12月の初旬に、昔、同じ勤務先にいた、友人でもあり、また、世話にもなった先輩に誘われて、埼玉県にある天覧山とその周辺を歩いた。当日は、天候は晴れで、12月にしては暖かい日であった。
天覧山の名称は聞いたことがあったが、果たしてどの程度の山なのかは知らなかった。ただ、先輩の話によれば、「随分と昔に子供たちと登ったことがある」とのことで、それ程に険しいものではないだろう程度には考えていた。
始めにまず、麓にある能仁寺を訪れてその境内を見た。能仁寺は、曹洞宗の寺院であり、山号は武陽山である。ここで、その由緒を見た。ここは、今から150年余ほど前の飯能戦争の舞台となった場所である。この戦争で寺は、幕府軍の陣営に使われ、官軍との戦いで破壊されたとのことである。現在の本堂は昭和11年に再興されたものである
能仁寺 山門
山門額
本堂
能仁寺 境内
なお、飯能戦争とは、上野(東京)で官軍と幕府軍が戦った戊辰戦争で、敗れた幕府軍の生き残りと、既に彰義隊を離れていた振武隊が合流して、官軍と戦った戦争のことである。
宏大な境内には振武軍の碑が建っていた。
振武軍の碑
天覧山への道は、この寺の脇から入るようになっていた。
天覧山の頂上までは、登山というよりも、散歩道である。筆者としては、全く見当もつかないので、途中の休憩所では「後、どれだけあるのか?」と考えていたが、それから然したる距離もなく頂上であった。何と海抜195メートルの「丘」である。
天覧山 山頂
それでも、周囲に高い山がないため、飯能市内を一望できて、何やら高い山に登ったが如しの気分ではあった。
山頂の展望台からの見晴らし
展望台の下には、未だ紅葉が残るドウダンツツジであろうか・・陽に映えて綺麗である。
陽に映えるドウダン
暫しの休憩の後に下ったのであるが、今度は、道のりが判っているので気楽である。
途中の木漏れ陽の中に、今度は、春に咲く筈のツツジが咲いていた。
これは、秋の気温や日照時間が春と似ているために、木が間違えて花を咲かせる現象であろう。因みに、このような花を「帰り花」、「狂い花」、「二度咲」などと言うとのことである。
春と間違えて咲いたのであろうツツジ
なお、麓の能仁寺の山門から少し離れた脇にも同じように白のツツジが咲いていた。
能仁寺に咲いていた白のツツジ
その後、帰路の途中、蕎麦屋に寄り、本日の「フラリ旅」を終えた。久々に、そこそこ元気? な先輩にも会え、また、丘のような山ではあったが、山歩きができ、元気をもらえたような一日であった。
了
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