横断者のぶろぐ

ただの横断者。横断歩道を渡る際、片手を挙げるぼく。横断を試みては、へまばかり。ンで、最近はおウチで大人しい。

今日のニュース鬼押し●九州の警官売春云々と日明港遺体遺棄事件

2008-08-28 09:43:13 | Weblog

新企画です。お二押しの意味で、全く異なる事件を衝突させて、火花の採集を目論んでいますが、今回は不発。

地元だけに、こういっちゃ何ですが、横並び式の報道記事が多い中で、西日本新聞社の記事が断然抜けていると思いましたね。「警官売春」斡旋も2説あって、「デリヘル経営」とする記事もあるにはあります。
「児童福祉法違反(淫行(いんこう))と売春防止法違反(周旋)の罪」を着せての判決だけど、物足りないというか、手抜きというか、まだまだ掘り起しが足りないんじゃねえ~のっていう感じですか。

■警官売春あっせん 「元組員にみかじめ料」 家裁小倉支部 初公判 検察、冒陳で指摘

2008年7月3日 00:15

 派遣型風俗店を実質的に経営し、少女に売春をあっせんしたとして児童福祉法違反(淫行(いんこう))と売春防止法違反(周旋)の罪に問われている、元福岡県警戸畑署巡査部長の前岡秀昭被告(56)=北九州市八幡西区清納2丁目、懲戒免職=ら3被告の初公判が2日、福岡家裁小倉支部(大島明裁判官)であった。冒頭陳述などで検察側は「前岡被告が元組員に月5万円のみかじめ料を払っていた」と指摘した。

 ほかの2被告は前岡被告の共犯として起訴された、ホームヘルパー石松江利子被告(45)=同市戸畑区初音町=と、石松被告の長男18被告(21)=同。罪状認否で3被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、前岡被告が派遣型風俗店を営業するみかじめ料として、毎月5万円を支払っていたと指摘。被告人質問では「北九州の警察官は暴力団撲滅が最大の使命。なぜみかじめ料を払ったのか。警察官として恥だ」と非難した。

 前岡被告は「組を辞めた人なので、暴力団の資金源になることはないと思った」と弁解。派遣型風俗店開業の動機を「フィリピンパブに通い詰めるなどして借金が500万円程度あり、(経営で)返済できると思った。罪の意識はなかった」と述べ、被害少女の身分確認は「しなかった」と答えた。

 起訴状によると、前岡被告は派遣型風俗店「レクサス」を実質的に経営。石松被告らと共謀し昨年11月6日、北九州市八幡西区のホテルで少女=当時(17)=に男性(64)をあっせんして売春させたとされる。

=2008/07/03付 西日本新聞朝刊=

■在職中にデリヘル経営の元警察官に懲役2年有罪判決

 派遣型の風俗店を経営し、少女に売春をさせたとして児童福祉法違反などの罪に問われている福岡県警の元警察官に対して、懲役2年、執行猶予5年の有罪判決が言い渡されました。

 福岡県警戸畑署の巡査部長だった前岡秀昭被告(56)は去年11月、北九州市八幡西区で派遣型風俗店を経営し、当時17歳だった少女に客の男性を紹介し、売春をさせました。判決公判で、福岡家庭裁判所小倉支部の大島明裁判官は「少年非行を防止すべき警察官という職にありながら、フィリピンパブなどで多額の借金を重ねていた」、「金儲けのため風俗店の経営を始めた動機に酌量の余地はなく、警察組織に対する国民の信頼を失墜させた」として、前岡被告に懲役2年、執行猶予5年、罰金30万円の判決を言い渡しました。

[080827日22時49分更新]ANNnews



 こちらの暴行死事件は、謎が多くてね、地元なんだから、なめられないように、真相解明に向けて西日本新聞の記者さんがんばれって声援を送りたくなりました。
 この事件で、時津風部屋の新人力士時太山のリンチ殺人を思い出したけど、愛知県警ははじめ病死と処理しょうとして、「急性心不全」か「虚血性心疾患」とかいう病名をつけて、火葬しようとしたところ、葬儀屋の人があざを見て不審に思って、親御さんに電話して、はじめて時太山の死が事件となったわけ。
 そのあと、「多発性外傷によるショック死」と死因は決まったかと思っていたら、今は「高カリウム血症」?
 食養では、NaとKは対立概念で、(砂糖に多く含まれる)Kは細胞などの組織を緩ませるから塩を取ってしめろと教えているわけです。ですから、血中のKの値が高くなっての死因なんていうのは誤りで、「高カリウム血症」による組織が緩んでのある臓器の機能不全というのなら話は分かります。
 Kのもつ働きがまるでわかっていないんじゃないんですかね。

 その意味する本当のものは、コレ。時太山は地獄の苦しみに耐えながら亡くなられたのではなく、脳内モルヒネみたいなものが分泌されて、防御反応といいますか、死の直前は恍惚に見舞われたということではないでしょうか。

 被害者の変死が虐殺とわかっていても、暴行死は飽くまでも遠因にすぎず、近因は「出血性ショック死」とかやるみたいですが、時太山の例なんか見ていると、誰もが適当にやっているという印象を持つんじゃないんですかね。

フライデーによると、「元同級生《高尾正美容疑者》が仕組んだ『結婚詐欺』」とあり、大胆推理でもやりたくなりますが、やはり記事に目を通してからですかね。
 それでも時太山や女子高校生コンクリート詰め殺人事件の例から推理すると、軟禁状態に置かれていた被害者は何を思ったか、逃亡を企てる。しかし、見つかり、連れ戻される。そういうことが2,3度あったために、主犯の高尾正美がとさかに来て、従犯の夫の博に鉄の制裁を加えるように命じたんでしょうね。
 これにオカルト的な要素が加わると、正美被告は自らの手は汚さないという潔癖症があらわれるはず。
 それにしても合力元被告とは、いかなる存在なのでしょう。
 高利貸し?元締め?いずれにしろ、この事件の黒幕であり、経済的ボスといったところではないでしょうか。

■日明港遺体遺棄事件

 2006年12月1日に北九州市小倉北区の日明港岸壁で女性の遺体が見つかり、遺体を捨てたとして女性の高校時代の同級生の高尾正美被告(43)と、夫の博志被告(37)、知人の合力元被告(57)=いずれも福岡県飯塚市=の計3人が死体遺棄罪で起訴された。3人は死体遺棄を認めている。

【ニュース・インサイド】全身にあざ、手足に緊縛痕… 誰がなぜ、死の闇深く 小倉女性遺体遺棄 3被告供述食い違い

(2008年8月5日掲載)西日本新聞

 2006年12月、北九州市小倉北区の日明港で、福岡県糸田町の仲山美香さん=当時(41)=の遺体が見つかった事件は、遺体を捨てたとして友人の女ら3人が死体遺棄の罪で起訴されて10日余りがすぎた。遺体には全身に打撲痕があり、福岡県警は傷害致死や殺人容疑も視野に捜査を進めているが、事件の全容を解明するには至っていない。
 (北九州支社・伊藤嘉孝)
 
 06年7月に糸田町の自宅を出て行方が分からなくなった仲山さん。約半年後に見つかった遺体は、全身あざだらけで、手足には縛ったようなあとが残っていた。
 
 体重は行方不明になったころの約70キロから20キロも減り、体内からは複数の薬物が検出された。髪は不自然に短く切られ所々で長さが違った。
 
 県警は死因について、出血性ショック死、薬物中毒死、もしくは両方が重なったとみているが、特定に至っていない。
 
 不自然な頭髪、体重減、薬物。3人の被告の言い分が食い違い、誰が何の目的で危害を加えたのか判明していない。
 
 □ □
 
 3被告の捜査側への説明で一致するのは、仲山さんが合力元被告(57)の自宅で亡くなり、遺体を遺棄したという点だけ。
 
 合力被告の話では、仲山さんは亡くなる数日前に高尾正美被告(43)と夫の博志被告(37)に連れてこられ、顔や足にあざがあった。食事を取り「大丈夫」と話していたが、気付いたら亡くなっていた。自宅に遺体があるのはまずいと思ったと遺棄の理由を話し、暴力は否定しているという。
 
 正美被告は、顔をたたいたことがあるだけとし、博志被告の暴力がひどかったと主張。博志被告は、自身の暴力は一切否定した上で、仲山さんを殴ったという話を正美被告から数回聞いた、と説明しているという。
 
 □ □
 
 行方不明になってから半年間の足取りが、謎を解く鍵となりそうだが、よく分からないままだ。
 
 正美被告は県警の調べに、仲山さんは同11月下旬に亡くなる数日前まで「帰る場所がない」として同県飯塚市の同被告宅に身を寄せていたと説明。博志被告も同様の話をしているという。
 
 だが、遺族によると、正美被告は仲山さんが所在不明になった後、月1回ほどの頻度で「(仲山さんは)小倉と名古屋を行き来している」などと電話してきたという。
 
 仲山さんと正美被告の古里の同県直方市での目撃情報もある。遺族によると、仲山さんの知人が同11月下旬、顔にあざがある仲山さんにばったり会い、本人から「お金を借りた男の人に殴られた」と聞いている。正美被告とともに繁華街の飲食店で働く仲山さんを見たとの情報もあるという。
 
 捜査幹部は「仲山さんが暴行を受けたのは間違いなく、早く事件を解決したい」と話している。

■事件:死因は出血性ショック/監禁し、暴行死か/小倉女性遺棄

 北九州市小倉北区の日明(ひあがり)港で06年12月、福岡県糸田町の仲山美香さん(41)が遺体で見つかった事件で、県警は仲山さんの死因を出血性ショックと断定した。薬物中毒死の可能性もあり死因が絞りきれず捜査が難航していたが、暴行死の疑いが強まった。県警は殺人容疑での立件も視野に詰めの捜査を急ぐ。

 事件では、仲山さんの知人の飯塚市西町、無職、高尾正美(43)▽その夫の博志(37)▽同市椿、トラック運転手、合力元(はじめ)(57)--の3被告が死体遺棄容疑で起訴された。

 遺体には全身に打撲痕があり、肋骨(ろっこつ)が折れ、手足には縛られたような跡があった。体重も失そう前より約20キロも減っていた。県警は、仲山さんとの間にトラブルがあった高尾被告らが自宅に監禁状態に置き、暴行して死亡させた疑いもあるとみて調べを進めている。

 しかし、3被告はあいまいな供述に終始。肝心の死因も遺体の尿検査で薬物反応が出たため、暴行死と言い切れず捜査の壁となっていた。その後、慎重に再鑑定した結果、薬物の影響は低いことが判明した。県警は今後、殺意について慎重に見極め、殺人や傷害致死容疑での立件も視野に追及する方針。

2008年8月27日毎日JP


非英雄論2-1■土浦通り魔事件・金川真大(24)の場合■理解者は、「神」か「妹」か?

