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うまいッ! NHK 「パリパリ!スモーキー! いぶりがっこ〜秋田・湯沢市〜」

2024-09-07 07:27:48 | うまいッ!NHK

 「パリパリ!スモーキー! いぶりがっこ〜秋田・湯沢市〜」 2021年1月18日

 秋田県民が愛してやまない「いぶりがっこ」▽パリパリ食感とスモーキーな香りを生む職人技▽揚げなすと合わせる万能調味料!2つの食感を楽しむ「いぶりがっこピザ」も!

 いぶりがっこの「いぶり」は、秋田の方言で「いぶす」「がっこ」は「漬物」の意味で、いぶして、ぬか漬けにする漬物です。中村昌也さんが取材すると、パリパリ食感とスモーキーな香りを生み出す、火を調整するさまざまな技、均一な歯ごたえを生むための漬け方など、細かな職人技を発見!さらに、発酵×発酵の万能調味料「いぶり辛みそ」、くん製×くん製の「いぶりがっこスモークチーズ丼」など、絶品!いぶりがっこ料理も!

*https://www.nhk.jp/p/umai/ts/P7R4N8K39M/episode/te/1MNQJVK4RM/ より

 詳細不明につき、勝手に調べてみました。

 「いぶりがっこ」

 いぶり漬け(いぶりづけ)は、秋田県の内陸南部地方に伝わる、主に大根を燻煙乾燥させてつくる漬物。たくあん漬けの一種で、野菜を利用した漬物に燻煙工程(燻り工程)が含まれている点は世界的にも珍しいとされる。

 「いぶりがっこ」という名で呼ばれることが多いが、元は秋田県湯沢市下院内の漬物屋(雄勝野きむらや)が、1964年に発売したいぶり漬けの商標である。なお、2019年5月8日、「いぶりがっこ」及び「Iburigakko」は農林水産省により特定農林水産物として地理的表示 (GI) 登録された(登録番号第79号)。

 概要
 東北地方の日本海側では気候的に湿度が高く、晩秋から初冬の大根の収穫期に降雪があることから通常のたくあん漬けのような乾燥方法をとることができない。そのため室内の梁に大根を吊るし、囲炉裏の煙を利用して干す「燻り大根漬け」が作られるようになった。秋田の農家に伝承された漬物で、豪雪地帯の保存食として古くから親しまれてきた。

 昭和30年代に薪ストーブが普及したことで家庭で囲炉裏を使って「燻り大根漬け」を作ることは少なくなったが、昭和40年代には秋田県内の漬物業者が商品化するようになった。「いぶりがっこ」のほか(商標については後述)、「いぶり大根漬」、「いぶりたくあん漬」、「いぶり漬」などの名称がある。なお、「がっこ」は秋田県の方言で漬物を意味する。

 横手市山内地域では、いぶり漬けの味を競う「いぶリンピック」が開かれており、クラシカル部門とフリースタイル部門がある。

 特定農林水産物として登録されるものは原材料等に日本の国内産の大根を用いることとされている。なお、横手市山内三又では特産品山内にんじんを使い「いぶりにんじん」を作っている。

 製法
 市販品は主に燻煙工程(燻り工程)と漬込工程からなるが、各製造業者が独自の製法をもっている。

 燻煙工程(燻り工程)では原料となる大根を楢や桜など広葉樹の薪を使って昼夜2日以上いぶす。その後の漬込工程では、ぬか床で40日以上漬け込んで発酵熟成させる。

 農家の副業を含め小規模な製造業者が多いが、2021年6月施行(経過措置3年)の改正食品衛生法により専用の製造所設置や営業許可の取得が義務付けられ、廃業が続出することが懸念されている。

 商標
 「いぶりがっこ」の商品名で一般向けに販売されるようになったのは1967年(昭和42年)とされる。

 株式会社雄勝野きむらやにより1983年に商標登録(第1588021号)
 株式会社雄勝野きむらやにより2009年に商標登録(第5203672号)
 この商標権について、同じ名称での販売を巡り2014年に発足した県内の後発業者団体と、先発業者で商標を有する株式会社雄勝野きむらやとの間で主張の対立が続いている。上記(第1588021号)は「いぶりがっこ」という平仮名6文字をデザインした商標である。雄勝野きむらやは、1963年に創業した秋田県湯沢市下院内の業者で、「商標は商品の品質とブランドを表現するもの。いぶりがっこは長年育て上げてきた自負があり、名称も商標権に含まれている」と主張している。一方で、2014年に県内の後発組にあたる複数の業者で発足した秋田いぶりがっこ協同組合は、「特殊な文字で表された図形商標で名称は商標権に含まれない」と主張し対立が生じている。

