岡山市立市民病院 総合診療グループ(ER+GIM)

岡山市立市民病院の総合診療グループである『総合内科』と『救急総合診療科』の日常の雰囲気を伝えていきます。

岡山市民病院ケースカンファレンス(2015/07/10)

2015-07-23 18:04:44 | 院内カンファレンス
こんばんは。Dr.Waveです。

日々が過ぎるのは早いです。
充実している証拠だと思っています。
ということで、だいぶん記事がたまってまいりました。


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7/10のケースカンファレンスは「多発膿瘍」の一例でした。

散在する膿瘍部位は同定されたものの侵入部位を示唆する臨床症状や経過なく、総合診断に一時難渋していました。
最終的には胆管内空気を元に胆道十二指腸瘻が診断され、胆管炎からの肝膿瘍・全身多発膿瘍をきたした病態であると診断されました。


感染性心内膜炎などのBSI(Blood Stream Infection)や多発膿瘍の場合、侵入部位の同定を行う必要があります。
感染症のフォーカス診断の基本は現病歴と身体診察です。
臨床症状や経過から推測しにくい場合は、外腔と交通・接触がある部位を「身体診察」を含めて丁寧にスクリーニングを行っていく必要があります。特に見落としやすい頭頸部、皮膚軟部組織(見えづらい場所)、胆道系、小腸、生殖器、肛門などは留意しておかねばなりません。


「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ」『星の王子さま』(サン=テグジュペリ作)

医学的に言えば

「鑑別診断を持って見ないと、病態はよく見えないってことさ」

S野先生、プレゼンテーションありがとうございました。