2008-08-27 15:01:33 | Weblog
C (オモテ系)努力主体 →挫折  →不良主体 →自己愛の肥大→恐怖主体
                  ↓                      ↑↓
B (ウラ系)  願望主体 →挫折  →憎悪主体 →攻撃感情   →報復主体


図の説明:彼は努力主体を立ち上げるも、周りに理解者がいないなど、劣悪な環境の責に帰すべく挫折を機に、不良主体を立ち上げ、無気力なブランクの時間を生きている。

 一方で、努力主体を立ち上げた際、甘えを潜り込ませていたために、挫折を機に、自覚的且つ全方位的な憎悪主体を立ち上げている。

 ある日突然に、無限大の恐怖主体を立ち上げ、駅構内や路上において血も縁もない通行人にナイフで斬りつけるなどして無差別殺傷事件を起こす。

註1:精神科医などの専門家は、後者の甘えと恨みの関係をとらえて、根源的なアンビバレンツとし、かかる一面的な理解をもって「わかった」としてきたために、(裁判官と手を組んで)事件の真相を闇に葬る結果になったと考えている。
 どれもこれも、土居理論のコピーばかり!

註2:仮定される行動理論「特異点」■立ち上げた潜在的な願望主体と顕在的な恐怖主体の間に中点として、心理学上の「特異点」を仮設する必要がある。
 というのは、犯罪行動の解明は、「わかっている」とする専門家への依存はやめて、それは特異点(あるのだが、あるなしに関わらず)のように「まったくもってわからない」として心理学的な闇を切り裂く新しい「知」が求められていると考えているからだ。
 一方で、国民のすべてが「犬も食わぬ」専門家の公式的な見解に依存して、どうして子どもの依存(甘え)が悪いといえようか?

註3:引きこもり状態であれば、彼は格段の自己愛の操作の必要はないと考えるべきだ。
 ある理由から、社会進出(NHK式の”巣立ち”?)を余儀なくされ、その際の防御反応として、自己愛を肥大させ、もってヨロイとする。
 というのは、彼にとって社会とは、無限大の恐怖が棲息する魔界であるからだ。
(彼に限らず、生き物にとって外の世界とは、闇であり、無限大の恐怖に満ちている)
 やがて彼は、魔力を手に入れ、無限大の恐怖と同一化して、(父親に代表される)社会の成員に対して闘いを挑んでくる。

註4:非人間的な理解者、あるいは、無限大の理解者■人智では窺い知れぬ「理解者」の存在が後押ししている。


分析ノート●見えることと見えないこと

■ 08年3月に茨城県土浦市のJR常磐線荒川沖駅構内で8人が殺傷された事件を起こした金川真大容疑者(25)もまた無職だった。金川容疑者は「複数殺せば死刑になると思った。だれでもいいから7,8人殺そうと思った」などと犯行の動機について供述。(引用1)


金川真大も他の通り魔事件を犯した犯人たちと似たような共通面を見せている。

・真面目であること。
・高校卒業後は、非英雄の素地となりやすい自己確立の道から逸れた場所で、アルバイト的な仕事に就き、あるいは、離職したりして、気ままな生活を送っている。


努力面では、学業成績抜群という秀才タイプではないが、高校のときの部活で、弓道部に所属して全国大会に出場したり、5年前の2003年8月に行われたXboxゲームの大会では、準優勝しているゲーマーである。

「関東地区大会では、厳しい地区予選を勝ち抜いた強豪69名が集結した」(引用2)とあるように、昔でいう将棋大会の準優勝者であるから、潜在的な能力は高いものを持つといえるのではないか。
 こういう子どもに対して、親は遊んでばかりいると無理解を示すことは想像に難いものではない。



妹との関係「非人間的」な理解者?

金川の場合、妹がいるのだが、この優秀な妹の存在が不気味である。
宮崎勤の場合、幼女誘拐は、妹との近親相姦願望が関係していると見ているが、この兄妹は何かしら連動している感じが伝わってくる。
 妹にして「非人間的」な理解者とおけば、話は分かるのだが・・・。

■金川容疑者は、「最初は妹を殺そうと思った」と供述しているのだが、その対象とみられる上の妹は、中学3年から不登校になっている。おとなしい子だったけど、気難しくて友達は少ない。地域一の県立高校に進めるほど成績は良かったのに、夏休み明けから急に不登校になった。「親や学校のための受験はイヤ」と言っていたという。

 中学の卒業式には母親が代理出席、高校受験もしなかった。その後コスプレ趣味に傾倒し、髪は黄色や緑色に染め、派手な衣装で晴れた日にもお気に入りの傘を差した。アルバイトをしつつも一昨年あたりから「声優になりたい」と言い始め、外で発声練習するなど、「わが道」を歩んでいる。

 妹が不登校になったころ、高校生だった金川容疑者も進学志望から就職志望に切り替え、大した就職活動もせず、コンビニなどでのバイト生活に入った。父親とともに自転車で近くの川や湖へ釣りに行ったりしていたが、その後ゲーセンに入り浸る。

 姉と同じ部屋にいた下の妹は数年前の高校在学時に、「こんな家にいたら勉強できないから」とひとり暮らしを始め、今は都内の大学に通っている。弟は高校に進まずアルバイト生活。これだけ見事にバラバラという家庭も珍しいだろう。

 ◆沈黙する父親
 金川容疑者が凶行に走った直接の原因として、父親から「仕事に就け」と迫られていたことをあげている報道もある。その父親は、事件後まったく報道陣の前に姿を見せない。「いまのメディア社会で、どうして可能なのか?」と思えるほど、見事なまでの沈黙ぶりだ。自宅を訪ねた報道陣にもインタフォン越しに「すみません。すみません」と言うだけだという。「謝罪する以外、何も言うことができない」ということこそ、父親のメッセージなのかもしれない。

田中良太「若者の『理由なき殺人』は親の責任か?」

http://www.news.janjan.jp/column/0805/0805076532/1.php

引用1■無差別殺人犯は「派遣」と「無職」 これは「格差社会のせい」なのか

2008/7/23Jcastニュース

http://www.j-cast.com/2008/07/23023981.html

   東京・八王子にあるショッピングセンターの書店で、女性2人が男に刃物で刺されて死傷する無差別殺傷事件が発生した。自称派遣社員の男は「仕事がうまくいかず、親に相談したが乗ってくれなかった」などと供述しているという。相次ぐ無差別殺人事件の犯人は無職や派遣社員である場合がほとんどだ。直接的な因果関係があるかどうかは別にしても、インターネット上では「格差社会のせいなのか」をめぐって議論になっている。

「仕事がうまくいかないことで親に相談した」

   東京・八王子の京王八王子ショッピングセンターにある書店で2008年7月22日夜、2人の女性が包丁で刺され、中央大学文学部4年生の斉木愛さん(22)が死亡した。警視庁は会社員の菅野(かんの)昭一容疑者(33)を殺人未遂の疑いで逮捕した。調べに対し菅野容疑者は、「仕事のことでうまくいかず、親に相談したが、乗ってくれなかった。無差別に人を殺そうと思い、文化包丁を買って書店に行った」などと供述しているという。一方、菅野容疑者の父親は「全部自分で勝手に仕事していて、親が相談に乗ってくれないなんて、そんな話は全然ない」と話しており、「仕事がうまくいかないことで親に相談した」とする容疑者の言い分を否定。菅野容疑者とは別居状態が続いていたという。

   無口でおとなしい性格だったという容疑者は職場で負傷して療養中だった。8月からは職場に復帰する予定だったというが、無差別殺人に至った詳しい動機などは今のところ分かっていない。

「人と関わりすぎると怨念で殺すし、孤独だと無差別に殺すし 難しいね」
「誰でもよかった」
「なんかわかる気がする」
「チャンスは全ての人に平等に与えられるべき 生かせるか生かせないかはその人次第」
「もしかして、俺、チャンスを逃してるわけ?そんなチャンス、人生に一回もなかったけど」

   こんな書き込みを携帯電話の掲示板サイトに残していたのは、東京・秋葉原で2008年6月8日に17人が死傷する無差別殺人事件を起こした派遣社員・加藤智大容疑者(25)。この掲示板サイトには、派遣社員として働くことにたいする不満や孤独感が吐露されていた。

