横断者のぶろぐ

ただの横断者。横断歩道を渡る際、片手を挙げるぼく。横断を試みては、へまばかり。ンで、最近はおウチで大人しい。

ソフトボール金■熱闘を制した熱投・福岡県出身の上野由岐子選手大活躍!!

2008-08-22 12:02:51 | Weblog

陸上のボルトの世界新の走りには、しびれた。人類未踏のそこ、神の領域に踏み入れさせたものは、鍛え上げた筋肉の爆発的な躍動ではなく、勝利を早々と確信しての筋肉の弛緩でなかったのか?

 水泳の北島康介も世界新の泳ぎはすごかった。スイマーに求められるのは、陸上短距離選手に求められるような筋肉質なボデイではない。脂の乗った丸みのある筋肉質のボデイだろう。

 この女もある意味世界新の走りをやってのけた。ソフトボールの上野由岐子投手だ。決勝までの三試合連投は、なんといっても脂肪効果だろう。

 スポーツにおける筋肉神話が崩れ去ったということにしておくか。

■ラスト五輪で金!上野413球熱投/ソフト

サンケイスポーツ(08月22日08時00分)

 日本、悲願の金メダル。この2日間で3試合目の先発を務めたエースの上野由岐子(26)=ルネサス高崎=が、3大会連続金メダルの強豪・米国を抑え、日本が3-1で勝利。正式競技として最後の大会で、“有終の金メダル”を獲得した。2000年シドニー五輪銀、04年アテネ五輪銅と、あと一歩で泣き続けた日本が、ついに射止めた頂点。五輪史にも、記憶にも残る、まばゆいばかりの勲章となった。

 夢じゃない。三ゴロに飛びついた広瀬が、一塁へ送球。優勝だ! 審判のアウトのコールもかき消されそうな大歓声の中、上野は天からのプレゼントを受け取るように、両手を夜空へ突き上げた。五輪3連覇中だった米国に3-1勝利。日本ソフトボール界が待ち望んできた金メダルが、ついに現実になった。

 「鳥肌が立ちました。球数よりも気持ちが勝っていて、全然疲労感がなかった。負けたくない気持ちがあったから、投げ抜けたと思います」

 前日の準決勝、3位決定戦で21回計318球の熱投。決勝も託された以上、誰にも譲る気持ちはなかった。一回、先頭のワトリーから2者連続で平凡な当たりが内野安打になる不運。野選も絡み一死満塁のピンチを招いたが、丁寧にコースを突き、無失点で切り抜けた。六回にも一死満塁の大ピンチを招いたが、6番・ダランを遊飛、巨漢のヌーブマンも二飛と、球威で圧倒。95球の熱投で勝利をもぎ取った。

 4年前の借りを返した。初出場したアテネ五輪は体調を崩して点滴を打ち、決勝トーナメント中に右腕をハチに刺される不運。中国戦で完全試合を達成しながら、米国戦での登板機会はめぐってこなかった。不完全燃焼で銅メダルとなった翌日、宇津木妙子監督(当時)から「北京では、おまえがやり返すしかない」と諭された。

 以来、打倒・米国が最大の目標だった。日本の五輪での対戦成績は過去1勝5敗。今大会は徹底して米国対策を練り、1次リーグは首脳陣の“上野隠し”の作戦で登板を控え、コールド負け。準決勝ではMAX114キロの剛球で、延長タイブレークまで持ちこんだ。味方の援護がなく、九回に4点を取られて根負けしたが、光明は見えていた。決勝では4年間の思いを乗せた投球だった。

 人生を決めた、あこがれのメダルだ。幼稚園のとき、父がソフトボール大会で獲得した金メダルに目を奪われた。「私も、お父さんより多くメダルを集めたい」。まもなく、マラソン大会で優勝。紙でできた人生初の金メダルを持って、父に自慢した。中学の卒業式では、クラス代表で答辞に立ち、「目標は五輪に出て金メダルを取ることです」。ちょうど10年。旧友に誓った夢が、胸元でキラリと光った。


非英雄論25(終論)■再び、アキバ事件■努力とは、諸悪の根源か?

2008-08-21 21:01:01 | Weblog
池袋通り魔事件の造田博受刑囚の場合●自己愛の肥大が自己の神格化?

 ネットで造田のことを調べていたら、「造田博教」なるものがあって、それが自己愛の肥大と関係するという説が飛び交っているのが分かりました。
 これに「努力する人」と「ノストラダムスの大予言」の二つを加えると、解読のキーワードが大体出揃ったという感じですか。

「肥大する自己愛」とは、彼の周りにひとりとして愛してくれるものがいないと、彼は自身を護る必要から自己防衛機制が働いて自己愛を肥大させると考えています。
 この意味で、理解者がひとりでもいれば自己愛の肥大を抑止させると考えていましたら、ある専門家はまったく別の考え方をもっていたので仰天しました。


■斎藤本来、男の子というのは16、17歳ぐらいになるとお父さんとの対立が起こり、少なくとも精神的には・こんな家にいられるか・となるものなんです。ところが、新潟の彼の場合は、お母さんがお父さんを捨てて、彼の側についちゃった。これによってものすごく高いプライドが生まれた。だって、そうでしょう。お母さんはお父さんを捨ててまで自分を生き甲斐にしている。それほど自分はお母さんの宝物なんだって思ったわけだから。家族の中に父性が不在だから、彼の自己愛は肥大する一方ですよ。精神的には幼児そのものだから、社会に出て就職したって半年ももたない。それに、彼がギャンブラーだというのはよくわかる。ギャンブラーは、自分がいい子なのかどうかを運とか神に判断してもらいたがっているところがある。で、ときどき当たりという形で、お前はそれでいいんだよという感覚を持ちたい、つまり自己愛を肯定したもらいたいんです。当たると、自分が人生をコントロールしているみたいな感覚が持てて気持ちがいい。だけど、そういう人に限って自分の人生を自分でコントロールできていない。新潟の彼はそういう人だと思いますね。
・・・・・
『ニッポン診断』「家族社会論」より抜粋
http://www.geocities.jp/supernil_mh/sabra/sabra_3.html

 斎藤とは、精神科医の斎藤学ですね。一字一句にインパクトがあって、やっぱり違うなと思いました。
 で、驚いたのは、「家族の中に父性が不在だから、彼の自己愛は肥大する 一方」と。

 これで気づいたといいますか、自己愛を肥大させる機縁として二つがあり、母親的な理解者と父親的な保護の不在。
 斎藤は土居の甘え(理論)の延長線上で「自己愛の肥大」を語っているのに対し、私は自己防衛の必要から自己愛を肥大させるとしているわけです。
 ですから、この違いの特徴は、甘えと恐怖にあるわけです。

 彼は父親という絶対的な後ろ盾がいないから、自己愛を肥大させて、恐怖主体へと自己を同化させてくると説明するところを、斎藤は、肥大した自己愛は、ギャンブラーと「自己を同化」させるとしているわけです。

「ギャンブラーは、自分がい い子なのかどうかを運とか神に判断してもらいたがっているところがある」としていますが、これは言い換えますと、畏怖する理解者(ズバリ、天)を想定しての甘えた行為がほかならぬギャンブルということになります。

