ギタリスト岡本博文 生徒諸君!

プロギタリストのリアルな経験談、本音を語って行きたいと思います。

基礎練習を大切にしたい

2020-02-08 04:41:05 | Weblog

生徒の皆さま

僕は、昨年の発表会を経験して、
大変大きく考え方を改めることにしました。

高級と言われるアンプをこだわって使ったり、高価なエフェクターをたくさん並べて出演する人が、必ずしも良い音が出てると言えない、と思ったからです。

また、ジャズしかふだん演奏していない人の音も、全ての人が良いとは言えなかった。
難しいフレーズも良いフレーズも、よく聞こえない人が多かった。あるいは、僕の心を打たなかったのです。

正直、ローランドのJC-120に直で繋いで弾いた高校生の方がはるかに良い音がしていた、
と思います。そして「かっこいい」と思いました。

どこが問題なのか?を考えると、
音色に対する意識の低さ。
両手でそれを作るという意識の低さ、だと思いました。

それにフォーカスしてこなかった自分の責任も感じて、
それで、レッスンの中にそれを取り入れることにしました。
具体的には、ウォーミングアップとしてのカッティングとスケール練習です。

機材のスペックを語る前に、しっかり楽器の音が美しくリズム通りにスムースに出る、
運指とストロークがあるべきだと僕は思います。

また、アマチュアのジャズギタリストとメタル系(の音色の)ギタリストは、
ストロークを練習しなさすぎ、音が悪すぎると思いました。

アマチュアのメタル系音色のギタリスト
ディストーションをかけ過ぎて、ミッドを膨らませすぎるのも、
アマチュアジャズギタリストがトーンを絞って、
抑揚なく、意味を感じられないフレーズを弾き続けるのも、
結局、問題の出どころは同じであるように思えました。

長年、うちの生徒さんが、どこかにセッションに行って、
あるいはバンド組んで「あれ?誰かに習ったことある?」「岡本さんです」
「ああ、ちゃんとしてるね」と言われたと喜ぶ生徒さんの顔が僕のプライドでした。

それが、いつの間にやら失われつつあるのが、僕は悲しい。
少し前は、それが理論的なことの理解でありました。
それは続けます。ただ、
今は、美しい音に対するリスペクトと
表現力に対するフィジカルなトレーニングにシフトが必要だと思います。

現代は、若いプロフェッショナルは、素晴らしいフィジカルが発達していると思います。
また、時代は、益々シンプルに本質を表現することが、かっこよくなっていると思います。

一方、カジュアルな教室が、ネットや様々な情報過多で、ちょっと良くない
情報を広げつつあるのも疑問に思います。

プロと遜色ない制作環境が、カジュアルにパソコン一つで各家庭に持てる時代になりました。
カジュアルにプロ並みに情報発信できる社会の仕組みも整いつつあり、
10代の兄弟の作った音源が、グラミー賞をとったことでそれはもう証明されたと思います。

だからこそ、カジュアルであっても、もう少し良心的にいきたいと思います。
そして、プロフェッショナルを目指す人の耳を汚染したくない、と思います。

そして、それは僕もあらゆる側面から見て、他人事でないと思います。

だから、基礎練習と言われるものを。
今までと違った見方で毎回取り入れたいと思います。
そして、そういう練習は、本来とっても楽しいものだということを伝えたいと思います。



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