   08年3月に茨城県土浦市のJR常磐線荒川沖駅構内で8人が殺傷された事件を起こした金川真大容疑者(25)もまた無職だった。金川容疑者は「複数殺せば死刑になると思った。だれでもいいから7,8人殺そうと思った」などと犯行の動機について供述。

   無職の沢田尚哉被告(32)は2月17日、東京・新宿区の公衆トイレで用を足していたタクシー運転手を背後から金槌で4回なぐりつけ、殺人未遂の現行犯で逮捕された。「死のうと思ったが死に切れなかった。誰かを殺せば死刑になると思った」などと供述しているという。「無差別殺人」に手を染めたのは無職や派遣社員という、「格差社会」でいうところの「底辺」と呼ばれる人たちが突出して多いのが実情だ。これは偶然なのだろうか。

ネット上では、「無差別殺人」と「格差社会」について様々な議論

   インターネット上では、「無差別殺人」と「格差社会」の関連性について様々な議論が交わされている。荒川沖駅での無差別殺人事件後の08年3月以降、様々なQ&Aサイトでこの問題について書き込みがされ、様々な回答が寄せられていた。

「不幸な境遇、格差社会の広がり、社会の底辺に置き去り。そんな事が原因なら、日本人の殆どが犯罪者になっているはず。格差社会が犯罪を生むなど、問題の摩り替えもいいところだ」
「格差社会は問題ですが、それだけで極端な犯罪に結び付くとは思えません。日本人の多くが格差にさらされてはいますが、何とかやっている人が大半です」
「無差別殺人犯もまた経済事情よりは人格形成期の家庭環境などが大きな影響を及ぼすので親の経済力が決定的な要因とは言えません」
「最近耳にする凄まじい数の犯罪は今の社会とは何らかの関係があると思っています」

   今回の東京・八王子の無差別殺人では、ワイドショーのコメンテーターからも「社会のせいじゃない」「格差社会を考え直さなければいけない」などとさまざまな意見がある。

   京都造形芸術大学・寺脇研教授は08年7月23日放送のテレビ朝日系番組「スーパーモーニング」で「むしゃくしゃして人を殺すのは絶対あってはならないが、20~30代のまだ元気で働ける人たちがそういう状態になってるのは、本当に考え直さなければいけない」。作家の落合恵子氏も「全て社会のせいにするのはフェアじゃないが、社会のなかに原因がないのか点検しないと(無差別殺人の)連鎖は断ち切れない」と述べている。その一方で、フジテレビ系「とくダネ!」では小倉智昭氏が「こんなの社会のせいじゃない。戦後の苦しい時期にみんなが人を殺したのか」と憤る。

   ただ、失業や不安的な雇用が若者に与える心理的影響が大きいのは間違いない。その意味で、凶悪な事件にもこの問題は重たくのしかかっている。

引用2■

関東の覇者決定「Xbox Championship Vol.2」『DOAX』大会報告

2003/09/01
 
 マイクロソフトは7月下旬より全国の販売店などで行われていた「Xbox Championship Vol.2」の関東地区決勝大会を、一昨日8月29日(土)、東京・秋葉原「アソビットシティ」において開催した。本大会は今春開催された「Xbox Championship Vol.1 ソウルキャリバーII」に続く大規模なゲーム大会で、2回目となる今回の種目は、テクモの『DEAD OR ALIVE Xtreme Beach Volleyball』となる。

 関東地区大会では、厳しい地区予選を勝ち抜いた強豪69名が集結した。大会ルールはトーナメント方式により、7ポイント先取で勝者が決定。試合前のプレイヤーキャラの選択権は、くじ引きによって決められた。
 予想していたことだが、さすがに決勝大会ともなれば選手陣のレベルも高い。強烈なスパイクやフェイントなど、高等技術を使ったラリーの応酬がひたすら続き、どの試合も長期戦の装いを見せた。

 そして準決勝では注目のカードが組まれた。なんと前大会の優勝者、穂苅正治氏が本大会でもここまで勝ち進んでいたのである。穂苅氏が決勝進出となるか、ギャラリーから注目が集まった。一進一退の攻防に声援が巻き起こっていたが、しかし、善戦空しく穂苅氏はここで敗退。対戦者の金川真大氏が決勝進出となった。
 決勝は金川氏と坂巻弘隆氏の両名によって行われ、結果、5対7で坂巻氏が優勝。関東地区を制す結果となった。

 なお、本地区大会で勝ち残った上位13名は、全国の地区大会上位選手とともに、再び東京ゲームショウで行われる全国大会で戦うこととなる。賞金総額300万円を賭けた熱い戦い。全国の頂点となるのは一体誰か。注目したいところだ。

http://www.gpara.com/news/03/09/news200309012836.htm

■父から「仕事に就け」で“逆切れ” 8人殺傷の金川容疑者

2008.3.25 10:16産経ニュース

 茨城県土浦市の8人殺傷事件で、無職、金川真大(かながわまさひろ)容疑者(24)が県警土浦署捜査本部の調べに対し、「最近、父親に『仕事に就け』と責められていた」などと供述していることが25日、分かった。金川容疑者は今年1月、市内のコンビニエンスストアの仕事を辞めた後、凶行に使ったサバイバルナイフと文化包丁を順次、購入。捜査本部は、家庭内での日ごろの鬱憤(うっぷん)が発端となり、計画的な連続殺人に発展した可能性があるとみて調べている。

 金川容疑者は地元の私立高校を卒業後、定職に就かず、コンビニのアルバイト店員の職を転々としていた。1月には土浦市内のコンビニを「目標金額に達したから」と店長に言って辞めると、自宅に引きこもり状態だったという。

 調べでは、コンビニ退職後の1月中旬、携帯電話のサイトを通じ、刃渡り約20センチのサバイバルナイフを約3000円で購入。2月には同市内のホームセンターで約3000円の文化包丁(刃渡り約20センチ)を手に入れている。「人を殺すために買った」と供述している。

 金川容疑者は、父親に定職に就くよう言われると、家庭内で物にあたるなど暴力をふるっていた。逮捕容疑となった無職、三浦芳一さん(72)の殺害の前、妹の殺害を計画していたことも話しており、捜査本部は、家庭内での不満が一連の犯行の発端となった可能性もあるとみて、慎重に調べを進めている。

 捜査本部は25日午前、金川容疑者の身柄を三浦さんに対する殺人容疑で水戸地検に送検した。金川容疑者はベージュのスボンに黒色のジャンパー姿。丸刈り頭に縁なしのメガネをかけ、無表情な顔で車に乗り込んだ。


北京オリンピックの話題●裏ニュース

2008-08-26 14:22:05 | Weblog

画像は、怪我で出場できなかったソフトボールの選手。記事とは、無関係。

 下が、韓国の北京五輪の成績。

韓国 13 10 8 31

 それにしても、野球で金メダルというのがすごかったな。
 
 こういう時に、韓国系のパチンコ屋へ行くと、赤字覚悟の大サービスをやってくれるかもしれないから、500円位の試し打ちはやってみて損はない。
 今回は、軍資金がゼロだからやれなかったが、前のワールドサッカーで準決勝に進んだときは、100円の投資で、テッパンの予告がきて大当たり。
 閉店までの3時間ほどで、2万個以上出して、5万円を手にしたことがある。

■北京オリンピックの韓国選手団がソウルで初の大々的な凱旋(がいせん)パレード

北京オリンピックで、金メダル13個など、日本を上回るメダルを獲得した韓国選手団は25日、ソウルで凱旋(がいせん)パレードを行った。ところが、韓国で今、閉会式のある演出をめぐって、中国に対して抗議の声が上がっている。
北京オリンピックから韓国選手団が帰国し、ソウルを行進した。
実は韓国では、こうした大々的な選手の凱旋パレードは、初めての試みだという。
オリンピックが始まるまでは、デモ隊によって埋め尽くされていたソウル市内の広場だが、25日はオリンピックの感動を共有しようと、多くの市民が集まった。
一方、野党からは、このパレードを李明博(イ・ミョンバク)大統領が支持率を得るために政治利用したとの批判も飛び出している。
野党側は「こんな発想こそ、まさに権威主義的発想だ」と批判した。
そして韓国では、オリンピック閉会式の映像から、中国への反発が巻き起こっている。
原因は、「Sea of Japan(日本海)」という地名が使われている地図映像。
実は、韓国は16年前、突然、「日本海」は植民地時代の一方的な呼称だったとし、以来「東海(トンヘ)」への名称変更を主張してきた。
しかし今回の地図は、この主張を否定するものとなった。
韓国のネットでは、「日本海を宣伝した」などと、中国への猛反発が起きた。
韓国MBCは、「『東海』を『日本海』と表記した世界地図映像が全世界へ放映され、ネット上で反発が広がっています」と伝えた。
オリンピックをめぐっては、韓国のテレビ局が、非公開だった開会式のリハーサルを放映し、中国から抗議を受けるというトラブルもあった。
ソウル市民は「中国ともこんな問題が起きて、わたしたちの国力がこれしかないのかと思うと残念だった」と話した。
折しも25日、首脳会談のために中国の胡錦涛主席が韓国を訪れていたが、李明博大統領との会談で、この話題は出なかったという。

[080826日0時2分更新]FNNnews

中国の金は、ダントツの51個。共産主義国は国威称揚のチャンスとばかりにオリンピック向けの選手を育てているからで、実態は貧しく・窮屈ということだろう。
 内容が乏しければ、外見を飾ろうとするのは、人間でも同じこと。