 ここでまたまた修正を余儀なくされました。というのは、父親こそ絶対的な理解者で、母親とは絶対的な保護者ということです。

 ここで、土居が心理学の考察外とした「恐怖」について斎藤がどう取り扱うかに的を絞ることにします。

■--少女を拉致して、監禁したというのが彼にとってはコミュニケーションだったわけですね。
斎藤自分が絶対的優位に立っていないと、恐くて仕方がない。彼は対等の立場の女性には近寄れないでしょう。もし彼が我慢して会社に勤め続けていたら、そこらじゅうにいる、それらしい人になっていたと思いますよ。同じ男同士では妙によそよそしかったり、傲岸不遜だったりする。でも、それはコミュニケーションするのが恐いだけなんですよ、本当は。で、ロリコン的買春でしか女性とのコミュニケーションができない。で、けっこう高学歴なのに、そこらのサラリーマンにはなりたくないとか生意気なことを言って、これは世を忍ぶ仮の姿だという意識でいつまでもフリーターを続けている。私のところにもそういう人がたくさんカウンセリングを受けにきますよ。

 引用に見られますように、「自分が絶対的優位に立っていないと、恐くて仕方がない。彼は対等の立場の女性には近寄れないでしょう」と述べていますが、彼は自己愛を肥大させた結果として、「恐怖主体」と同化していると読むべきでしょうか。それとも、女性恐怖心の持ち主であることを言おうとしているのでしょうか。
 「もし彼が我慢して・・・」とは、要するに、対人恐怖の持ち主だからといったも同然だなと解しましたが、その結果、「自己愛の肥大」が説明できない状態に陥っています。といいますのは、社会に進出できるのは、「自己愛を肥大」させたからで、その結果として脆弱な自我をよろった(異様な)仮の姿が観測されるはずで、それが観測されず且つ社会に進出できないというのは「自我の肥大」の失敗の結果といえるのではないでしょうか。
 「甘え」はさておき、「恐怖」については、便宜的な取り扱いの域を出ないといえるのではないでしょうか。
 少なくとも斎藤の論理では、殺人事件はさばけないと思いました。
 次の引用は、ソースの全文です。


父親との接触と対立で男児は精神的に成長する
--前回、男のパラサイト・シングルはさまざまな問題を起こしやすい、というお話でしたが。
斎藤本来、男の子というのは16、17歳ぐらいになるとお父さんとの対立が起こり、 少なくとも精神的には・こんな家にいられるか・となるものなんです。ところが、新潟の彼の場合は、お母さんがお父さんを捨てて、彼の側についちゃった。これによってものすごく高いプライドが生まれた。だって、そうでしょう。お母さん はお父さんを捨ててまで自分を生き甲斐にしている。それほど自分はお母さんの宝物なんだって思ったわけだから。家族の中に父性が不在だから、彼の自己愛は肥大する 一方ですよ。精神的には幼児そのものだから、社会に出て就職したって半年ももたな い。それに、彼がギャンブラーだというのはよくわかる。ギャンブラーは、自分がい い子なのかどうかを運とか神に判断してもらいたがっているところがある。で、ときどき当たりという形で、お前はそれでいいんだよという感覚を持ちたい、つまり自己 愛を肯定したもらいたいんです。当たると、自分が人生をコントロールしているみた いな感覚が持てて気持ちがいい。だけど、そういう人に限って自分の人生を自分でコントロールできていない。新潟の彼はそういう人だと思いますね。
--彼の場合、すでに中学生の頃から自室にこもりがちだったといいますから、20年の長きに渡り自己愛を肥大化し続けてきたわけですね。
斎藤もともと母親と子供の間では言葉がいらないんです。お腹空いた? うーん……とかって唸るだけですんじゃう。そこに父親という存在が介在することでかろうじて言語能力が保たれる。しかし、その父親が追い出されてしまったから、コミュニケーション能力がどんどん貧弱になっていく。彼の場合、近所との付き合いもなかったわけでしょう。地域というのは家族と並んで子供の人間関係能力を磨いていく場所だけど、それも欠けている。 一般的に言っても、今の子供は学校の中だけでコミュニケーションの練習をしようとするでしょう。でも、学校では同学年、同年齢との付き合いしかないから、多面的 な関係が築けない。障害児でもいれば、その子をみんなで支えようというように弱者を保護する精神が発達するのに、障害児はふつうの学校から排除されてしまっていることが多い。で、弱い者はいじめて支配して優越感を持つという、男のいちばん悪い面だけが出てしまう。この頃は女の子もそれを真似して、力による支配が行われてい るようですけれどね。
--少女を拉致して、監禁したというのが彼にとってはコミュニケーションだったわけですね。
斎藤自分が絶対的優位に立っていないと、恐くて仕方がない。彼は対等の立場の女性には近寄れないでしょう。もし彼が我慢して会社に勤め続けていたら、そこらじゅうにいる、それらしい人になっていたと思いますよ。同じ男同士では妙によそよそしかったり、傲岸不遜だったりする。でも、それはコミュニケーションするのが恐いだけなんですよ、本当は。で、ロリコン的買春でしか女性とのコミュニケーションができない。で、けっこう高学歴なのに、そこらのサラリーマンにはなりたくないとか生意気なことを言って、これは世を忍ぶ仮の姿だという意識でいつまでもフリーターを続けている。私のところにもそういう人がたくさんカウンセリングを受けにきますよ。
 ・母子カプセル・を生む我が子への絶対的自信
--パラサイト・シングル、社会的ひきこもりを可能にしているのは、一方では今の日本の社会的豊かさであり、他方では母親の存在ですね。
斎藤エンプティネスト・シンドローム(空の巣症候群)という言葉があるんです。アメリカ人が作った言葉だから日本の母親だけじゃないんですけれど……子供が恋人を作って、結婚して、子供を産んでといった具合にカレンダー年齢に即した成長をして母親を見向きもしなくなり、一方、夫が呆けたり、死んでしまったりすると、エンプティネス(空虚感)に取りつかれる。 ところが、子供が新潟の彼のようだと、呆けてなんかいられない。彼のお母さんも彼のために寿司を買いに行ったり、73歳になるまで保険の外交員を続けていたり、彼を何とかしようと病院や保健所に相談に行ったりしていたわけでしょう。子供がいつ跳び蹴りをしてくるかわからないから、いつも身構えて宮本武蔵状態にいなくちゃならない(笑)。つまりバカ息子、バカ娘がいると母親は呆けられない。そういう効用があるというか、母さん孝行なんです、バカ息子、バカ娘は(笑)。本来、母親という存在は子供にとって支配的なもので、子供に対して絶対的な自信を持っている。子供が暴力的になって、一見子供に屈服しているように見えても、この子は私がいなければ生きていけない、私がいるからこそ生きているんだという自信がある。子供に対していつまでも授乳感覚を持ち続け、支配し続けようとする。だから、あそこまで頑張れちゃうんですよ。
--とすると、新潟の彼と母親との支配、被支配の関係は非常に倒錯的ですね。「オレの部屋に絶対に入るな」と厳命し、奴隷のようにこき使うという形で彼が母親を支配する一方、母親は「私がいないとこの子は生きていけない」という形で彼を支配していた。
斎藤バイオレンスというのはもともとそういうものでしょう。バタード・ウーマン(殴られる女性)とバトラー(殴る夫)の関係がそうですよ。リアルな世界では妻が夫を支配し、ファンタジックな、濃密な二者関係においては暴力を介して夫が妻を支配する。それと同じようなことが親子関係でもあるんです。そういう関係を二者間でやっている家族はいくらでもある。そこに少女という第三者を巻き込んだから、新潟の場 合、事件になっただけなんです。
『ニッポン診断』「家族社会論」』
http://www.geocities.jp/supernil_mh/sabra/sabra_3.html

