条件が十分に揃っています。
 
 特に、都道府県別の「杉の丸太」の生産量は、宮崎県が27年連続で日本一です(平成30年現在)。
 杉以外を含む丸太木材の出荷量も年間178万7千㎥(平成27年)で全国2位、丸太を加工した製材品は80万1千㎥(平成27年)で全国3位であり、日本の木材生産においてはトップクラスにあります。

 「みやざきスギ」のほとんどは、宮崎県南東部の日南市付近で育成されている「飫肥杉」(おびすぎ)です。
 
 今から約400年前の元和時代に、飫肥藩によって植林活動が始められたことから「飫肥」(おび)という名前がつけられました。
 造林を続けられたことから、今では山々に美しい杉が林立し、飫肥(おび)の景勝になっています。

 「飫肥杉」(おびすぎ)には、次のような特徴があります。
 油分が多い
 シロアリなどの病害虫に対して強い
 水気に強い・腐敗に耐性がある
 弾力性、耐久性に富み、強度がある
 
 このような「飫肥杉」(おびすぎ)の特長から、江戸時代には、主として船を造る弁甲材や建築材として使われ、全国から注文を受けていました。

 明治、大正、昭和にかけて黄金時代を築き、今も職人達が豊かな森に寄り添い、木の特徴を見極めた手作りの木製品を作り続けています。
 平成26(2014)年度には、「飫肥林業を代表する弁甲材生産の歴史」が林業遺産として九州で初めて認定・登録されました。

 

 1.obisugi 癒しのベンチ(谷材木店)

 谷材木店は昭和28年から続く材木店です。
 現在は5人家族で仲良く営んでいます。
 変形が少ないとされる樹齢80年生以上の木材を自然乾燥させて、木材の持つ風合い・色合いを大切に、匠の技と感性を注ぎ込み、家具の他、はがきや置物などといった電動糸ノコ作品を製作しています。

 谷材木店の「飫肥杉」で作られた「Obisugi 癒しのベンチ」は、一切の無駄を省いたシンプルなデザインと温かみのあるフォルムでどんな部屋にもしっくり馴染むと人気です。
 
 デザイン性の高さもさることながら、「Obisugi 癒しのベンチ」の最大の特長はその座り心地の良さです。
 体を優しく包み込むような背もたれのカーブが、心地よい背当たりを実現しています。
 
 この人間の体の複雑な曲線に寄り添う背もたれは、職人技によって生み出されたものです。
 お兄さんで、社長の啓一郎さん達が裁断機でベンチ用の飫肥杉の1枚板を切り出し、天日干しで1年以上乾燥させます。
 この天日干しにより、程良い固さとしなやかさが生まれるのだそうです。
 
 弟の信英さんがベンチの座面の製作をします。
 着席した時にお尻がフィットするように、滑らかな窪みをつけます。
 背もたれにも背筋に沿うような工夫を凝らしています。
 
 信英さんは「シンプルで家族の一員になるような椅子を作っていきたい」とおっしゃっていました。

 谷材木店 宮崎県日南市松永241

 

 2.OBI tray
 
 昭和の後半に木造船の需要がなくなると、「飫肥杉」(おびすぎ)は急速に衰退し、現在では先人達が残した広大な飫肥杉の山々は残るものの、かつて飫肥杉で発展し賑わった街は、遠い昔になりつつありました。
 そうした中、飫肥杉を地域資源としてもう一度見直そうという機運が高まり、平成19(2007)年に市役所内に「飫肥杉を核としたまちづくり」を推進するプロジェクトチーム、通称「飫肥杉課」が誕生しました。
 現在、デザイナーと地元企業がアイデアを出し合い、「飫肥杉」を使った様々な木工品が生まれています。
 
 特にオススメなのは「Obi tray」です。
 飫肥杉のしなりと木目を生かした、シンプルなトレイです。
 薄い板を少し曲げたシンプルなトレイはゆらゆらと揺れて、温かさとゆったりとした時間を与えてくれます。
 パンやお菓子などを並べて頂くのに最適です。
 
 作るのは、谷木材店さんと日南家具工芸社さんです。
 強度を保ちつつも、よくしなるという2.5mmの厚さの板を接着剤で張り合わせて作ります。

 

 日南家具工芸社 宮崎県日南市隈谷1410−2

 

 3.桜の木のはさみ(木のおもちゃ けいかお)
 
 宮崎県では、木の魅力を後世に繋げようと、教育に身近な木を取り入れた「木育」(もくいく)が盛んです。
 
 特に、宮崎県三股町にある「木のおもちゃ けいかお」が作る南九州産の山桜の木を使用した、長さが約10cmの「木のはさみ」は、幼児が怪我をせずに”はさみ”を扱う練習をするのに適していることから、子育て世代に人気です。
 上質な見た目で、「キッズデザイン賞」にも選ばれました。
 
 「木のはさみ」は耐久性がある山桜の木を使用しています。
 丁寧に磨いて作っており、気持ち良い手触りです。
 側面の角などは丸くしています。
 先端も丸くなっているので安全です。
 紙が切れるように二枚刃が隙間なくピッタリ揃うようにして作ります。
 木そのものの色で無着色です。
 仕上げは、触っても舐めても安心な自然系のオイルフィニシュです。
 
 「木のはさみ」は木製なので、指を挟んでも怪我しにくいので練習するのに最適です。
 もし挟んでも、「挟むと痛い」ということが覚えられれば刃物のはさみを使った時に指を挟まなくなります。
 遊んだ後や、使わなくなったらお部屋に飾っても可愛いです。
 木製なので切れ味が悪くなったら紙やすりで磨けばまた使えます。

*https://omotedana.hatenablog.com/entry/Ippin/Miyazaki/wood より


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