 有限会社奥州食品により2014年に商標登録(第5697597号)
 上記は「秋田 奥州食品 いぶりがっこ」という文字が記された図形商標である。奥州食品は秋田県大仙市協和稲沢の業者で、雄勝野きむらやは本商標に対し登録異議申し立てをしたが、2015年8月に却下されている。

 秋田いぶりがっこ協同組合は、特許庁の判定制度を利用し権利侵害の可能性について判定を求めていた。特許庁は2016年7月に「(いぶりがっこ)の名称は秋田県を中心に広く一般に理解されている」として名称自体に商標権は含まれないとの判断を示した。判定制度に法的拘束力はないが、商品名に「いぶりがっこ」を使える可能性は高くなった。

*Wikipedia より

 「うまいッ!」の秘密
 パリパリ食感とスモーキーな香りを生み出すのが、「いぶし」作業。まずは、10本ほどをひもで編んだ大根をつるしますが、火から遠い上は細い大根を、火から近い下は太い大根をつるし、均一な食感と香りになるようにしています。まきは、香りと火力の強いサクラを7割、香りと火力が穏やかなナラを3割にブレンドすることで、強すぎず、長く燃える火に調整しています。さらに、くん煙は4日間行いますが、最初の12時間は強い火で大根の水分をしっかりと抜き、2日目は7割ほどの火力でじっくりと大根の水分を抜き、煙の香りをつけていきますが、生産者の木村さんは、大根の具合を見て、火の位置を変えながら、均一に大根を乾燥させ、香りをつけています。

 いぶした大根は、米ぬか、塩、ザラメなどの材料と交互に敷き詰めて、乳酸発酵させます。実は、材料で多いのがザラメ。塩と同じ脱水効果のほかに、甘みやコクを与えますが、粒子が粗く、ゆっくり溶け、下に落ちにくいので、上と下の大根の水分が均一に抜ける効果があります。さらに、下に敷いた大根には、材料をうっすらかけ、上に敷いた大根には大根が隠れるくらいの材料をかけることで、大根の水分の抜け具合や、塩みや甘みも均一になるようにしています。
 このまま低温で60日、乳酸発酵させると、パリパリ!スモーキーで、うまみも出た、いぶりがっこが、できあがるのです。

 いぶりがっこの香りには、さまざまなおいしさの秘密があります。まずは、ウイスキーなどに含まれる「くん蒸成分」の「グアイアコール」。そして、バニラビーンズのような甘い香りの「バニリン」。さらに、たくあんの香りの「DMTS」。こうしたいろいろな香り成分が調和して、いぶりがっこのおいしさを引き出しているのです。