追記■城尾死刑囚の犯した伊藤長崎市長射殺事件は、そういう関係で、アウトローが自己愛を肥大させ、恐怖主体と同化しての犯行とみています。
 城尾の場合、前市長は利益をもたらすよき理解者であったが、伊藤市長はそういう意味での理解者でなかったことが犯行の動機になっているわけですから、理解者の存在は、自己愛の肥大を抑止させると考えています。
 と書いてみて、抑止力は、城尾にとってハンパな理解者ではなく、絶対的な親ないしは保護者となりましょうか。

 次の引用は、関連の報道記事です。

■城尾被告に死刑判決 前長崎市長遺族が会見

 去年4月、前長崎市長が銃撃され死亡した事件で、殺人などの罪に問われた元暴力団幹部に対し、長崎地裁は26日、求刑通り死刑判決を言い渡した。遺族は判決後、会見であらためて被告への怒りをあらわにした。

 元暴力団幹部・城尾哲弥被告(60)は去年4月、長崎市で市長選の遊説から戻った伊藤一長前長崎市長に銃弾2発を撃ちこみ、殺害したとされる。検察側は「自由と民主主義の根幹を揺るがす選挙テロ」として、死刑を求刑していた。

 26日の判決で、長崎地裁・松尾嘉倫裁判長は、動機について「市への不当要求が受け入れられなかったため」と述べ、殺意は「市長が4選への出馬を表明した去年2月ごろに抱いた」と認定した。その上で「暴力団による銃器犯罪の典型で、行政対象暴力として類を見ない極めて悪質な犯行」などとして、求刑通り死刑を言い渡した。

 判決後、会見した伊藤前市長の長女・横尾優子さんは「死をもってしても私たちには何も帰ってこないけど、民主主義を暴力、恐怖で破壊しようとする今回の事件、社会は、絶対許してはいけないとの強い姿勢を示してくださった」と述べ、あらためて被告への怒りをあらわにした。

 一方、懲役刑を求めていた弁護側は、判決を不服として控訴した。

[080526日20時27分更新]日テレnews24


非英雄論24(終論)■再び、アキバ事件■努力とは、諸悪の根源か?

2008-08-21 13:01:08 | Weblog
下関通り魔事件の上部康明受刑囚の場合努力する精神異常者?

 前記の行動モデルの狂いは、理解者が易変性のものではなく、恒常的な点が挙げられます。
 秀才タイプの犯人が努力主体を立ち上げて、挫折すると、不良主体を立ち上げる点は、問題はないと思っています。
 この後の未熟な不良主体がなぜ成熟した恐怖主体を立ち上げるのか、この点の説明が課題として残りました。
 力(893)への願望(反権力志向)を設定すべきでしょうか。
 下の図。

C (オモテ系)努力主体 →挫折  →不良主体 →力(893)への願望→恐怖主体
                  ↓                             ↑↓
B (ウラ系)  願望主体 →挫折  →憎悪主体 →攻撃感情     →報復主体

 見られますように、願望系の憎悪主体と報復主体の間に、「攻撃感情」をはさみました。
 この両外側に、下のような没交渉的な2者を配置しました。


A (父親系)恐怖主体  →挫折 →敗北主体 →(人間宣言?) →成人?
D (母親系)理解者願望→挫折 →理解者放棄→絶望的な法悦→神格化?


 説明はどちらも、土居のオモテとウラで可能と踏んでいますが、メンドー臭いといいますか、力不足を痛感していて隠したいと思っているのか、とにかく、説明のために頭が働かずにおります。
 また、前記の恒常性に関しては、それを認めたのではクソ面白くないので、性懲りもなく、易変性を採り入れています。

 上部の努力主体の立ち上げは、事件を起こした1999年の2月に始まると見ています。新婚旅行で行ったニュージーランドへの移住資金を稼ぐために、軽トラの運送業を始めますが、次の『事件録』の引用にありますように、「逆に行き詰ま」るとあります。

■軽貨物輸送・・・・01年の「武富士弘前支店強盗放火殺人」の小林光弘も、03年の「名古屋・立てこもり爆破事件」の別府昇も起死回生、フランチャイズの軽貨物宅配の仕事を始めるが、逆に行き詰まり、犯行の要因にもなっている。
『事件録』「下関通り魔事件」
http://yabusaka.moo.jp/simonoseki.htm

引用は、「犯行の要因」としていますが、その通りだと思います。
 できれば、努力主体の立ち上げも、要因の一つに加えてほしいです。


■【凶行】

 予定していた日の4日前の9月29日、親から「冠水した車の廃車手続きは自分でするように」と言われて「この期に及んで面倒な廃車手続きをするなんてたまらない」と腹をたて、急遽計画を変更、自宅を軽自動車で出ると、下関市内で文化包丁を購入、午後1時過ぎに駅近くのレンタカー会社に車を預け、白の「マツダ ファミリア」を借りた。そして睡眠薬を飲んだ上部は車を発進させた。

 午後4時20分頃、下関駅改札口付近は旅行代理店や売店、食堂が並び、下校途中の生徒やサラリーマンらで混雑していた。そこへ猛スピードで乗用車が駅のガラスを破り突っ込んできたのである。暴走した車は通行人7名を次々と跳ね飛ばした。改札口あたりで車を停めると、上部は文化包丁を振り回しホームに向かった。途中で1人、ホームで7人切りつけている。午後4時30分頃、そこで上部は現行犯逮捕された。結局この事件で5人が死亡、10人に重軽傷を負った。


【事件後】

供述
「社会に不満があり、だれでもいいから殺してやろうと思った」
「池袋事件のようにナイフを使ったのでは大量に殺せないので車を使った」

 上部は逮捕後、「神の指示」などと意味不明の発言を繰り返し、時に奇声を上げて廷内で暴れるなど奇行が目立ち始める。こうした行動が罪逃れのための演技であるか実であるか、精神鑑定が行なわれた。
 検察側が死刑求刑の根拠とした鑑定は、犯行時の精神状態を「人格障害が背景となった反応性うつ状態を繰り返していたが、刑事責任能力への影響はない」と結論付けた。一方、弁護側が受け入れた鑑定では「統合失調症に近い妄想性障害で、心神喪失または心神耗弱」と判断している。
(同上)


上部の精神異常●「1流大学を出た」から万能?

上部のように、外国へ移住すれば、と考えるのは、「関係妄想」様の神経症を患った漱石的な発想で、似ているなと思いました。同時に、九大に入るぐらいだから、漱石の「草枕」の冒頭の一節なんか諳んじていそうなものですが、理系は小説は読まないということでなくて、入試問題によく出るわけだから、頭に残っていない方が不思議というもんです。

山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角がたつ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくにこの世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安いところへ
引き越したくなる。
どこへ越しても住みにくいと悟った時、
詩が生まれて、画ができる。
(夏目漱石「草枕」より)

 対人恐怖症については、前に述べましたが、高所恐怖症に近い高位恐怖症ではなかったんですかね。
 九大なんかに入学できると大いに誇示したくなるところ、目立つことに対して萎縮してしまうタイプといいますか、自意識過剰の部分があって、本当は周囲の風景に溶け込んでしまうひとりに過ぎないんじゃないんかと思いたいんですが、やっこさんは調べてみると、188センチもある大男ですか。
 目立つのが当たり前で、頭を使うよりもレスラーに転向した方が良かったかもしれませんね。

「何をやっても成功せず、いつも自分だけが貧乏くじを引きみじめな思いをしている。中卒でもできる運送業を、どうして1流大学を出た自分ができないのか。ただでは死ねない・・・」
『無限回廊』『下関通り魔殺人事件
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/simonoseki.htm

 上にある「1流大学を出た自分ができない」というのは、課題に対して突破力がないことをさらけ出していると思いましたが、人生においてエレベーターのように昇降を繰り返さずにいられないのは、前記のように、高位恐怖症の影響と見ていいのではないでしょうか。
 それと「1流大学を出た」から万能という思い込みに、内閉的な生活を送りやすい上部の幼児的なナルシシズムが読み取れます。


 そういうアホみたいな夜の観念は、まず言語化してみることですね。すると、外の光にさらされることによって、色あせて見えてきます。
 それでも見えてこないときは、ブログで公開し、人の目にさらすに限ります。
 文章をチェックしてくれる人もおりますし、中には、一字一句を添削してくれる親切な方もおります。

 そういう努力を日常的に欠いたことが一番の背因(敗因?)ではなかったでしょうか。


 しかし、よくよく考えてみますと、そういう試みは、手ごたえがまるでないと、発狂するリスクを背負いかねませんから、甘えを克服してからやりましょう、ということですか???

