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漫画「AKIRA」

2017-01-21 15:26:25 | 書籍
先日、ちょっと時間がある時に偶然読んだ漫画「AKIRA」。
面白すぎて一気に読んでしまったのですが。
購入時に読んでから時間を空けて再度読み返してみると新たな思いがあったので感想を。

漫画「AKIRA」は大友克洋のSF漫画。
言わずと知れた日本を代表する漫画家の大友克洋が描く長編漫画ですね。
1983年から1990年まで漫画雑誌に連載されていました。

まぁ、ストーリーやウンチクは色々なところで語られているので今さら必要ないでしょう。
強いて付け加えるなら、連載開始が1983年と30年以上前なのに、偶然の一致で2020年の東京オリンピックを予言している凄さですね。
まさか、的中するとはねぇ。

で、そろそろ漫画「AKIRA」の本編となった年が近付いて来たということですが。
アキラみたいな展開はあり得る?
まぁ、その前に1983年に爆発が起きないとストーリーに沿わないのでしょうけど。

東京オリンピックは的中したものも、それ以外はやはり1980年代に考えられる技術のみですね。
ネットワークは普及していませんし、カメラもフィルムのままでした。
まぁ、仕方がありませんが。

もちろん、そう言ったものがあったとしてもストーリー展開は変わらない内容なところが素晴らしいですよね。
ケータイあったらそんなの楽勝だよね!みたいなところとかありませんし。
ネットワーク機器があっても然りでしょう。

とにかく、この漫画はスピード感があって楽しい!
え?!で?!どうなるの?!って感じで読み進めて行くと、あっという間に読めちゃう。
というか、読んじゃう。

別に字が少なくてパラパラ読み進められるってわけではありません。
しっかりと字を読んで物語を把握していかないと、途中で意味がわからなくなると思いますし。
まぁ、わからない場合は絵の雰囲気だけで楽しめば良いのかも知れませんが。

そう、絵だけ見ても楽しいかもしれませんね。
細かなところまでしっかり描かれていますし。
だから、大型の本で出ているのでしょうか。

ただ、やっぱりストーリーもしっかり把握して行く方が良いのは当たり前でしょうね。
なかなか考えさせられるストーリーですし。
背景まで考えて理解した方が更に楽しめるでしょう。

で、「AKIRA」の面白いとことは、当時から見たら「近未来」である事と、その未来が荒廃してしまうところ。
荒廃してしまった世界を描く映画とかゲームとか大好きなんですよねぇ。
その中で、善と悪が生まれているところとか。

余談ですが、ゲーム「Fallout4」も核戦争後の荒廃した世界が舞台となっています。
あのゲームはアメリカで核戦争が起きた設定で、至る所に実在する建築物に似たものが出てます。
リアリティがあるところが面白いですね。

「AKIRA」はもちろん日本が舞台なので元々リアリティは感じていましたが。
でも、2020年の東京オリンピック開催となった今はさらにリアリティが増しましたね。
もしかしたら…とかww

あと、実は国が秘密裏にあの手の能力を引き出す人体実験を行なっているのではないか?!という事も。
本編では強調されていないものの、いわゆる「超能力」ってヤツですよね。
サイコキネシスだのテレポーテーションだの。

時代背景から行くと、その手の話しがチヤホヤされた時代ではあったのでしょうね。
超能力者などが出てくる色々なSF作品の原点が1980年代辺りに多い気がしますし。
もちろん、それ以前やその後も題材にした作品はありますが。

また、この漫画の魅力は絶妙な不気味さ。
超能力という不気味さもあるが、更にその能力を引き出すのが薬であるというところ。
本編内でその薬は市販薬で十分作れると言っていますが。

もちろん薬といえば、治療という良い事に使われるイメージがあります。
反面、麻薬など、悪い事に使われるものも存在します。
要するに、薬は諸刃の剣であるという事でしょう。

登場する薬は幻覚剤の様なものですが、それを飲む事によって能力を引き出す可能性があるという設定です。
そんな謎の薬が終始出て来て物語が展開して行くのですが。
成分や具体的な現象がわからないだけに不気味さを感じますね。