中国 51 21 28 100

北京五輪で多くの金メダリストを輩出する中国の体育エリート養成学校を取材しました。

北京オリンピックで中国が断トツのメダル獲得数で強さを見せつけていますが、その強さの秘密はどこにあるのか。多くの金メダリストを輩出する体育エリート養成学校を取材しました。

21日、卓球の女子シングルス4回戦で、世界ランキング1位の張怡寧選手が福原 愛選手(19)を破った。
張選手ら数々の金メダリストを輩出したのが、北京市が設立した未来のスポーツエリートを養成する「体育専門学校」。
これまでに、卓球や体操、陸上など37人の世界チャンピオンを生み出してきた。
体育専門学校には、特別な才能を認められた子どもたちが、合宿生活を送りながら、「あすのオリンピック選手」を目指して日夜、練習を続けている。
オリンピック期間中も、10歳前後の子どもたちが毎日およそ5時間の練習に励んでいる。
12歳の女子体操選手は「(目標は?)オリンピックのチャンピオン。2012年のロンドン五輪です」と話した。
今大会で金メダルを量産した男子体操。
未来のオリンピック選手たちが、基本練習を何度も繰り返していた。
しかし、こうした体育専門学校に入れるのは、一握りの子どもだけ。
中国では、才能を認められた子どもは、まず4歳のころから地域のスポーツクラブに入学し練習を始め、そこで頭角を現した子どもたちだけが、こうした体育専門学校に入学できる。
そして、この学校で競争に勝ち抜いた選手は、国の集中訓練を受け、中国代表として選出されるシステムができあがっている。
副校長は「(中国が大量の金メダルを獲得した秘けつは?)特にありません。長年の努力が実ったのです」と語った。
今回の中国の躍進を喜ぶ学校スタッフ。
4年後のさらなる飛躍に向けて、すでに準備は着々と進められている。

[080822日13時22分更新]FNNnews

人民日報は絶賛も…ネットにあふれる五輪批判

08/24 23:27更新iza!

記事本文 【北京=福島香織】中国共産党中央機関紙の人民日報は24日、1面の総括記事で「8月、北京は世界の舞台であった」と五輪は成功したと報じた。各紙も国内外の声を引用し五輪成功の権威づけに懸命だ。しかし、インターネットには批判も少なくない。統制された公式メディアとは違い、ネット世論を掌握しきれていない中国共産党の報道統制のほころびから、北京五輪の真実の姿がかいま見える。

 人民日報は「北京、五輪の日々」の記事で、「党中央、国務院の指導のもと全力を注いで開催された五輪が国際社会、各国選手、人民を満足させた」と論評した。開幕式、選手村、会場、交通、ボランティアに対する国際オリンピック委員会(IOC)関係者の絶賛ぶりを紹介。市民へのアンケート調査で99%が「なんらかの形で五輪にかかわっている」と答えた結果などを引用し、五輪には市民の積極参加があり、ボランティア意識や列に並ぶという文明的生活習慣など、市民に与えた精神的遺産も大きいと評価した。

 新京報、環球時報、北京青年報はシンクロナイズドスイミングの米国チームが「謝謝、中国!」と書いた横断幕を掲げ入場する写真を1面に掲載した。開会式での「口パク事件」や人権活動家の拘束など五輪に対するマイナス報道はほぼ統制され、陸上男子ハードルの劉翔選手の土壇場での棄権問題については「劉選手擁護」で各紙が足並みをそろえた。

 一方、ネット上では掲示板やブログで、外国サイトから情報を得たネットユーザーの多様な意見があふれた。胡錦濤国家主席も重視しているという人民日報運営の掲示板「強国論壇」では、「そんなに金をかけて五輪をするな。金持ちはそんなに多くないし、素直な人民もそんなに多くない」「金メダルの数からすると中国は強大になった。だが、われわれが必要なのは毎日1人当たり300グラムの米と150グラムの肉だ」「五輪でどれほど浪費したのか。劉翔は国家のものか。五輪の総括が必要だ」「金メダルが増えると劉翔みたいな選手が増えるのか、たえられない」といった厳しい意見も少なくなかった。

 また、体操選手の年齢詐称問題については「農村では年齢を詐称して結婚することはよくあることだ」といった皮肉もあった。

 こういった五輪批判は削除の対照になっているが、現実にはその膨大な書き込みの前に削除しきれていない。このためネットにかいま見える国民の本音こそが、五輪の成功度をはかる裏のバロメーターといえそうだ。


北京オリンピックが閉幕して、多くの人が気にかけているのが景気の行方であろう。
すでに、古鉄の買い取り価格がピーク時の3分の一までに下落している。
この意味するものは、中国経済のバブル崩壊を物語るものかもしれないから、くれぐれも要注意。


庶民が感じる「五輪不景気」

08/22 22:27更新iza!

記事本文■【北京=福島香織】金メダル奪取に沸く北京五輪の華やかさとは対照的に、中国では五輪後の経済失速への懸念が広がっている。「五輪後も経済に大きな変動はない」(北京五輪経済研究会の陳剣会長)との見方も強いが、インターネットの掲示板には、今の不動産価格や株価の下落は「五輪のせいだ」という書き込みがあふれている。

 「五輪で周辺地域の農村経済ががたがたになっていることを知ってほしい」。河北省沽源県の物流業者(28)はこう訴える。「五輪による交通規制で、北京市周辺の農村では市内への農産物の出荷ができず、作物は腐り放置されている。今年は利益が見込めないどころか、2000~3000元(1元=約15円)の赤字だ。しかも出稼ぎ者は北京から閉め出され現金収入がない」と嘆く。

 北京市の日系企業は「7月から9月の2カ月間の交通規制により原材料や製品の出荷ができず、生産を停止している。見越し五輪前に集中生産、出荷をしたので、なんとかしのいでいるが、打撃を受けている中小企業は少なくない。五輪倒産もありうる」としている。

 鉄鋼、コンクリートなど大気汚染の原因とみられていた工場は、政府から通常の5~7割の減産を命じられている。北京市の7月の住宅販売数は、前年同月比63・6%減で、不動産市場の先行きも暗い。

 中国株の方は「五輪祝儀買い」もなく、五輪が開会した8日から急落した。20日には、政府が景気刺激策を打ち出すとの観測があり、前日比7・6%高という大幅な上げを記録したものの、21日はまた反落した。人民日報が運営する大手インターネット掲示板の強国論壇には「中国株式市場のたった1日の情けは、一夜の情事以上に無責任!」「8000万の株民(個人株式投資家)が煉獄の炎の中にいる! 政府はもっと必死で救済しろ」などの書き込みがみられた。

 経済の先行きの不透明さに対する不安や憤りの矛先は、都市インフラ・環境整備を含め推計で400億ドル以上が投入された豪華絢爛(けんらん)な五輪そのものにも向かっている。「北京五輪は人民の苦痛のうえに成り立っている」「税金が使われているだけだ」などだ。

 庶民は暮らしの実感として、ひしひしと忍び寄る不景気を感じ取っているようだ。


五輪後の不動産バブル崩壊を否定、五輪経済研究会会長

08/21 16:00更新iza!

 北京五輪経済研究会の陳剣副会長が21日、北京市内で記者会見し、北京の不動産価格について「これまでの価格上昇はバブルではない。五輪後に短期的に下がることは考えられるが、また上がる」との見通しを示し、「不動産バブル」崩壊の懸念を否定した。

 陳副会長は、価格上昇の原因について、五輪開催による(1)インフラ整備(2)人口増加(3)国際都市としての魅力向上-などを挙げ「不合理な上昇はバブルだが、北京は不合理ではない」と指摘。価格の下落が著しい広東省深●(=土へんに川)市などとの違いを強調した。(共同)


五輪後も「経済減速せず」 中国当局者が懸念打消し

08/17 23:28更新iza!

 中国国家発展改革委員会のマクロ経済研究院の王一鳴副院長は17日の記者会見で「北京五輪後も、中国経済が比較的速く発展する大勢は変わらない」と述べ、五輪後に中国経済が減速することはないとの見方を示した。株価下落や一部地域での不動産バブル崩壊で高まっている五輪後の中国経済に対する懸念を打ち消した形だ。
 王氏は「都市建設やインフラ建設など、なお投資拡大の余地があり、経済発展の潜在力は大きい」と指摘した上で、「五輪後もこうした状況に変化はない」と述べた。
 一方、競技場などの大規模インフラ投資や五輪期間中のような巨大な消費は、今後見込めなくなる上、外需低迷もあり「(中国経済は)試練に直面する」とも指摘。インフラ整備や、金融や流通、通信などサービス産業発展の必要性を訴えた。(北京 共同)


北京オリンピックの話題■本当は怖い、努力主義?

2008-08-26 08:22:23 | Weblog
 オモテの話題が面白いか、それともウラの話題か?