非英雄論23(終論)■再び、アキバ事件■努力とは、諸悪の根源か?

2008-08-20 09:33:32 | Weblog
下関通り魔事件の上部康明受刑囚の場合国語学と犯罪学と不倫妻

 発信者の向こうには、受信者が立っており、「花」という言葉を投げつけると、「花」とキャッチするために理解が成立するという時枝の国語学的な考えは、両者の間に物理的過程の存在を前提にしています。
 それに対して、若い時分の私は「理解」という以上は、「化学的過程」が必要と考えました。つまり、彼発信者は「花」ではなく、「花!」を伝えたいと思っているのであり、いつもは見馴れているはずの花が「花!」と見えるのは、恋人といるなどして生きている感動の瞬間に立ち会っているからこそ、なんでもない花が美しく輝いて見えるのだなと思って、発信者の「生の喜び」を読み取り、それをもって理解としました。
 しかし、現実は「花」を「花」とコピーするがごときをもって理解とするのが大多数なのですから、時枝学の優位性は、いまだに微動だにしません。

 時枝学に対しては、そういう不満を持っているわけですが、利点は、なんでもない行為に対して他者への指向性を読み取り、方法的に取り入れることによって、言語科学の道を切り開いたことです。

 この点は、犯罪学はどうでしょうか?

 犯行の動機の解明にのみ眼が向けられていて、犯罪行動のもつ他者への指向性は考察外とされているのではないでしょうか。
 私特有の言い方をしますと、犯罪学の関心は逸脱的な一「点」に向けられており、自己回復的な「線」的論理には今もって目が向けられていないということです。
(犯人自らが口にするように、「誰でもいいから殺したいと思った」からではなく、彼の置かれた状況が苦しいから想いもよらぬ犯罪行動をとらざるを得なかったのではないでしょうか)


 たとえば、努力という行為があります。国語学では見えていた他者の存在が視界から消える代わり、目的や目標が強調して語られることになります。
 努力こそ目的達成のための最強の手段であるとかなんとか。

 書くまでもなく。努力するのは、受験生だけと限ることができません。
 帰りの遅い夫を寝ずに待つ妻だって、努力しているのでありまして、目には見えない妻のがんばりに対して夫が応えきらずにいますと、妻はやがてスランプに陥り、悪ければうつ症を発して、不眠等の神経疾患で苦しむようになります。
 そういう苦しさから逃れようとして、精神科医に助けを求めたところで、薬を処方するだけというのが目に見えていますから根本治癒には程遠いということになります。
 賢い妻ならば、夫との依存関係に問題の原因があると読んで、不倫をすることで発症を回避するはずです。
 この場合は、努力主体を立ち上げた際に、潜り込ませた甘えに気づかずにいると、不倫妻は願望挫折に伴う報復感情を晴らすために、愛人の協力を得て、夫殺害をたくらむ可能性も出てきます。

 このように(非自己確立者にとって)努力主体を立ち上げることは、非常なリスクを背負うことになるわけですが、罪を犯せば、そこにいたる心理過程が読めないために、まじめな?妻ほど全責任をかぶることになるのではないでしょうか。

非英雄論22(終論)■再び、アキバ事件■努力とは、諸悪の根源か?

2008-08-19 22:22:01 | Weblog

最後に、行動モデルの検証●アキバ事件の加藤智大容疑者の場合

 努力主体を立ち上げる場合、その行為は他者に向けられていると考えています。
 この場合、その他者とは、人間か、あるいは、非人間的なものか、この二種の他者の存在を考慮に入れる必要があると思います。
 さらに、その他者が理解者であるかどうかを見極める必要があります。

 普通は、自らの努力に対して、今述べたような他者指向性はついぞ自覚することはないわけで、潜在的な願望として理解者を希求していると捕らえています。
 言い換えますと、努力主体とは願望主体(甘え)を潜りこませているから、その挫折は、不良主体を立ち上げる機縁になりやすいわけです。

 加藤容疑者の場合、カノジョを作るために携帯サイトの出会い系で知り合った相手に1000回の書き込みを行っている(フライデー)わけですが、一方で、「現実の世界から逃げてネットの世界にのめり込んだんです。現実とネットの世界の境界がわからなくなりました」(同)と、万世橋署内で淡々と供述して、ネット依存といいますか、中毒症状を語っています。
 生身の女性というのは、捕まえたと思ったのもつかの間、次の瞬間には、つるりと逃げ出してしまうわけですから、容易なことではカノジョは作れません。そんな点、オタク用語「機械は裏切らない」わけですから、自己の声をまるまる聞きとめる他者に対して、超甘の受容者といいますか、そんな関係にはまって、抜け出させなくなった心理状態を示唆するものではないでしょうか。

「誕生日までに彼女できなかったら死にます」(同)

 ですから、ハイミスのように、悲愴な決意で努力主体を立ち上げたものの、等身大のカノジョを作るため、という名分が霞んできます。

 努力主体とは、緊張主体であります。本体は、恐怖主体であります。
 一方の緊張の延長線上に現われる他者とは、彼の苦痛を癒してくれる別空間のごときものではなかったかと推測。
 この非人間的な関係は、時枝のいう「言語の過程」が立ち上がった状態で、遂行過程の俗性を受容過程の聖性が包み込んでいると形容できるのではないでしょうか。

こうして非人間的な理解者との間で、携帯における私的な通信手段を確保する一方で、カノジョがいないという現実問題は一向に解消されなかったことから、携帯サイトの出会い系でのアクセスを断念。

 次に、立ち上げた努力主体は、一転して、受信者(=女性)拒否の発信主体とみていいのではないでしょうか(フライデーの記事によると、昨年の8月ごろに別の赤面告白サイトを立てたとあります。したがって、この後か、その後々の・・・?)。
 前記のとおり、、《秋葉原で忍者姿の痴漢が刀振り回し大惨事!≫とのスレッドタイトルで、≪6/5以降絶対事件起こるだろうから先に立てとくね≫(産経新聞記事)と、犯行を匂わせる内容になっています。
 犯行予告日の5日には、「作業場行ったらツナギが無かった/辞めろってか/わかったよ」と書き込んで、急展開の様相を呈してきます。
 その日は職場で、ひと暴れして、ケツをまくりましたか。このときに、不良主体と憎悪主体を立ち上げた可能性があります。

[2218]06/04 00:58
俺がなにか事件を起こしたら、みんな「まさかあいつが」って言うんだろ

[2219]06/04 00:58
「いつかやると思ってた」
そんなコメントする奴がいたら、そいつは理解者だったかもしれない

(中日本自動車短期大学)


 上にあるような犯行予告から6月8日にアキバ事件を起こすまでの5日間の間に700通以上のメールを送っているわけです。単純に計算すると、10分間に1、2通のメールを送っていたことになります。
 つまり、携帯中毒の一方で、恐怖主体を立ち上げようとしているわけですから、そのこと自体が「願望」と「恐怖」の一体化を物語るものといえると思います。
 さらに、この両者は、事件当日の真昼を境に別れるわけですから、《願望=理解者》が伴走役を務めたといえるのではないでしょうか。
 言い換えますと、恐怖主体を離陸させるための基地機能を《願望=理解者》が果たしていたということです。

 このような見方ができるならば、前記の行動モデルは書き換える必要があります。


非英雄論21(終論)■再び、アキバ事件■努力とは、諸悪の根源か?