あとは、あまり強くはない島鉄雄の変貌ぶりですね。
あんなに変わっちゃうものなんですね。
まぁ、漫画の世界ですけど。

なんか、犯罪者のプロファイルを見ているような展開っぽく感じましたね。
つい道を踏み間違えて悪に染まっていってしまった…って感じ。
よくあるパターンですね。

鉄雄の場合は、過去にいつも金田に負けていたというフラストレーションが爆発した感じですかね。
まぁ、この手の原因が原動力となった大事件は多くありますからねぇ。
加害者側としてはいじめとか悪気は無いのでしょうけど。

更に不気味なのは、キャラの描画でしょうか。
26号などの能力者たちが子供の背丈なのに老人のような容姿であるところなど。
見るからに不気味ですよね。

38年前から時を経てあの容姿になったという設定でしょうけど。
あれが普通に5、60の初老キャラだったら不気味さが半減するでしょうね。
まぁ、普通に5、60の人が子供部屋みたいなところに隔離されていたら別の意味で不気味だけど。

そして、最後について。
まぁ、あの終わり方には賛否両論でしょうね。
ドンデン返しというか。

エンディングの捉え方は人それぞれ色々あるでしょうね。
多くの人は「未来への自立」を意味しているのでは?という捉え方をするのではないかと思います。
そして、残された人達で復興するのでしょう。

まぁ、疾走感のあるストーリー展開で最後にピリオドを打つとしたらどんな展開が良いのか迷うでしょうね。
アキラは居なくなりました♪チャンチャンでも良いでしょうけど。
それでもハッピーエンドでしょうし。

でもやっぱり、物語が展開しているところまでしっかり描いてくれた方が嬉しいですよね。
かといって、「1年後…」とか見せられても微妙でしょう。
一気に復興して元通りとか。

あと、あの金田が政府や大人の言う事を聞いているってのもおかしな話でしょうし。
思うがままに生きていて欲しいですしね。
せっかく、死なないでハッピーエンドなんですし。

ただ、ちょっと気になるのは、時の流れが掴み辛かったところ。
爆発が収まってから海外支援部隊が到着するまでにどれくらいの時間があったのでしょうか?
直後に来たわけじゃないですよね?

理由としては、「大東京帝国AKIRA」が出来上がるまでに時間が欲しいのではないか?って事。
もちろん、ミヤコ派と帝国派はどちらもトップを失っている状況なので、リーダー格が居れば直ぐにまとめられそうですけど。
そんな中で「人気者」の金田であればまとめるのは簡単でしょう。

でも、その時の流れを矛盾させそうな一言が。
爆発が収まってからケイが海を見て「見て」って一言を言ってます。
その後にカニなども描かれているので、ネオ東京が海に沈んでいるのは確かでしょう。

まぁ、その辺の矛盾はあまり考えない方が良いのでしょうかね。
もしくは、そのシーンの展開で別の捉え方があったら教えて欲しいです。
もちろん、作者の意図するもので無くても良いです。

ついでに言わせて貰うと、海外で実写映画化の話が出ているようですが、絶対にやめてもらいたいです。
あの漫画は日本だからこそ面白いと思いますし。
30過ぎのおっさんが金田役なんてとんでもなさ過ぎる。

更に、東京オリンピックを目前とした今だからこそ、実写化するなら日本舞台でやるべきでしょう。
まぁ、忠実にやり過ぎて映像がショボくなるのがオチかもしれませんが。
鉄雄の巨大化とか、バリバリCG感アリアリでカッコ悪そうですし。

個人的には、映画化するくらいならゲーム化の方が嬉しいですね。
最近の映像技術なら良さげな演出ができそうですし。
最悪の場合は、アニメ調でゲーム化でも良いので、オープンワールドでネオ東京や大東京帝国を歩き回りたい。

絶賛される反面、批判されるところもあるようですが、個人的にはいつ読んでも面白い漫画だと思います。

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