 ニューヒーローの誕生を阻むような出来事については、日常茶飯事だから書くまでもないことか。
 しかし、金メダルを取った後の柔道家の内芝正人のバカ親ぶりは、ヨソでやってくれといいたくなりましたね。
 公私をわきまえぬ態度で、何が家族愛か。

 他に、父子鷹や兄弟選手の話題は、私は好きではない。どこかローカルな場所で放映してくれ、といいたいですね。


 オリンピックで金メダルを取った選手を見ると、がんばろうという気持ちになる人が多いと思いますが、実は、これがすごく危険な行為であることがわかりました。
 劣悪な環境から脱出しようと努力しても、その環境ゆえに足を引っ張られて挫折して、一気にアタマがおかしくなって、暴走するといいますか、そんな殺人事件が多発しています。
 反対に、自殺するケースもあるということです。

 次の引用にありますように、「名古屋オリンピック構想」を実現すべく努力主体を立ち上げた仲谷義明愛知県知事が招致に失敗した後、責任感の非常に強い方だったのでしょうね、ソウルオリンピックも終わった11月中旬に自殺しています。


招致運動の経緯
  • 1977年8月 - 仲谷義明愛知県知事が名古屋へのオリンピック招致を提案
  • 1979年2月 - 仲谷県知事が再選
  • 1979年10月 - 日本オリンピック委員会 (JOC) 総会で名古屋へのオリンピック招致を決定
  • 1979年11月 - IOC総会を名古屋で開催
  • 1980年11月21日 - 鈴木善幸内閣により閣議了承
  • 1980年11月26日 - IOC本部に正式の誘致申請書を提出
  • 1981年5月12日 - 衆議院において招致決議案を全会一致で採択
  • この間、財政負担の増加や環境破壊への反対を唱える、市民レベルでのオリンピック招致反対運動が断続的に続く
  • 1981年9月30日 - IOC総会(西ドイツのバーデンバーデン)で開催地の決選投票、27対52でソウルに敗れる
  • 1983年2月 - 愛知県知事選に仲谷知事が不出馬
  • 1988年9月17日 - ソウルオリンピックが開幕
  • 1988年11月18日 - 仲谷前知事が自殺

■招致失敗の原因

日本で3度目、夏季大会限定でも2度目の開催であり、過去の東京オリンピックや札幌オリンピックと比較すると政府の動きが鈍かった事が指摘されている。また、アジアでのオリンピック開催を日本が独占することへの懸念があったことも指摘される。そして、何より当の名古屋市民の間にあまり関心が無く、行政だけが盛り上がっていたことが大きな敗因となった。事前に劣勢が伝えられていたソウルは、韓国政府や財界が一丸となって招致運動を進めた一方で投票権を持つIOC委員への不正献金や接待による投票依頼が行われたのでないかとの疑惑の声もある。その一方で、名古屋市はIOCに対して賄賂を一切出さなかったことも原因ではないかとも言われている。

 この名古屋オリンピック招致活動の失敗が、1998年長野オリンピック招致において長野県庁などが行った買収工作の要因になったとも言われている。
(Wikipedia「名古屋オリンピック構想」)

「賄賂を一切出さなかったことも原因」とは、伝統の愛知主義なんですかね。
しかし、自分さえ努力すれば何とかなると思ったのがそもそもの大火傷の原因ではないんですかね。

2016年の開催国として第一次選考を通過した都市は、次の4都市。

ブラジル リオデジャネイロ」
アメリカ合衆国 イリノイ州シカゴ」
「日本 東京」
「スペイン マドリード」


 未開催地の南アメリカのブラジルが最有力都市と思われますが、金がものをいう世界ですから、全く読めませんね。

 仮に、東京が招致に失敗したとき、石原慎太郎都知事の去就に注目が集まりますよね。

 いずれにしろ、努力するって、その後がどう転ぶかわからないから、本当は怖いと・・・そう思いません?


非英雄論28(終論9)■再び、アキバ事件■本当は怖い、努力主義?

2008-08-25 19:58:26 | Weblog
造田博受刑囚の場合●無限大なるものへの恐怖と願望●自己愛型の殺人事件

 私は何かを読んだと思っています。それは造田の狂気に関係するもので、鑑定した精神科医ですらできなかったことです。
 造田の精神異常は、統合失調症でもなければ解離性同一性障害でもなく、自己愛型の精神異常者ということです。


■造田被告、死刑確定へ/池袋8人殺傷通り魔事件
2007/04/19 16:05四国新聞

  1999年に2人が死亡、6人が重軽傷を負った東京・池袋の通り魔事件で殺人、同未遂などの罪に問われた元新聞配達員造田博被告(31)の上告審判決で、最高裁第1小法廷は19日、死刑を言い渡した1、2審判決を支持、造田被告の上告を棄却した。死刑が確定し、拘置中の死刑囚は104人となる。

 横尾和子裁判長は「白昼、目についた通行人を手当たり次第に襲った冷酷、残忍な犯行は極めて悪質だ。社会に対する不満という動機に酌量の余地はなく、遺族の処罰感情も峻烈で、死刑はやむを得ない」と判決理由を述べた。

 弁護側は一貫して「事件当時、統合失調症で是非善悪の判断能力などを欠き、心神喪失か心神耗弱状態だった」として刑事責任能力を争ったが、横尾裁判長は完全責任能力があると判断した1、2審判決を追認した。

 判決によると、造田被告は99年9月8日午前11時35分ごろ、豊島区東池袋の東急ハンズ池袋店前で、包丁と金づちを持って通行人に次々と襲い掛かり、2人を刺殺、6人に重軽傷を負わせた。

「統合失調症の特徴は、自他が未分化のため、妄想や幻想が起きやすいことです。檄文に表わされた二人の人格は倒錯的ではありますが、主従関係等において統合していると考えられます。
 次に、解離性障害ですが、幼児期の外傷体験(PTSD)が不可欠となります。
 造田は高校時代に借金を背負った両親が雲隠れしたため、子棄ての被害に遭っていますから、その可能性も残りますが、親のいない絶体絶命の状況に対して、自己愛を操作することで逆境に対処したと考える方が妥当でしょう。

 

■八つ当たりで無差別殺人犯 頻発する“歪んだ自己愛”

8月9日16時3分配信 産経新聞

通行人や買い物客が無差別に襲われる事件が相次いでいる。容疑者たちは「鬱憤(うっぷん)をはらしたかった」「誰でもよかった」と短絡的な動機を口にするが、このうち、最近は「(親や上司を)困らせるためにやった」と供述するケースが目立っている。対人関係の八つ当たりから無差別殺傷に飛躍する理不尽な凶行。専門家は自分を過大視する「歪んだ自己愛」が背景にあるとみているが…。
 
 捜査員も首をかしげる「自己中心的な動機」
 
 秋葉原無差別殺傷事件から1カ月余りたった7月15日深夜。スーパー地下1階の食料品売り場は客もまばらだった。

 スーパーでのアルバイトを終えて買い物をしていた女性(53)に突然、男が近づいた。その瞬間、女性の胸に何かが当たった。

 男が手に持った刃渡り約10センチのバタフライナイフには鮮血がべっとりとついていた。女性は男に胸など数カ所を刺され、命に別状はなかったが重傷を負った。男性とは全く面識がなかった。

 男はナイフを持ったまま近くの交番に出頭し、逮捕された。男は調べで、22歳のシロアリ駆除会社社員と判明。動機についてこう供述した。
 「普段から社長に仕事で文句を言われ、(犯行を起こして)恥をかかせてやろうと思った」
 警視庁のベテラン捜査員は首をかしげた。
 「勤務先の社長への不満? それがなぜ、関係のない女性に向けられるのか…? 自己中心的というのか、全く理解に苦しむ」

 ところが、この事件から1週間のうちに、身近な相手を「困らせよう」との動機で、無関係の人に危害を加えるケースが続いたのである。
 翌日の16日には愛知県岡崎市で14歳の少年が東京行きの高速バスをジャック。少年は愛知県警捜査員の説得に応じて投降し、短時間で解決したが、動機について「(交際しようとしていた)女子生徒に10万円を渡そうと友人に借金を申し込んだら、両親にしかられた。両親に対する嫌がらせでやった」と供述した。

 22日には東京・八王子の駅ビル書店で、アルバイト店員の女子大生(22)が包丁で刺されて死亡し、客の女性(21)も重傷を負った。

 逮捕された会社員の男(33)の動機は「職場の人間関係に不満が募り、悩みを両親に相談したが聞いてもらえず、困らせようと思った」というものだった。
 
 背景に“自殺願望”? 原点は池田小事件か
 
 「人を困らせてやろう」という動機から無差別殺傷事件を起こした事件では、大阪教育大付属池田小の事件が思い起こされる。

 何ら罪のない児童8人を殺害するなど計23人を殺傷した事件は「我が国の犯罪史上例をみない凶悪重大事件」(大阪地裁判決)とされた。
 死刑を宣告した大阪地裁判決は、宅間守元死刑囚(執行)の犯行動機についてこう指摘している。

 《3番目の妻に対する恨みが社会全体に対する恨みに転化し、後悔の連続であった自分の苦しい思いを多くの人にわからせてやろう…(中略)…どうせやるなら小学校を襲った方が大きな事件となって社会の反響が大きい。それがひいては父親や3番目の妻に対する復讐にもなると考えて犯行を決意した》

 最近の無差別殺傷事件の動機と共通するところが多くみられる。
 謝罪を最後まで拒否し、責任転嫁に終始し遺族感情を逆撫でする言動を繰り返した宅間元死刑囚。「死刑でええ。死ぬことはびびってない」と公判で明言し、弁護団の控訴を自らが取り下げたため地裁判決が確定。1年後には死刑が執行される異例のスピード執行だった。

 「無差別殺傷事件を起こす容疑者には、自殺願望があるものの自分では実行できないため、死刑を望んで犯行をする人間が多い。心の片隅に池田小事件の記憶が残っていることも考えられ、宅間元死刑囚が“悪の英雄”になっていなければいいのだが…」
 警察OBは相次ぐ無差別殺傷事件について、元死刑囚が与えた影響を危惧するのだ。
 