2008-08-18 15:40:36 | Weblog
土居のオモテとウラなど●根源的なアンビバレンツの考察ノート

恐怖と願望(甘え)という、根源的な両価的な存在を前提におきます。

恐怖とは、外在するものをいい、願望とは、内在するものをいいます。
この意味で、土居の言うオモテとウラは外在と内在に対応する用語と考えています。

本当の現実は、恐怖に満ちているという絶対認識を採用します。
つまり、絶対的な現実は太陽のように、恐怖に満ちた巨大空間であるということです。


註:色即是空という場合の、空の三義に関係する論考を最後に提示します。


こういう現実が私たちの目に見えずにいるのは、生きていく上で障害となりやすいからと考えています。
 このために、オモテが現実認識を抑圧し、ウラが検閲を行うおかげで、直接の恐怖にさらされるのを防いでいるのではないでしょうか。

 ですから、その場合のオモテ=抑圧とは、無意識的な良心機能をいい、ウラ=検閲とは、本能的な防衛機能という考え方が必然的に導き出されます。

註:フロイドのミスを指摘するならば、「検閲」の働きを良心としたことです。この点で、土居理論はまさりますが、惜しいかな、恐怖を心理学の考察の対象からはずしてしまいました。
 この点は、非英雄論17でも書いていますので、不明の点は、参考にしてみてください。

 一方で、内在する潜在的願望とは、いかなるものでしょうか?

これも本当の内部は、甘美な想念で満たされているという絶対的な現実を採用します。
つまり、内部の現実は、太陽のように、圧倒的な甘美な想念に満たされた巨大空間ということです。

こういう内部(潜在的)の現実が私たちの意識に上らずにいるのは、生きていく上で障害となりやすいからと考えています。
(たとえば、有吉佐和子のいう「恍惚の人」の場合、重度の記憶障害をもたらしやすく、その毒性ゆえの弛緩作用は大脳の死をすら招くと考えています。有吉は、それで逝去?)
 このために、オモテ(良心)が内部の現実認識を抑圧し、ウラ(エス)が検閲を行うおかげで、直接的の内部認識を防いでいるのではないでしょうか。


以上のノートは、恐怖と願望の両価的な存在の「根源性」について、私の考えを述べたものです。
行動モデルへの直接の言及としては、なぜ恐怖主体と願望主体を同時に立ち上げるかの説明には役立つと考えています。
 他に、検閲と抑圧の2重の作用を受けて、秀才タイプの努力主体はU字型を描くために、ある日突然に、恐怖主体に化けるのではないかと拝察。


最後に、行動モデルの応用●

非英雄論20(終論)■再び、アキバ事件■努力とは、諸悪の根源か?

2008-08-18 13:17:02 | Weblog
 自分の思うところを述べて、弊論を閉じます。

努力主体と不良主体は、紙一重●願望主体と恐怖主体の行動モデル?

 社会人になってから努力する自己を立ち上げることは、いいことだと誰しもが思うのではないでしょうか。ですが、彼を取り巻く環境が未整備且つ劣悪の状態でありますと、挫折の結果として、彼は不良主体を立ち上げてくる可能性があります。
 これは社会人に限らず、学生にも言えることです。

 不良主体が自殺未遂者の場合、以後の彼は、生きるための努力主体を2次的に立ち上げることになります。
 このタイプ(不良主体と二次的な努力主体を兼ねた)の殺人犯がここで取り上げた、秋田連続児童殺害事件を起こした畠山鈴香被告とアキバ事件を起こした加藤智大被告の二人です。


註:自殺とは、生きることへの努力を放棄した願望主体のとり行う自身の殺害といいうるならば、窃盗とは、願望主体がいくら努力しても満たされぬことへの代償的行為といえます。
 保険金殺人や詐欺、強姦やわいせつ目的等の犯罪は、窃盗に準じると考えています。
 したがって、殺人とは、願望主体がいくら努力しても満たされぬことへの報復的行為といえると思います。


 この場合は、自己確立者の立ち上げる努力主体は問題外として省きますと、非自己確立者の努力主体と限定する必要がありましよう。
 彼が非自己確立者であれば、その努力主体は甘え(願望主体)を隠し持っています。
 その2重性を図式で表わしますと、次のようになります。

A (父親系)恐怖主体 →挫折   →敗北主体
B (母親系)願望主体 →挫折   →憎悪主体 →報復主体

C (子供系)努力主体 →挫折   →不良主体
D (神系) 理解者願望→挫折   →理解者憎悪→報復感情

 努力主体を立ち上げて理解者に巡り会えればいいのですが、彼ら凶悪犯の多くは、挫折しています。その反動で造成される不良主体は、未熟な恐怖主体といえると思います。
 願望の挫折が憎悪感情を呼び起こすのであれば、それは報復感情で満たされることになると思います。
 報復主体は報復感情に乗っ取られた主体ということです。
 父親系は抑圧されていると仮定しますと、先に述べたことは、次のような図式で表わされると思います。


C (子供系努力主体 →挫折   →不良主体 →(ある日突然に、脱皮を遂げた恐怖主体?)
                 ↓                 ↑
B (母親系)願望主体 →挫折   →憎悪主体 →報復主体
                 ↓                 ↑
D (神系) 理解者願望→挫折   →理解者憎悪→報復感情


 ここで取り上げた三件の通り魔事件の犯人たちはいずれも、非自己確立者が努力主体を立ち上げ、その挫折が不良主体に転化して、さらに反社会的な恐怖主体を立ち上げて、凶行に及ぶというCのような直線性を裏切っています。

 秀才タイプは子ども的ないい子の努力主体に留まっているから、「不良主体」や「憎悪主体」へ転化しにくいと考えています。
 少年の家庭内暴力者は、あくまでも家庭内の「不良主体」や「憎悪主体」であって、反社会的な人格者とは区別すべきだと考えています。

 仮に、行動モデルが直線的ではなく屈折的であるとするならば、上の図式にある青で表示した2重の願望挫折の流れに沿って、最後に恐怖主体に化けての行動を採っていると説明できるのではないのでしょうか。
 今一度、書きますと、報復主体とは報復感情に乗っ取られた主体ということです。
 恐怖主体とは、ストレス等で造成された反社会的人格者の確信犯的な犯行主体をいいます。
(この唐突の誕生劇には、心理学上の特異点を仮定すべきだと考えています)

 大体の行動モデルは今述べた通りですが、他に考えられる凶悪犯の線的な行動モデルがあるというのであれば、それを提示すべきです。
 提示できないのであれば、当座は、我慢してでも、この行動モデル(叩き台)のあることを承認するべきではないでしょうか。
 反論があれば、内容次第ですが、受ける用意があります。
 次は、行動モデルの論拠として土居理論等の援用を行いたいと考えています。

