茶山守廣・隠岐三味線ブログ

名残尽きぬに 銅鑼が鳴る今宵

西郷港は 小雨も降らぬに 袖しぼる

        (隠岐民謡・しげさ節)

しげさ節

2009年03月16日 | 気まぐれ日記
♪名残尽きぬに ドラが鳴る船の テープは切れても 胸の想いは 切れやせぬ

♪旅の情けに ほだされて島に 泊まりを重ねりゃ いつしか覚える しげさ節

♪名残尽きぬに ドラが鳴る今宵 西郷港は 小雨も降らぬに 袖しぼる

♪船は出て行く 波止場には愛し 島の娘が 涙で唄う しげさ節

♪にっこり笑ろうて 送り出し消ゆる 後ろ姿に 思わず泣き伏す 乱れ髪

♪遠い昔を 今もなお偲ぶ 後鳥羽後醍醐 歴史に残る 隠岐の島

♪隠岐は絵の島 花の島磯にゃ 波の花咲く 里にゃ人情の 花が咲く

♪忘れしゃんすな 西郷の港 港の灯影が 主さん恋しと 泣いている


隠岐の代表的な民謡「しげさ節」の歌詞は外にもたくさんありますが、独断と偏見で?自分の好みの歌詞を幾つかあげてみました。
どうしてこのような歌詞が好みかと言えば・・・自分が三味線伴奏する際にはいつもこの写真のように、西郷港での船の切ない別れの場面をイメージして演奏するからです。

最初はしっかりと手に持ちピンと張っていた別れのテープも、出船のドラが鳴り響き船がゆっくりと岸壁を離れ、元気でね~~さようなら~~の声が次第に小さくなり、鮮やかな五色の別れのテープが次第に切れ、ゆっくりと海面に舞い落ちる。
「しげさ節」を演奏するときにはいつもこの場面をイメージして演奏します。

“三味線とはイメージの楽器である”私の持論でもありますが、最近では特にそのことを強く感じるようになりました。
このことを強くイメージすることにより、三味線の音色も自ずと切ない音色となり、必ずそれに応えてくれます。

しげさ節を演奏される皆さん・・・一度騙されたと思って?試してみて下さい。