 自己を過大視…若者に多い傾向
 
 嫌がらせや、困らせるために、その相手ではなく、見ず知らずの他人を襲う凶行。“八つ当たり”にしても理解不能だが、その心理構造はどういったものなのだろうか。

 「何かトラブルを起こして相手を困らせようとするのは『甘え型・依存型犯罪』。子供が叱られて『グレてやる』というのと一緒だ」
 新潟青陵大大学院教授(犯罪心理)の碓井真史氏は、この手の犯行は幼稚な精神構造が背景にあると説明する。
 碓井氏によると、基本的には人間の憎しみの感情の裏側には、甘えの感情があるという。

 全く無関係の人間であるならば、その人の意見に左右されることはないものの、親や社長などもともと人間関係ができあがっている場合には、「愛されたい」「認められたい」という気持ちが働く。さらに本人にとってその存在が大きければ、関係はリラックスからストレスへと変化していくというのだ。
 「『こんなに一生懸命にやっているのに、なんで理解してくれないんだ』との思いがあるはず。最悪の場合、事件を起こすなど自分の幸せを犠牲にしてでも相手を困らせようという論理に飛躍する」と碓井教授は分析する。

 さらに、こうした精神構造は、最近の若者に多くみられるという。
 「現代の若者には、打たれ弱く必要以上に自分が惨めだと考える傾向にある。だが、その裏で、自分を過大視しており、『なぜ認めないんだ』『自分はこんなもんではない』との思いも強い。こうした『歪んだ自己愛』を持った者が増えていることが影響しているのではないか」

 最近の無差別殺傷事件の容疑者には、同種の事件を起こした前歴がないことが共通する。「フツーの人」がある日突然、「凶悪犯」へと変貌するのだ。
 その分、警察当局も“予備軍”を把握できていないのが現状だ。
 直接効果のある対策は見いだされていないが、こうした理不尽な犯行が繰り返されるようでは、被害者の無念は浮かばれない。

 引用に明らかなように、碓井氏は「甘え」としていますが、どの専門家もこの点では一致しています。
 いささか飛びますが、「甘え」と「恨み」は、甘えが満たされずにいると恨みを抱くというように、理論家の土居が、これぞ根源的な?アンビバレンツと理論固めしてしまっているわけですから、手も足も出せなくなっています。



俗流の精神分析が流行っているといいますか、これ以上書くことは、ムダですね。

 なんといっても、理解は「お上(カミ)送り」とするお国柄ですから。

(完)


非英雄論27(終論)■再び、アキバ事件■努力とは、諸悪の根源か?

2008-08-25 10:44:18 | Weblog
造田博受刑囚の場合●虐待の連鎖構造から立ち上げた「恐怖の大王」?


たとえば、次のような二つの円があると仮定します。

 → 

左側は、外円を社会とし、内円を努力主体とします。社会の成員から虐待や介入があると努力主体は怒り、自己愛を肥大させる結果、右側の円の外円となるような無限大の恐怖主体を立ち上げ、内円の社会の成員を攻撃することで、不当な介入に対して仕返しをするのではないかと考えてみました。
 つまり、子どもがいじめを受けると、親がかりの復讐が社会に対して行われるというわけです。

 造田は親がかりの復讐をたくらみましたが、そこにはもっと大掛かりな仕掛けが隠されていました。

 造田が通り魔事件を起こした1999年9月8日の翌日は、次の引用にありますように、ノストラダムスの大予言の世界破滅の日であります。

世界占いの日
日本占術協会が1999年に制定。この日になったのは様々な理由があるが、ノストラダムスの大予言の日が1999年9月9日とされていた事も理由の1つ。
(『Wikipedia』「9月9日」)

 今となっては、笑い話に過ぎないわけですが、次のものも含めて。
1999年7か月、
空から恐怖の大王が来るだろう、
アンゴルモアの大王を蘇らせ、
マルスの前後に首尾よく支配するために。

 上に関しては、多様な解釈があるみたいですが、造田がそういう観念に取り付かれていたのではないかという証拠があります。

 「わし以外のまともな人がボケナスのアホ殺しとるけえのお。わしがボケナスのアホ全部殺すけえのお」
「アホ、今すぐ永遠ジゴクじゃけえのお」

上の引用は、『無限回廊』等によっていますが、造田の携帯に無言電話が掛かってきて、「努力しない人間のいたずら」と思うと、腹が立ってたまらずに復讐を決心しての「檄文」(事件録)です。
 見られますように、二人の主語が用いられているわけですが、順当な解釈は、造田以外の主語と造田自らを主語とするものですが、これだと意味が通りません。
 ですから、「わし以外のまともな人」が造田で、「わし」が恐怖の大王と置くことで、意味が通るようになります。
 どういうことかといいますと、造田本人は「まともな人」であると同時に、「わし」以外の人であるわけです。
 では、「わし」とは誰かというと、恐怖主体以外には考えられませんから「恐怖の大王」ということになります。
 ですから、「アホ、今すぐ永遠ジゴクじゃけえのお」という言葉が真実味を帯びてきます。

 としますと、上の虐待・暴力連鎖(構造)は、下のように、もう一つの円を加える必要が出てきます。

 →  

 真ん中の円が、「わし以外のまともな人がボケナスのアホ殺しとるけえのお」という過去未来で始まった造田本人による通り魔事件で、最後が恐怖の大王の「わしがボケナスのアホ全部殺すけえのお」という予言的な世界の終わりです。

 結果的に、恐怖の大王の企んだ世界破滅は、未遂に終わったということになりますか。


非英雄論26(終論)■再び、アキバ事件■努力とは、諸悪の根源か?

2008-08-24 16:19:07 | Weblog
池袋通り魔事件の造田博受刑囚の場合●絶対的な他者との遭遇

 造田のいう「努力する人」と「努力しない人」という二分法は、幼児が「硬いウンコ」と「やわらかいウンコ」と分けて男女を識別する方法と似ています。
 造田の場合は、前者が「緊張主体」、後者が遊んでばかりいる「ゆるい主体」を意味すると解して支障はないと思っています。

 造田にとってそんな(バカげた、といってもいい)二分法がなぜ必要かといいますと、自己愛を肥大させる上で同化できる相手探しにつながる重要な意味を持っているからではないでしょうか。
 普通は、父親が健在であれば、男児は自己愛を肥大させて父親と同化しているわけです。
 長じてからの彼が教授であれば、自己愛を肥大させた結果が優れた業績を残した恩師たる博士との同化と説明できるのではないんですか。
 そういうナルシシズムが健全なものといいうるならば、造田においてはなぜかかる健全な自己愛が育たなかったかというと、次の引用にあるように、両親は「努力しない人」であったからです。

■造田博は岡山県出身、進学校の高校に通学し成績は優秀だったが、その後、両親が賭博などが原因で数千万円の借金を残して失踪。残された彼の家には借金取りが連日のように押しかけてくるようになり、経済的な困窮も原因となり、高校生活や夢見た大学への進学も破綻。以後、一時は兄に引き取られ、その後職を転々としていた。
『野中友博公式ブログ』「殺人者達の履歴書-3」http://kurenaiking.at.webry.info/200711/article_5.html

 ですから、彼は生きていく上で、親とは異なる自己愛の(絶対的な)対象を社会に出ることで捜し求めようとしたことは十分に考えられます。
 その挫折が職転々として顕われているのかもしれません。
 一方で、社会が彼のような存在をうす気味悪がり、疎外した可能性も否定できません。といいますのは、絶対的な対象と遭遇するまでの仮の姿とはいえ、自己愛を肥大させて同化した「努力する人」とは、周りの人にとっては奇っ怪な・異様なものに見えてもおかしくないからです。

 職場とは、書くまでもなく、通俗的な人間であふれかえっています。朝から口にすることは、ギャンブル等の低俗な話です。「魚群が出てきたんで、アタリと思っていたら、はずれ(T_T)・・・」とか、「いまどきの女子高校生はなあ、一万円も出せば(^_^)・・・」とかの話題であふれています。
 そうやって緊張を解くことで、その日の仕事の打ち合わせをやりやすくするなど潤滑油といいますか、それなりのメリットはあるわけですが、その中に(緊張を解こうとしない)超然としたのが一人いると、なんだあこいつはと思われてしまうんじゃないんですかね。
■日本での人生に絶望した彼は、新天地を求めてアメリカに短期渡航したが、十分な滞在費がなく、また就職先もなかったので、現地のキリスト教会の牧師に事情を話し、教会の仕事を手伝うのと引き換えに衣食の面倒を見てもらっていたという。逮捕後の尋問時には、この時期が人生で最も充実していたと回想している。
 だが、こうした現地での生活も、滞在期限の失効と同時に終わってしまう。その後、働きながらの大学への通学も考えたが費用の面から頓挫。犯行当時は都内の新聞販売店を辞めた直後だった。
(同上)

 見られますように、造田はアメリカに渡ることによって親代わりの絶対的な理解者であると同時に,、牧師という保護者との出会いに恵まれました。
 帰国してからは、「努力する人」の集まる新聞販売店に働き先を定めてきます。


 このように書いてきて、理解者と保護者の関係が見えてきたように思いました。
 彼が理解者とめぐりあうことができれば、彼は理解者を保護するためにがんばろうとする。
 反対に、彼は保護者と巡り会えれば、彼の理解者であろうと努めるのではないでしょうか。
 ところが、病的な自己愛の持ち主は、理解者と巡り会うや保護をも求めるために、自立する機会を遠ざけてしまうのではないでしょうか。
 同じように、保護者と巡り会うや理解をも求めようとして、彼は不良主体を立ち上げてくる可能性があります。

