おかみ丼々和田の原点はなんといっても、京都の大阪屋です。
おかみが前職を終わらざるを得ない事態になり、新しい道を模索していたとき、「出汁を教えてやるから、丼屋をしたら」と言ってくれたのは、ゆきちゃん(おかみの同級生のご主人)です。
思いがけない言葉に甘えて、ひとりで回す店、秘伝の出汁を伝授していただくために、京都に通い、住み込みの修業をさせていただきました。
どんなにお世話になったかは、はかりしれません。
大阪屋は夫婦だけで五十四席を回すオベレーション。
店主のゆきちゃんが、厨房と洗い物をひとりで。
店内はおかみのともちゃんがひとりで回します。
無駄のない動きがお客様に伝わります。
西本願寺前に店を構え、三十年という長く愛されてきた歴史は、ゆきちゃんとともちゃんの二人三脚によるものです。
おかみは京都にたびたび通ううちに、ふたりから、商売の楽しさ、年齢に関係なくずっと働くこと、そして、四季折々の心震える美しい京都と生活を感じさせてもらってきました。
店の食材の調達から、何から何までお世話になり、それがおかみの力となり、築地で京都を少しは味わっていただけたかと思います。
心から感謝を伝えたいと思います。