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「土地規制法全面施行」に抗議する

2022-09-21 11:16:27 | 日記

 9月20日、戦争法ともいわれ、多くの市民が反対の声をあげるなか、土地規制法は制定され、9月16日に閣議決定、9月20日に全面施行されることになりました。
 3月に閣議決定・即日国会提出というなかで、勧告・命令・刑罰が課される土地規制法が成立。中身については何もわからない!基地周辺や国境離島の周辺を注視区域に指定し、地域の住民の情報やプライバシーを調べ上げ、関係する人や地域の人に情報提供を要求し、情報提供の窓口までつくるというものだが、肝心の何が、勧告・命令・刑罰になるのか、全くわからない。すべては、内閣総理大臣の恣意のままである。
 これまで、法の廃止をもとめてきたが、パブコメが2760件も寄せられる中、全く無視し、法は施行された。20日の施行当日、廃止を求めてきた3団体は記者会見を開き、抗議声明をだした。これからも心ある市民と連携し、法の暴走を監視し、法の廃止を求めていこうと確認した。沖縄でも廃止を求める市民有志の会や廃止を求める弁護団が結成され、活動していくことが報告された。

 以下、抗議声明です。(ちょっと長文ですが)
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 土地規制法の全面施行に強く抗議し、同法の廃止を求める声明

 岸田内閣は、本年9月16日、「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」(以下「土地規制法」)の基本方針や関連政令等を閣議決定し、本日(9月20日)から土地規制法を全面施行する。私たちは、この全面施行に強く抗議し、改めて土地規制法の廃止を求めるものである。

 土地規制法は、自衛隊基地や米軍基地等の防衛施設、海上保安庁の施設、そして「生活関連施設」という重要施設の周辺区域や国境離島区域の土地や建物が、これらの施設等の機能を阻害する行為に利用されることを規制するとして、区域内の土地建物の所有者や利用者はもとより「その他の関係者」についても内閣総理大臣がその個人情報を収集し、情報収集の結果、所有者等が機能阻害行為を行ったり行うおそれがあると判断されれば、それを規制し、規制に従わなければ処罰するというものである。ところが、土地規制法は、区域指定の基準も、収集する情報の種類も、情報収集の方法も、なにが規制の対象となる機能阻害となるのかも、いずれも法律自身では規定せず、すべて内閣総理大臣や政令に委ねるものである。法律による行政の原理や罪刑法定主義に違反し、憲法で保障された思想良心の自由、プライバシーの権利、表現の自由などの重要な基本的人権を侵害し、恣意的な拘禁を禁止する自由権規約9条にも反するものであって、憲法と自由権規約違反の法律である。
 そして、内閣が閣議決定した基本方針や政令でもこれらの欠陥は解消されなかった。

 そもそも土地規制法には立法事実はないことが国会審議で明らかになっている。基本方針では、法案提出時に政府があげた北海道千歳の航空自衛隊基地近隣や長崎県対馬の海上自衛隊基地周辺土地の外国資本による取得の事例は言及されていない。また、国会答弁では防衛省が行った全国約650カ所の調査でも安全保障上の懸念はなかったことが明らかになったのに、基本方針ではあたかもそれが懸念事項であるかのように記載されており、立法事実探しの法律であることを自認している。
 また、区域指定については「経済的社会的観点から留意すべき事項」の内容が曖昧であり、区域指定についての恣意的判断が排除されていない。生活関連施設についても、なぜ基地以外に原発関連施設と自衛隊が共用する民間空港を指定するのか理由が不明確である。
 調査方法については、公簿等の収集を基本とし、必要に応じて現地・現況調査を行い、さらに必要に応じて土地建物の所有者や利用者及び「その他の関係者」からの報告を徴収するとするが、それぞれの必要性の判断基準は不明であるし、「その他の関係者」の範囲も限定されていない。「その他の関係者」も報告要求に応じなければ処罰されるのであり、密告が強制される。また、調査方法はこれらに限定されず、それ以外の調査方法も排除されていない。調査項目については、表向きは思想信条にわたる事項の調査はしないと言いながら、「土地等の利用に関連する情報」
であれば思想信条にわたる調査についても排除していない。さらには、情報受付窓口を設置して住民からの情報提供を受け付けるとするが、これは密告の奨励である。しかも、情報受付窓口は住民からだけではなく関係情報機関からも情報を受け付けるとしており、自衛隊情報保全隊や警備公安警察等が違法に収集し保有してきた情報の提供をここで受けることを可能にしている。
 機能阻害行為については、対象施設が膨大でそれぞれの機能も違うとして、なにが機能阻害行為となるのかを個々具体的に明示することを放棄した。機能阻害行為に該当する行為7類型をあげているが、あくまでも例示とし、かつ、これらの例示にあたらなくても機能阻害行為になるとも述べている。結局、なにが機能阻害行為になるのかは依然として不明なままであり、罪刑法定主義違反を解消していない。政府は、利用禁止の命令に違反することが処罰の対象であるから罪刑法定主義に反しないと言うが、罪刑法定主義とは処罰につながる勧告・命令の対象となる行為が何であるのかまでを明確にすべきものなのであり、政府の説明は詭弁といって過言でない。さらには、機能阻害行為に該当しないと考えられる行為を例示しているが、それ以外の行為、例えば基地周辺住民などの基地被害者が行っている継続的な基地の監視行為は機能阻害行為にはあたらないとは明記しておらず、基地監視活動や基地反対運動、あるいは原発反対運動が日常的に行っている活動が機能阻害行為に該当するとされる危険性は排除されていない。
 以上のように、法の内容を明確にすべき基本方針や政令でも、依然としてあらゆることが不明確なままであり、憲法違反・自由権規約違反は全く解消されていない。

 ところで、政府は、基本方針案や政令案等について7月26日から8月24日にかけてパブリックコメントに付した。パブリックコメントには他に類を見ないような2760件もの多数の意見が寄せられたが、その大半は、土地規制法の廃止を求めるもののほか、前述したような刑罰の対象が曖昧で罪刑法定主義違反は解消されていないという指摘をはじめ、内閣総理大臣の恣意的な判断によって法が運用される危険を指摘し、少なくともより限定したものにすべきというものであった。しかし政府は、パブリックコメントで寄せられた意見をただの一つも採用せず、いずれも原案どおり決定した。これでは、パブリックコメントの制度を適用した意味がなく、民主主義を無視したとの批判を免れない。
 以上のような問題だらけの土地規制法をこのまま全面的に施行することは許されない。

私たちは、今後とも、この悪法の危険性をより広く市民社会に知らせて世論喚起を行っていく。また、地方自治体には、区域指定に毅然と物申し、住民の個人情報を自ら進んで提供するなどしないよう、働きかけを行っていく。
土地規制法の全面施行に強く抗議し、全国の心ある市民・団体と連帯し、土地規制法の廃止に向けて粘り強く運動していくことを表明する。

2022年9月20日
              
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
土地規制法を廃止にする全国自治体議員団   
土地規制法廃止アクション事務局


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