ある数学教師の目■恐るべき生徒 教師キラーの青木佳久君

2008-08-18 07:38:37 | Weblog
 青木佳久は、席順に課された宿題の、数学Ⅰのテキストの問題を黒板の上に計算過程と導き出された答とを書いて、自分の席に戻ろうとしていたところ、背後で、
「丸暗記して、答えを書き写した者がいる」
 と、数学教師の武藤の皮肉る声が聞こえた。

 その時の佳久は自分のことかと思ったが、「そういうテメーだって、すらすらと解いているではないか」と不満を持った。

 佳久は高校三年の新学期に、私立の福州工業高校から進学校では有名な修友高校に転入した生徒だった。
 武藤が単純に「お前のアタマで解ける問題ではない」と思ったのも無理からぬことである。

 福州工高時代の佳久は、不登校生徒だったが、大検合格を目指して独学で励んでいたところ、いつの間にか大学受験レベルの学力が身についていた。

 そんなことがあってか、佳久は武藤から何一つ学ぼうとは思わなかったし、武藤の方も佳久に対してことさらに教え込むことはなかった。

 いずれにしろ、佳久にとって学校教育とは、帯に短し、襷に長しであった。

 ある秋の日のこと、こんな簡単な問題もできぬのかと、武藤はいわゆる出来の悪い生徒を名指しで攻めていた。
 といっても、いつになくべたべたした授業のおかげで、教室の中は大盛況であった。
 そんな空気に動かされて、佳久がふと顔を上げ、黒板の上に書かれた不等式の問題に目を留め、すぐさま洗ってみると、元々の式が狂っているために答えが出ないことが分かった。
 それに要した時間は、2、3秒であったろうか。
 そこで彼はやんわりと指摘してやった。無論、お返しの意味もあった。

 すると武藤は、これまたすぐさま呑み込み、次の瞬間には、答えのある不等式の問題に作り変えていた。
 黒板に向けた顔を振り向きざま、「これでどうだ」と言わんばかりに佳久に向けられた、武藤の目は烈しい憎悪の炎で燃え上がっていた。


 佳久は翌春の大学受験に失敗した。
 武藤の目にかなうように、落ちてやったというべきであるかもしれぬ。

北京オリンピック・非英雄論■銅の谷亮子選手■結果責任は、誰が負う?

2008-08-17 09:42:36 | Weblog

何が努力すればだ●

 「努力すれば、いつか花が咲く」と、卓球の関係者が語っていましたが、しみじみといい言葉だと思いました。

 そうそう準決勝戦で谷亮子選手は、終了間際の消極的な戦いぶりで「スペイン人主審が谷だけに指導を与え」(読売)て、敗退。
 この点は、不公平と見る向きが多いと思われますが、私は一本勝ちして当たり前の日本柔道選手だからこそ、主審は姑息な勝ち方を狙った日本選手の態度には、厳しくあってしかるべきだと思っています。
 
 それにしても不思議に思うのは、五輪選手の代表選考をかねた全日本選抜体重別選手権で決勝戦で山岸絵美に判定で敗れていながら、そのあと委員会の独自の判断で、谷を代表として選んだ際、なぜ後進の山岸に代表の座を譲らなかったのかという点です。

 谷がその点でスポンサー?の被害者というのであれば、選考委員の癒着等の問題(八百長疑惑?)は厳しく追及してしかるべきでしょう。

 以下、関連のニュースなど一挙掲載。

■sun earthの日記
谷亮子はいい加減にして後進に道を譲れ。マスコミも前々から度が過ぎての持ち上げすぎだ 01:33 オリンピッック代表選考会で谷は負けたにもかかわらず、 ( この時は 判定で負けたのでなく、スッキリの一本で負けたと記憶している)今回も出場。前回もあり、これで2度目でなかったか。ママさんであることをマスコミは持ち上げているが、勝負の世界に個人的なことは関係ないことだ。男子の井上選手は選考会で負けて、そのまま代表からもれる。 http://www.rondan.co.jp/html/mail/0808/080811-13.html インチキ代表の谷亮子は後進に汚名を残す ( 平成20年08月10日

http://d.hatena.ne.jp/sunearth/20080812



■柔道女子・谷亮子選手が銅、五輪3連覇ならず

 【北京=読売取材団】北京五輪は9日、柔道女子48キロ級の谷亮子(トヨタ自動車)が準決勝で敗れ、シドニー、アテネに続く五輪3連覇はならなかった。5大会連続五輪出場の谷が、決勝に進めなかったのは初めて。

 3位決定戦では一本勝ちで銅メダルを獲得、日本に今大会初のメダルをもたらした。

◆ポイント狙いが裏目に

 谷が無念な形で足をすくわれた。「オリンピックに5回も出ることができて、全部メダルを取ることができた。皆さんのサポートのおかげです」と感謝の言葉を口にした瞬間、みるみるうちに目が赤くなった。

 準決勝のドゥミトル戦。谷の作戦は徹底していた。深追いせず、相手の組み際にカウンターを狙う。昨年の世界選手権では、この戦術で圧勝していた。

 だが、欧州女王もしっかり対策は練っていた。「谷さんは速くてうまい。だから我慢した」とドゥミトル。互いに指導二つで迎えた試合終了30秒前、スペイン人主審が谷だけに指導を与えた。なかなか組み合わないのは双方同じ。不可解な判定にも見えたが、もう挽回(ばんかい)するだけの時間は残っていなかった。

 最近の谷は、豪快な一本勝ちより、相手のスキを瞬時に突いてポイントを奪う老かいな試合運びで数々の勝利を手にしてきた。「一本を取るのも柔道だし、ポイントで勝つのも柔道。どれが一番というのはないんですよ」。徹底した勝利至上主義の考えがあったからこそ、32歳になっても世界のトップを争うことができたのも事実。だが、今大会では、結果的にそれが裏目に出た。

 谷は、「審判の先生の判断なので、自分ではどうしようもないです。結果をしっかり受け止めます」と異議は唱えなかった。なぜ敗れたのかは、自分が一番分かっているのだろう。寸分の狂いもなく動き続けてきた「ママ柔道家」の精密機械は、最後に狂いが生じてしまった。

(2008年8月10日  読売新聞)
http://kyushu.yomiuri.co.jp/sports/spomain/detail/20080810-OYS1T00194.htm

■【Sports Watch】不可解な柔道の代表選考

2008年04月08日11時44分 / 提供:Sports Watch(ライブドア)

5日に福岡で開催された柔道の全日本選抜体重別選手権。北京五輪の代表選考にリンクしたこの大会では、波乱が続出した。男子60キロ級では五輪4連覇を狙う野村忠宏(ミキハウス)が準決勝で敗退。女子48キロ級では、女王・谷亮子(トヨタ自動車)が山岸絵美(三井住友海上)に決勝で敗れた。

 この結果を受けて、注目を集めた代表選考だったが、その決着は不可解な決着となっている。たとえば、女子は谷の48キロ級含めた6階級の代表のうち、今大会の優勝者は52キロ級の中村美里のみ。北京五輪本大会に不安が残るのはもちろん、選考基準が玉虫色の印象が強かった。

 過去に圧倒的な実績を誇る谷亮子も例外ではない。谷の場合、昨年に続く決勝での敗戦だ。11歳年下の山岸に開始34秒で送り足払い足技で効果を取ったが、その後は完全に主導権を握られた。1分54秒に巴投げで有効を奪われ、さらに大外返しで2つ目の有効を奪われた。過去3戦全勝と圧倒してきた相手に完敗で、"最強"の称号はかなりかすんできている。