*https://www.nhk.jp/p/umai/ts/P7R4N8K39M/episode/te/1MNQJVK4RM/ より

 古来伝承の囲炉裏干しの大根づけ(いぶり漬け)
 昭和35年 雄勝郡  撮影 加賀谷政雄
 四方を山々に囲まれた雄勝野(おがちの)は、日照時間が少なく、降雪の時期が早いため、漬け物造りのための秋大根を天日で十分に干すことができません。
 そのため、大根を屋内の梁(はり)につり下げ、囲炉裏火の熱と煙を利用して干し上げて漬け込む”燻り(いぶり)漬け”が造り継がれてきました。
 囲炉裏火で燻煙乾燥することで風味と保存性が高まり、さらに初冬の低温下で漬け込むことにより、この地方の雪深く長い冬を越してまでも食べることができました。
 このいぶり漬けは、幾多の時代を経て昭和30年代に薪ストーブが普及するまで雄勝野のほぼ全戸で造られており、その起源は古く室町時代からとも伝えられています。
 冬場のなくてはならない常備食として人々の健康を支え、酒の肴やお茶うけとして人々の語らいの場に欠かせないものでした。
 この地方で大根漬け(でごづげ)といえば、このいぶり漬けのことをいい、冬から春にかけてごく日常の食べ物でした。
 囲炉裏火とともに
 昭和30年代、薪ストーブが普及し、家屋から囲炉裏が消えていくと同時にいぶり漬けも造られなくなっていきました。
 薪ストーブで乾燥すると大根に『す』が入り、囲炉裏火のように干し上げることができなかったのです。
 食べ物が美味しく豊かになっていく時代の流れは、都会から遠くはなれた山里であっても同じでした。素朴な味わいのいぶり漬けは、その役割を終えたかのように、次第に造られなくなっていきました。
 焚き木干し沢庵
 昭和40年代に入るといぶり漬けの味を懐かしむ声が聞こえてきました。
 漬け物屋を営んでいた先代は家伝のいぶり漬けの商品化を試みます。囲炉裏火の熱と煙で干し上げた大根に『す』入りが起きないことに着目し、厳選した薪を燃した”焚き木干し”による大根の燻煙乾燥を独自の燻製小屋を造り追求しました。
 また、古来伝承の米ぬかと塩を主体にしたシンプルな漬け込みにこだわることで、いぶり漬け本来の素朴で味わい深い風味を目指しました。
 いぶりがっこ発売
 そうして試行錯誤を繰り返した末、出来上がったいぶり漬けに、”いぶりがっこ”と名を付し発売しました。”がっこ”とは秋田の方言で漬け物を意味します。
 いぶりがっこは人気を得て、特に都会で生活されている同郷の方々が懐かしそうに買ってくださいました。以来、半世紀にわたり多くの皆様に御愛食いただき、きむらやを代表する秋田漬物としてご周知いただいております。

 いぶりがっこ・秋田漬物製造・販売 雄勝野 きむらや 秋田県湯沢市下院内字常盤町91

 大好きないぶりがっこ。東北へいけば必ず買って帰るお土産のひとつ。きむらやさんのがスタンダードなのかも?

 

 秋田名産「いぶりがっこ」ピンチ、農家4割「続けられない」…作業場改修に100万円 2022/01/15 23:05 読売新聞オンライン

 いぶした大根を漬けた秋田名産「いぶりがっこ」が、ピンチに陥っている。きっかけは昨年6月に施行された、漬物販売に保健所の許可が必要になる改正食品衛生法。秋田では農作業小屋や台所で製造する農家が多く、許可を得るには作業場などを改修しなければならないためだ。「漬物作りをやめる人が増えるのでは」と生産農家らに動揺が広がっている。

 「いよいよ引退の潮時か」――。約20年前から農作業小屋でいぶりがっこを製造してきた横手市山内土渕の農業の女性(73)は、ため息をついた。

 改正法では、漬物製造者は水道設備を手洗い用と製造用に分けたり、住居と作業場を切り離したりするなどして、保健所の営業許可を得なければならない。

 女性の農作業小屋の改修見積もりは約100万円。「大金を掛けてまで続けられない」と嘆く。

 いぶりがっこの一大産地の横手市では、漬物生産者の平均年齢が70歳を超え、そのほとんどに後継者がいない。市いぶりがっこ活性化協議会の佐藤健一会長(65)は「この機に引退を考える農家は多い。担い手不足が一気に加速する」と危機感をあらわにする。県が昨年7~9月、県内の漬物生産者約300人に実施した意向調査では「漬物作りを継続できない」との声が約4割に上った。

 野沢菜漬けの長野県や奈良漬の奈良県など、漬物産地がある自治体の多くは条例による届け出制などをとっていて、法改正による大きな混乱は伝えられていない。一方、秋田県は「漬物の食中毒は把握していない」などとして、条例による規制などはなかった。

 生産現場は対応に追われている。大館市の農産物直売所は共同作業場の新設を検討する。県は改修費や助成金の交付を目指す。横手市も独自の助成金を支給し、農家の相談窓口を設ける。同市食農推進課の担当者は「秋田の漬物文化を何としても守っていきたい」と力を込める。

*https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220115-OYT1T50144/ より


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