 造田にとって父親代わりの保護者とは兄でした。同時に、唯一の理解者でもあったと思われますが、甘えが克服できていないと不可解な行動をとって兄を困らせることもあったとみています。
 一方で、理解者として「妄想の恋人」がいたらしく、次の引用にあるように、事件録は「恋人・A子という妄想の世界に入りびたなければ、彼は新しい職場でがんばれなかったのではないか」と理解を示しています。

【妄想の恋人】

 この頃の造田の中で一人の女性の存在が大きくなっている。小・中学校の同級生で、別の高校に進み、当時は大学生だったA子さんである。

「私が小学生のころだったと思いますが、A子さんが私に『造田さんが好き』と言ってくれたことがありました。しかし、私はA子さんのことを何とも思っていなかったので、はっきりとした返事はしませんでした。このことで『造田はだめだ』等との噂がたち、A子さんの友達にからも同じようなことを言われましたので、A子さん宛てに高校生の頃だったと思いますが、2,3枚くらいの抗議の手紙を出したことがあります。なぜ手紙を出したかと言いますと、自分のことを駄目だという噂が立ったことでショックを受け、不愉快になったことがあるからです」(99年9月26日付供述書)

 しかし、A子さんの方は供述書で「仲の良い同級生ではなく、親しく話した記憶もない」「自分の好きなタイプではない」とし、自分から好意を打ち明けたり、手紙を出したことは「絶対にない」と言い切っている。
『事件録』「池袋・通り魔殺人事件」
http://yabusaka.moo.jp/zouda.htm

 とありますが、女性は特にブランクでしかなかった過去に対しては「削除」の名人なわけですから、事実関係はもとより真相も不明と処理するほうが賢明と思います。といいますのは、A子さんの言い分をそのまま認めてしまいますと、この時点で造田のアタマは狂気で蝕まれていたことになるからです。

 これは程度の問題でありますが、次の引用にもありますように、依然としてストーカー行為はやまずその可能性が残る一方で、正気を保っているところがあるわけです。


■94年から95年ごろ、船舶塗装や住宅美装の会社で造田が働いていた造田はA子に5回ほど手紙を出している。うち二通は切手が貼られておらず、A子の自宅ポストに直接届けている。手紙の内容は「会って欲しい、一緒にいたい、返事が欲しい」など一方的に好意が書かれていたものだった。A子さん宅に電話をかけて「A子さんに会わせてください」と言った事もあるという。

 ある日、ついに造田がA子さん宅に押しかけた。この時、彼女の父親が対応し、「A子はあんたのことを知らない。本人も嫌がっているし、うちの子にはまだ勉強することがある」と断ったところ、造田は「わかりました」と素直に帰っていったという。

 この頃、造田は兄に「A子という人を好きになった」と話している。

 96年2月、岡山市内の電気工事会社の採用面接を受けた造田は「大学生の彼女がいるので結婚資金を貯めたい」と話したという。言うまでもなく、大学生の彼女とはA子さんのことである。恋人・A子という妄想の世界に入りびたなければ、彼は新しい職場でがんばれなかったのではないか。
(同上)


 と、調べた限りでは、「妄想の恋人」について書いてあるのは「事件録」だけでした。本来ならば、当たり前の情報みたいに思ってやり過ごすところですが、貴重なデータであることに気づいて、ネット公開ならびに保存は非常にありがたいと思いました。
 それでいて力不足の関係で、応えきれず且つ活用できずにいるところが自分でも歯がゆく思っています。

 ですが、理解者とは、母親に対して求める態度ではないかと思っています。しかし、ギャンブルに溺れすぎて高額の借金を作ったために、息子を棄てて雲隠れしてしまいました。
 それでも母親であることに代わりはないわけですが、造田は「努力する人」と「努力しない人」というように人間を二つのグループに分けてしまったために、母親への甘えたい心を殺してしまったといえるかもしれません。
 こうして甘えや遊びへとはやる心を抑えこみ、反対のストイックな「努力する人」と自己規定を行い且つ実践していたと思われるわけですが、それを認める理解者が周りにいないと寂しいものです。
 この点は、子に対して親、学校では、生徒に対して担任の教員、職場では、部下に対して直属の上司が理解者と思うべきかもしません。しかし、日本人の親グループというのは自己愛者の集まりだとしますと、彼らのいう理解とは自惚れや幻想でしかないことになります。
 言い換えますと、彼等は国語学的な国の基準からはずれた理解法を採用しているのであり、私のいう「理解を超えた」理解法でもない、あいまいな・プリミティブな理解法が中間の域を埋め尽くしているということです。
 明らかなことは、日本にはその責を帰すべき理解主体がいないということです。

 いずれにしろ、造田は子に対して親の関係を「幻想の恋人」とセッテイングしたと思っています。
 その結果が、造田をして努力主体を立ち上げることになり、彼方に憧れの恋人を立てざるをえなくなったのではないでしょうか。
 自分でもわかりにくい話になったと決して思わなくはないわけですが、それが明治維新の志士の「恋人」のようなものではなかったかと思っています。

祝・ソフトボール「金」■記念大特集Ⅲ・関連記事8連発一挙掲載!!

2008-08-24 12:11:09 | Weblog

ソフトの勝因は、敗戦の責を帰すべき責任主体の明瞭化?

星野ジャパンの最終戦で、横浜の村田修一が打席に立って初球をフルスイングして、バットは空を切る。
点差は4点。走者が1塁と2塁におり、つなぐ打ち方をして欲しいところ。
次は、ワンバウンドになるような低い球に手を出して、またしても、バットは空を切る。
この時点で、ボールが見えていない打者への期待は諦めに変わる。

続く巨人の阿倍も凡フライに倒れて、試合終了。

と、このように書くと、ホームランバッター依存症の巨人を思い出す人が多いのではなかろうか。
この象徴が西武の砂糖といえるかもしれない。

とくると、なぜか粗塩の効果について書きたくなるが、さてどこで歯車が狂ったか?


いつも競艇場に行って想うことは、一流選手と二流選手の違いはどこにあるかというと、フアンの声援にこたえきるかどうかである。
 ソフトと野球が明暗を分けたものを、そこに求めることはあまりに酷か。

もうひとつ挙げるならば、野球の敗因は、責任の所在をあいまいにするような選手の起用法であろう。
 いいかえると、責任回避というジャパニーズスタンスが敗れたのである。

山田、主将の働き=ソフト〔五輪・ソフトボール〕

時事通信(08月22日00時22分)

 山田が主将らしい働きで日本の金メダルに貢献した。4回、苦手にしていたオスターマンから中堅へ会心の一発。エース上野をはじめとするナインを勢いづけた。
 主将としていかにチームを引っ張るか悩んだ時期もあるが、今回大会直前のけがで代表から外れた内藤に相談し、「すべて出し切ればいい。自分自身を貫こう」と吹っ切れたという。
 2度目の五輪。最後は宿敵との決勝の舞台で活躍。「うれしかった。自分たちのプレーを出し切ればと思っていた。プレーで引っ張っていけたと思う」と声を弾ませた。(北京時事)

鉄腕エース、大願成就=上野、「金」の連投-ソフト〔五輪・ハイライト〕

時事通信(08月22日00時14分)

 7回2死一塁。走者は気にしなかった。仲間が総力を傾けて奪ってくれた2点のリード。「ボール球を振らせることだけを考えた」。エース上野はこん身の投球で守り切った。肩車の上で宙に向かって腕を突き上げた。
 1回、不運な当たりが上野に襲い掛かる。1、2番が当たりそこねの連続内野安打。この無死一、二塁を無失点で切り抜けたことで日本の流れを呼び込んだ。疲れからか110キロに満たない速球を外角低めに丁寧に集めて、後続を断った。
 4回、雨のため中断。再開後、4番バストスに1点差に詰め寄られるソロ本塁打を浴びた。流れが米国に向かったかに見えたが、呼び戻すすべは心得ていた。後続をぴしゃりと抑える。6回1死満塁のピンチも、勝ちたいという気迫が勝った。
 「マウンドで鳥肌が立ちました」。世界一の瞬間をそう表現した。崩したくても崩れなかった米国の壁。前日の準決勝では延長9回で屈した。「逆に投げさせてもらったことで、きょうの投球になった」
 強豪相手に2試合の延長戦と決勝の大舞台を一人で投げ切った。打線も最後に応えてくれた。「コンディショニングがうまくいった。まだまだ投げられる感覚がある」という。
 初めて上る表彰台。選手一人ひとりの名前が呼ばれ、念願の金メダルが首にかけられた。大歓声に向かってメダルを掲げ、右手の指を一本天に突き上げた。涙は似合わない。届きそうで届かなかった金メダルが胸に輝いた。(北京時事)

[時事通信社]

声詰まらす斎藤監督=ソフト〔五輪・ソフトボール〕

時事通信(08月21日23時19分)

 斎藤監督は「悲願を達成できた。まだ実感がわかないけど、選手たちがよく頑張った」と感無量の様子だった。課題の打線が苦手のオスターマンから4回までに2点を先取。エース上野が6回一死満塁のピンチをしのいだ直後、ベンチの思い切ったサインプレーで3点目を奪うなど采配(さいはい)もさえた。
 宿敵米国を倒しての優勝に思わずガッツポーズをし、井川チームリーダーとがっちり握手。選手の手で胴上げされると笑みがこぼれた。「最後まで攻める気持ちを大事にした。自分は(現役で)銀メダルで終わったけど、選手には金を掛けさせてやりたかった」と声を詰まらせた。(北京時事)