 今回だけではない。前回の福岡でも、谷は決勝で福見(了徳寺学園職)に敗れている。昨年の場合はまだ、産休明けで2年ぶりの復帰戦というエクスキューズもあった。また、その実績を評価されて出場した世界選手権では金メダルを獲得し、健在ぶりもアピールしている。とはいえ、2年連続で"国内敗戦"を喫した谷に対し、強化委員会が出した答は満場一致での当選。過去の実績を重視した結論とされているが、これでは優勝した山岸の立つ瀬はない。

 そもそも強化委員会による選考は、透明性が低く、ブラックボックス化しているとの声は以前からある。選考大会が体裁だけの『出来レース』と言われないためにも、「過去の実績」といった抽象的なものではなく、具体的な選考基準が必要だろう。
【Sports Watch】

http://news.livedoor.com/article/detail/3588208/


2チャンネル傑作・拾遺集

13 :スポーツ好きさん:2008/04/07(月) 21:34:30 ID:ooSCq39k

 もう柔道を応援するのは,おお馬鹿以外なし。はじめから代表決まっていて,
何が選考会だ。みんな初戦で負ければいい。それとも,水泳の千葉すずのような
勇気のある人間いないのかな。もう国際スポーツ裁判所提訴があたりまえだよ。

14 :スポーツ好きさん:2008/04/07(月) 22:00:18 ID:KrcWz2MA

選考会じゃなくトヨタカップでしょw

23 :スポーツ好きさん:2008/04/11(金) 13:49:42 ID:h68DHE74

谷本、自分でも選ばれると思ってなかったみたいだし、
上野よりも弱いってわかってるんだろうからさ、
さっさと辞退してくれ。
恥知らずめ。ずうずうしいにも程があるよ。
マスコミも、もっとこの件取り上げるべきだよ。

28 :スポーツ好きさん:2008/04/13(日) 22:31:21 ID:TeIVtIBR

北京五輪出場予定の選手の皆さんへ

今現在、少数民族が殺されたり監禁されたりしてる国で開催されたオリンピックに出て
メダルをとってニコニコしながら表彰台に上がって、ろくにチベットのことを報道しない
日本のテレビのインタビューに答えるのですか?
そんな大会に出るためにスポンサーから札束を貰って、嬉しいんですか?

選手の皆さんの今までの頑張りは、そんなことのためにあったのですか?
オリンピックという名前に惑わされず、正しい判断をしてください。
スポーツと政治は関係ない、そう仰るかも知れません。
ではなおさら、自国の威信のためだけにこの大会を強行しようとしている中華人民共和国
と、それを支持する勢力の政治の道具にはされないでください。
彼らは、純粋にスポーツに勤しむあなた方を、政治ショーに利用したいだけなのです。

もう一度考えてみてください。
血塗られた政府の下で開催される五輪は、あなたが夢見た五輪でしょうか?

あなたたちは、チベットの坊さんの死体の上で、走って跳んで勝った負けたと騒ぎ、
虐殺メダルを貰って、札束をつかんで、喜んで

  そ  れ  で  満  足  で  す  か ?

あなたも、チベットの民衆虐殺に荷担した一人になるのですよ。

いまこの瞬間にも、薄い空気のあの地で、何百人何千人というチベットの人たちが、
冷たいコンクリートの密室で、棍棒で殴られ、電極をつながれ、血を流しています。

34 :スポーツ好きさん:2008/04/28(月) 22:04:45 ID:x/0kT1iZ

上野妹が選ばれてたら上野姉の代表がなかった。谷本を入れる事で上野姉を入れる大義名分ができた。三井住友としては姉を入れたいのであれでOK。三井住友の監督も全日本女子のコーチで選考委員なのをお忘れなく。

35 :スポーツ好きさん:2008/04/28(月) 22:23:44 ID:0YHXX2x5

純粋に勝ったものを選べ。
こんな常識も理解できないなんてあほじゃねえか?
なんで北京で金メダルが取れそうな気がするという馬鹿な思い込みだけで
選考するんだ。選考会の意味ないじゃないか。

36 :スポーツ好きさん:2008/04/28(月) 23:28:38 ID:x/0kT1iZ

4月の選抜は数ある選考会のひとつで、選抜体重別で勝ったのを選べというのは素人です。11月の講道館杯や国際大会などが選考対象でその全てのトータルで決まります。

37 :スポーツ好きさん:2008/04/29(火) 14:02:01 ID:CjTNJXkV

その全てのトータルで決まるんだったらどう考えたって63は順恵じゃねえか
また外国勢に強いという点が選考における重要な要素なわけだから、70は
国際大会で結果残せない岡ではなく、雅恵が選ばれるのは当然のことだろう

42 :スポーツ好きさん:2008/05/14(水) 23:08:14 ID:qyt2V9fi

明確な基準を決めろ。バカどもが。

43 :スポーツ好きさん:2008/05/15(木) 07:05:10 ID:uKQvSDPe

近い内にランキング制が導入されることになるだろう

44 :スポーツ好きさん:2008/07/26(土) 09:42:59 ID:njsy2ZBd

 何が何回もの選考試合だ。オリンピック本番は1回しかないんだぞ。選考試合は
1回,純粋に勝者が代表,何の文句があるものか。まるで,大分県の教員
採用試験のような,選考方式やめろ。大惨敗すればいい。

48 :スポーツ好きさん:2008/08/10(日) 02:42:32 ID:GOiuXqwu

平岡弱すぎワロタ
選考した委員は責任取れよ

54 :スポーツ好きさん:2008/08/13(水) 14:09:08 ID:ntjjMo/k
小野 卓志
・所属先 了徳寺学園職

金丸 雄介
・所属先 了徳寺学園職

平岡 拓晃
・所属先 了徳寺学園職

佐藤 愛子
・所属先 了徳寺学園職

55 :スポーツ好きさん:2008/08/13(水) 17:54:04 ID:iImPEo8f

男子惨敗・・・・・・・・・・・・・・

『柔道五輪代表選考における強化委員会は八百長』

http://sports11.2ch.net/test/read.cgi/sposaloon/1207493735/l50


非英雄論・別巻■加藤容疑者の携帯サイトへのカキコ■ソースの全文引用

2008-08-16 10:03:40 | Weblog
■ソースの全文引用

(『中日本自動車短期大学』「道草」より
http://m1aya.tblog.jp/?eid=187051)

[2218]06/04 00:58
俺がなにか事件を起こしたら、みんな「まさかあいつが」って言うんだろ

[2219]06/04 00:58
「いつかやると思ってた」
そんなコメントする奴がいたら、そいつは理解者だったかもしれない


[2233]06/04 01:35
ひぐらしとGTAを買っておかないと
(マスコミの大好きなエロゲとゲーム脳 用に)


[2243]06/04 05:43
唐突に小学生の頃を思い出した

[2244]06/04 05:44
人生にはモテ期が3度あるらしいけど、俺のモテ期は小4、小5、小6だったみたいだ

[2246]06/04 05:51
考えてみりゃ納得だよな
親が書いた作文で賞を取り、親が書いた絵で賞を取り、親に無理やり勉強させられてたから勉強は完璧。
小学生なら顔以外の要素でモテたんだよね
俺の力じゃないけど

