登録番号 第106号 甲子柿
特定農林水産物等の区分 第1類 農産物類 果実類(かき)
特定農林水産物等の生産地 岩手県釜石市
登録生産者団体 甲子柿の里生産組合
特定農林水産物等の特性 甲子柿は、岩手県釜石市甲子町を中心に、伝統製法で渋抜きされた、完熟トマトのような鮮紅色をし、ゼリーのような食感が特長の柿である。渋柿を室(むろ)の中に入れ、煙で燻す燻煙脱渋法で甘くした柿は甲子柿のみで、その珍しさが評価されている。古くから釜石地方独特の秋の味として親しまれてきた伝統産品である。
地域との結び付き 釜石市は、東北地方でも比較的温暖で、積雪による枝折れ等の被害が少なく、台風や強風、霜による被害も殆ど無いことから、果樹の栽培に適した環境であり、柿栽培の北限といわれている
全国的に珍しい室(むろ)で燻す燻煙脱渋法による商品は他になく、他品種柿を燻煙脱渋しても甲子柿のような色、やわらかさにはならない。渋柿の商業的な脱渋方法は炭酸ガスかアルコールを用い、果実硬度を保ったままで販売されているが、甲子柿の渋抜後の硬度は、刃物を使用せずとも皮が手で剥けるほどやわらかい。
小枝柿(種無し)は、明治初期に気仙地方からもたらされて以来、生産地で栽培され続けている唯一の品種である。当時、囲炉裏の煙が上がっていく屋根裏に渋柿を並べたところ、渋が抜けて甘くなったことから、甲子柿の生産が始まった。
昭和20年から、室(むろ)での燻煙を開始したことにより渋抜き期間を短縮でき、現在の鮮紅色で、やわらかい甲子柿が確立した。
*https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/i106.html より
「甲子柿」GI登録 釜石特産、販路拡大に期待 2021.03.13
農林水産省は12日、地域の農林水産物や食品のブランドを守る地理的表示(GI)保護制度で、釜石市の甲子(かっし)柿を登録した。専用のGIマークを付けて販売でき、地域ブランド産品としての差別化や、販路拡大が期待される。
甲子柿は、渋柿の一種の小枝柿を「柿室(かきむろ)」と呼ばれる暗室に入れ、1週間ほどいぶして渋抜きしたもので、同市甲子町を中心に生産されている。完熟トマトのような赤さとゼリーのような食感、甘さが特長。
申請した甲子柿の里生産組合の組合員は40~90代の19人。ブランド化の機運が高まり、近年は若手生産者も仲間に入った。藤井修一組合長(77)は「先人から引き継ぎ、積み重ねてきた歴史があり、うれしい。急速冷凍の環境を整え、通年販売や加工品開発につなげたい」と語る。
*https://www.iwate-np.co.jp/article/2021/3/13/93546 より
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