「芋ぐし/いも串」
主な伝承地域 栃木県西北、栃木県央
主な使用食材 さといも
歴史・由来・関連行事
串に刺したさといもを焼き、焦げた味噌だれが香ばしい「芋ぐし」は、儀礼や行事に合わせて作られてきた郷土料理。さといもは、我が国へは稲作以前の縄文時代に熱帯アジアから伝えられたもので、栃木県内では、寒冷のためにさといも栽培に不適な旧栗山村などを除く広い範囲で栽培されてきた。かつては芋といえばさといもを指したもので、普段はもとより祭りや年中行事などに供えられてきた。芋ぐしにまつわる風習では、例えば那須塩原市槻沢の旧家では正月に囲炉裏を囲んでおせち料理やお神酒をいただきながら芋ぐしを食べる風習があり、日光市山久保では、旧暦初午の稲荷社の祭りには、各家で芋ぐしを作り食べる風習があった。
食習の機会や時季
さといも収穫後から春先までは囲炉裏で暖をとりながら、普段の日でも芋ぐしを食べることがあった。特に正月やこの間の祭りなどに食べられてきた。
飲食方法
蒸したり、ゆでたりしたさといもを串にさして焼き、味噌だれをつけてもう一度焼く。味噌だれは、とろみが出るまで焦げ付かないように丁寧に練り上げ、秋から冬にかけてはすり下ろしゆずやみじん切りのさんしょうの葉を加えたゆず味噌、春先にはさんしょう味噌も良い。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
昔ほどは作られる機会が少なくなった芋ぐしだが、栃木県の郷土料理の一つとして、インターネットや書籍に歴史やレシピが取り上げられることもある。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/31_4_tochigi.html より
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