[2247]06/04 05:52
親が周りに自分の息子を自慢したいから、完璧に仕上げたわけだ
俺が書いた作文とかは全部親の検閲が入ってたっけ

[2248]06/04 05:53
中学生になった頃には親の力が足りなくなって、捨てられた
より優秀な弟に全力を注いでた

[2249]06/04 05:55
中学は小学校の「貯金」だけでトップを取り続けた
中学から始まった英語が極端に悪かったけど、他の科目で十分カバーできてたし

[2250]06/04 05:57
当然、県内トップの進学校に入って、あとはずっとビリ
高校出てから8年、負けっぱなしの人生

[2251]06/04 05:57
つまり、悪いのは俺なんだね



[2319]06/04 17:07
土浦の何人か刺した奴を思い出した

(一応影響を受けたらしい


[2432]06/05 05:14
彼女がいることが全てなのか?
それが全てですが何か

[2433]06/05 05:15
お前らには当たり前のように彼女がいるからわからないだろうね

[2434]06/05 05:16
彼女がいれば仕事を辞める必要が無かったし

[2435]06/05 05:17
彼女がいれば車を売る必要も無かったし

[2436]06/05 05:17
彼女がいれば車のローンもちゃんと払ってるし

[2437]06/05 05:18
彼女がいれば夜逃げする必要も無かったし

[2438]06/05 05:19
彼女がいない、ただこの一点で人生崩壊

[2461]06/05 06:04
日に日に人が減ってる気がする

[2462]06/05 06:05
大幅なリストラだし、当たり前か

[2463]06/05 06:17
作業場行ったらツナギが無かった
辞めろってか
わかったよ


[2484]06/05 07:00
ツナギ発見したってメールきた
隠してたんだろが

[2487]06/05 07:05
また俺が悪いのか

[2489]06/05 07:07
見事にはめられた


[2529]06/05 10:44
明日福井に行ってくる
(ナイフの購入決断 
(通販だと入手が間に合わない


[2668]06/06 02:38
キャンプ、釣り、狩猟、ダイビング
これらの目的の時はナイフを携帯しても処罰されないんだってさ

(ナイフの知識 付け焼き刃


[2674]06/06 02:48
やりたいこと…殺人
夢…ワイドショー独占


[2692]06/06 03:04
彼女がいない
それが全ての元凶

[2693]06/06 03:04
あ、もしかしてこのスレとかも晒されるのかしら

[2694]06/06 03:05
ブログとか当たり前のように晒される時代だし

[2697]06/06 03:07
仕事に行けっていうなら行ってやる
流れてくる商品全部破壊してやる

[2698]06/06 03:09
彼女がいれば、仕事を辞めることも、車を無くすことも、夜逃げすることも、携帯依存になることもなかった
希望がある奴にはわかるまい


[2763]06/06 09:46
こっちまで電車で来たのは、トヨタの期間工に応募して落ちたとき以来だ


[2848]06/06 20:49
ナイフを5本買ってきました


[2917]06/07 13:14
レンタカーに空きがなかった
トラックじゃ仕方ないかも

[2918]06/07 13:16
車が無いとお話にならないんだが

[2919]06/07 13:23
あまり軽いのだと困るし

[2926]06/07 13:43
さあ帰ろう
電車に乗るのもこれが最後だ

[2928]06/07 13:50
直接行ってみよう
大きいのが無かったら普通のでいいや
できれば4tが良かったんだけど

[2931]06/07 14:07
祭りでもあるのか、あったのか
浮かれた奴らがいっぱいだ

[2932]06/07 14:34
小田原に着いた
寝てる間に車内販売が行ってしまった

[2942]06/07 15:35
大きい車を借りるにはクレジットカードが要るようです
どうせ俺は社会的信用無しですよ

[2943]06/07 16:01
小さいころから「いい子」を演じさせられてたし、騙すのには慣れてる
悪いね、店員さん

[2945]06/07 16:03
無事借りれた
準備完了だ

(トラックのレンタル 下手したら4トン車で犯行


[2959]06/07 20:34
もっと高揚するかと思ったら、意外に冷静な自分にびっくりしてる

[2960]06/07 20:53
体調が悪いのが気がかり

[2961]06/07 20:53
中止はしない、したくない

[2962]06/07 21:10
呼吸するたびに頭が痛む


次は、『asahicom』より
http://www2.asahi.com/special2/080609/TKY200806090216.html

■〈加藤智大容疑者が書いたと見られる携帯サイトの文章〉

2008年6月10日12時40分asahicom

http://www2.asahi.com/special2/080609/TKY200806090216.html

 秋葉原無差別殺傷事件で逮捕された加藤智大容疑者が、書き込んだとみられる携帯サイトの掲示板の主な内容は次の通り。

■■■■6月5日■■■■

06:17 作業場行ったらツナギが無かった/辞めろってか/わかったよ
11:51 犯罪者予備軍って、日本にはたくさん居る気がする
12:05 「誰でもよかった」/なんかわかる気がする
12:32 東京の道路って面倒くさい
12:33 トラックで行くのは無謀かもしれん

■■■■6月6日■■■■

01:44 あ、住所不定無職になったのか/ますます絶望的だ
02:48 やりたいこと…殺人/夢…ワイドショー独占
02:54 工場で大暴れした/被害が人とか商品じゃなくてよかったね
02:55 それでも、人が足りないから来いと電話がくる/俺(おれ)が必要だから、じゃなくて、人が足りないから/誰が行くかよ
 同  誰でもできる簡単な仕事だよ
03:00 別の派遣でどっかの工場に行ったって、半年もすればまたこうなるのは明らか
03:07 仕事に行けっていうなら行ってやる/流れてくる商品全部破壊してやる
03:09 彼女がいれば、仕事を辞めることも、車を無くすことも、夜逃げすることも、携帯依存になることもなかった/希望がある奴(やつ)にはわかるまい
03:10 で、また俺は人のせいにしてると言われるのか
 同  いつも悪いのは全部俺
05:04 出勤時間になると目がさめてしまう/もう行かないんだから寝かせてくれ
06:41 とりあえず出発しよう
07:06 飛び込み自殺で東海道線がとまりました/何もかもが私の邪魔をします
08:10 三島まで出れた
08:15 こだまに乗れる/名古屋に1016着予定で、乗り換え5分でひかりに
09:46 こっちまで電車で来たのは、トヨタの期間工に応募して落ちたとき以来だ
10:35 米原で乗り換えだ
10:37 長良川超えた/堤防でいちゃついてるカップル、流されて死ねばいいのに
11:14 買い物/通販だと遅いから福井まででてきた
14:39 店員さん、いい人だった
14:42 人間と話すのって、いいね
17:59 三島ついた
20:30 うん/長旅だった
20:49 ナイフを5本買ってきました

■■■■6月7日■■■■

06:37 さあ出かけよう
08:03 今日は秋葉原/お金をつくりに行く
09:14 隣の椅子(いす)が開いてるのに座らなかった女の人が、2つ隣が開いたら座った/さすが、嫌われ者の俺だ
10:45 秋葉原ついた
11:41 定価より高く売れるソフトもあった
13:14 レンタカーに空きがなかった/トラックじゃ仕方ないかも
13:43 さあ帰ろう/電車に乗るのもこれが最後だ
15:35 大きい車を借りるにはクレジットカードが要るようです/どうせ俺は社会的信用無しですよ
16:01 小さいころから「いい子」を演じさせられてたし、騙(だま)すのには慣れてる/悪いね、店員さん
16:03 無事借りれた/準備完了だ
19:36 「死ぬ気になればなんでもできるだろ」/死ぬ気にならなくてもなんでもできちゃう人のセリフですね
20:34 もっと高揚するかと思ったら、意外に冷静な自分にびっくりしてる
20:53 中止はしない、したくない

■■■■6月8日■■■■

05:21 車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います/みんなさようなら
05:44 途中で捕まるのが一番しょぼいパターンかな
11:45 秋葉原ついた
 同  今日は歩行者天国の日だよね?
12:10 時間です