「凍みこんにゃく」
主な伝承地域 北部地域
主な使用食材 こんにゃく
歴史・由来・関連行事
茨城県北部の奥久慈群地方は、古くからこんにゃく栽培が盛んな地域であり、江戸時代には水戸藩の専売品として、藩の財政を支えてきた歴史をもつ。
「凍みこんにゃく」は、そうした茨城県北部の農閑期の副業としてつくられてきた。江戸時代に、天下野町(旧・久慈郡天下野村)出身の北方探検家、木村謙次が丹波から製法を持ち帰ってきたと伝えられている。
「凍みこんにゃく」は茨城県の自然環境がつくる寒暖差をいかした方法で製造される。12月中旬から2月頃までの厳冬期の畑にわらを敷き詰めて、こんにゃく芋からつくったこんにゃくを並べ、水をかけてから、夜間にかけて凍らせていく。そして、昼間の日光でゆっくりと解凍させることを20日間ほど繰り返すことで、こんにゃくの水分が抜けスポンジ状になり、「凍みこんにゃく」となる。完成まで1カ月を要し、手間暇かけてつくられる「凍みこんにゃく」だが、昭和30年代の後半(1960年ごろ)から生産者が激減しており、現在は茨城県北部のみで生産されている希少な食材である。
食習の機会や時季
茨城県の冬の風物詩として知られる「凍みこんにゃく」。乾燥状態を保てば長く食べることができる優れた保存食であるため重宝されてきた。各家庭でさまざまな調理方法で楽しまれてきたが、一般的には「煮しめ」という調理法が親しまれてきた。
飲食方法
「凍みこんにゃく」をそのまま15分ほど水に浸したあと、お湯で10分ほど煮てアクを抜いて下処理をし、煮物や鍋 などに入れる。
味や香りがないためどんな料理にでも合い、料理の旨味や出汁がよく染み込んだ「凍みこんにゃく」独特の食感を楽しむことができる。地元でつくられる一般的な料理が、醤油、酒、みりん、砂糖で味付けをする「煮しめ」である。近年は、ほかにも煮しめた凍みこんにゃくを唐揚げや天ぷら、フライやグラタン、きんぴらにしたり、味付けしていないものをお吸い物の具、卵とじにするなど、さまざまな調理法が考案されている。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
観光協会や特産品流通公社や県のホームページで、歴史や販売店の情報が発信されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/shimikonnyaku_ibaraki.html より
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