ソフト悲願の「金」…堅守支えに上野完投、打線も奮起

読売新聞(08月21日23時16分)

 【北京=鬼束信安、梅村雅裕】ウイニングボールをつかんだ一塁手がボールをぽーんと放り投げ、選手がマウンドに駆け寄ってきた。

 「最後の五輪」でつかみ取ったソフトボールの金メダル。予選、準決勝と2連敗していた米国を相手に、2日間で3連投のエース上野由岐子投手(26)がまたも完投し、3-1で完勝した。選手もスタンドも喜びを爆発させた。

 決勝の先発マウンドに立ったのは、やはりエースだった。前日に300球以上を投げたばかり。しかし、大きな夢がかかる決勝のマウンドに立つと、疲れた表情は見せず、パワフルな米国打線に立ち向かった。

 前日の米国戦で沈黙した打線もこの日は奮起。四回に、主将の山田恵里選手(24)の本塁打で2点目をもぎ取り、エースの力投に応えた。

 初回と六回には1死満塁のピンチ。渾身(こんしん)の力を込めた球で、初回は内野ゴロとファウルフライ、六回は内野フライ二つに打ち取った。バックも堅い守りで支えた。

 ピンチとチャンスが訪れるたびに、スタンドは「ウエノコール」と「USAコール」が交錯する。日の丸に「必勝」と書いた鉢巻き姿の日本人応援団が、カッパを着ながら「頑張れー」と声を振り絞った。

 3-1で最終回のマウンドに向かった上野投手は、一度センターの方に向かって声をかけてから、キャッチャーの方に向き直った。

 最後の打者は三塁ゴロ。一塁手の佐藤理恵選手(28)が体を思い切り伸ばして送球を受けると、金メダルが決まった。上野投手は「ナンバー1」を示すように人差し指を空に向かって突き上げ、仲間の肩に担がれて満面の笑みを浮かべた。

 スタンドにいた上野投手の両親、正通さん(52)と京都(みやこ)さん(52)は勝利の瞬間、抱き合って喜びを爆発させた。

 「本当に金メダルを取るなんて…」としばらく絶句する京都さんの横で、正通さんは「がんばった姿を知っているので、うれしいの一言。すごい娘になりました」とまな娘をたたえた。


【北京五輪】ソフトボール 日本、打線奮起で金メダル

2008年8月22日(金)08:15 産経新聞

 ≪3連投・上野413球 宿敵、米を撃破≫

 金メダルを懸けた駆け引きは開始早々から始まっていた。打線の主軸、3番・山田は一回、一度もバットを振らずに見逃し三振を“選択”した。

 「駆け引きでどんな球が来るかを見極めたんです」。四回の2打席目には、決勝点となる本塁打をセンターにたたき込んだ。「(わざと)ドロップを空振りして、次のライズボールを打った」。上野にかかる重圧を和らげた一発は、研究のたまものだった。

 爆発力のない打線は「上野頼み」と揶揄(やゆ)されることもしばしば。山田をはじめ野手はその陰口に耐え、最後の舞台に照準を合わせていた。米国の先発オスターマンの武器は、浮き上がるライズボールと落差の大きいドロップ。「上か下かを絞る。それだけのことなんですけどね」と謙遜(けんそん)したが、狙いは的中した。

 日本代表の主軸打者として五輪3大会を戦った斎藤氏が2006年12月、代表監督に就任した際に掲げたテーマは「スピード・パワーソフト」。投手頼みを脱却し、結束を高めることを目指してきた。おろそかにされていた相手の分析も徹底した。

 三回の先制の場面に、その成果が出た。0-1から狩野を呼び寄せ、三遊間狙いを指示。「米国から(五輪で初めて)3点取ることを目標にやってきた」と斎藤監督。米国の“穴”がどこにあるかは知っていた。「悲願達成です。私は銀止まりだったけど、選手には金メダルをかけさせてあげたかった」。五輪最後の試合で理想のチームが完成した。(川越一)

独身サヨナラ!斎藤監督が悲願達成/ソフト

2008年8月22日(金)07:42 サンスポ

 夢のような風景が目の前に広がる。選手たちが歓声を上げ、何度も跳びはね、マウンド周辺で抱き合っている。斎藤春香監督(38)はかすむ目で、頼もしげに15人を眺めた。

 「優勝の実感が沸きません。この子たちに金メダルを獲らせてあげたかった。自分は銀メダルだったけど、金メダルを掛けさせることができて、うれしい」

 悲願を達成した。主軸打者として活躍した3度の五輪は、00年シドニー大会の銀メダル止まり。06年12月に代表監督に就任するとライバル米国の攻略に執念を燃やした。

 難攻不落の左腕オスターマンを想定し、強化合宿では男子を相手に打撃練習。夜は米国投手陣のデータを分析し、ミーティングを重ねた。現役時代から配球の読みにたけていた斎藤監督の言葉に選手もうなずいた。

 勝利の瞬間、ネット裏の放送席では元全日本監督の宇津木妙子氏(55)が涙を流していた。「雨が降っていて、シドニーの試合を思い出した」。8年前、米国との雨中の決勝。延長八回に左翼手がフライを落球し、金メダルの夢がこぼれ落ちた。そんな悪夢を教え子の斎藤監督がぬぐい去ってくれた。

 この2年間、宇津木氏は若い斎藤監督を励まし続けた。「わたし人間不信になりそう」と相談されたこともある。選手一筋で組織になじめない教え子に言った。「最後は選手を信じなよ」。

 55歳の宇津木氏は、験担ぎで下着をピンク色に統一。38歳の斎藤監督も「金を獲るまで結婚しない」と監督就任時に宣言し、いまだ独身。なりふり構わない2人の思いは天に通じた。

 今大会限りでソフトボールは五輪競技から外れるが、「また16年には復活するかもしれない。ソフトの魅力を伝えていきたい」と宇津木氏。米国を倒し、ソフトの歴史を変えたこの日の勝利が、復活への足掛かりだ。


「金」のため、未来のため=貫いた堅実ソフト〔五輪・ソフトボール〕

時事通信(08月21日23時15分)

 2日で3試合を投げ抜いたエース上野由岐子(ルネサス高崎)の鉄腕に「鳥肌が立った」という。王者米国を、理想的な試合展開で倒した金メダル。自分たちのスタイルを貫いて「金」を追い続けた日本ソフトボールが、北京で満開の花を咲かせた。
 アテネ後、日本を世界の強豪国に押し上げた功労者、宇津木麗華、斎藤春香(現監督)らが第一線から離れ、チームは若返った。一回り小粒になった攻撃陣で米国、オーストラリアなどパワーのある強豪と対等に戦うには、堅守と緻密(ちみつ)な攻撃が求められた。
 1点を守り抜くスタイルを追求。命運は世界最速右腕、上野に託され、上野は懸命に応えた。「金メダルはみんなの思い。信頼される投手に自分をつくっていきたい」
 実施競技からの除外で、金メダルへの渇望とともに、選手たちはもう一つの願いを抱いた。未来の選手のために競技の五輪復帰を願い、魅力を伝えたい、記憶に残したい。斎藤監督は「ソフトボールにとって一つの区切りであり、集大成だけど、復活に向けての思いも強い」と言う。
 決勝進出が懸かった20日の死闘に、そんな思いが凝縮された。とりわけ延長戦2試合、318球を投げ抜いた上野。米国、オーストラリアに、4年間に成長した姿で立ち向かった。「テレビで一流の選手を見て五輪に行きたいと思った。子供たちにもそう思ってほしい」。ピンチのたびに勇気を奮い起こした。
 世界選手権を6連覇中で、五輪では一度も王座を譲らなかった米国から奪った金星。ソフトボールを愛する強い気持ちとともに、悲願達成へ向かって死力を尽くした姿は、北京から世界へ向かって発信された。(北京時事)

祝・ソフトボール「金」■記念大特集Ⅱ・関連記事10連発一挙掲載!!

2008-08-24 08:03:36 | Weblog

上野投手一問一答-ソフトボール〔五輪・ソフトボール〕

時事通信(08月22日01時27分)

 ソフトボールで悲願の金メダルを獲得した日本のエース、上野由岐子投手の一問一答は次の通り。
 -決勝はどんな投球を心掛けたか。
 きのうのオーストラリア戦(3位決定戦)で思ったより体力を消耗した。スピードよりも回転、切れで勝負しようと。スピードが落ちる分、変化球を交えて制球良く、いかにボール球を振らせようかと思った。
 -2日間で3試合を投げ切ったが。
 日本では3日間で5試合ということがある。球数的には苦しくなかった。ただ、世界のトップ選手がいる五輪でこれだけの球数なので、体力だけでなく、精神的に頭がパンクするぐらい疲れた。
 -3連投できた理由は。
 球数は多かったが、気持ちの面で勝り、疲労感もなかった。勝ちたい、負けたくないという気持ちで投げ切れたと思う。
 -一番つらかったのは。
 アテネ五輪後、次の五輪という目標が遠過ぎて、モチベーションを上げるのが難しかった。五輪で金メダルという自分の夢との間を何度も行き来して、保ってくることが一番難しかった。(北京時事)

広瀬、渋い働き=ソフトボール〔五輪・ソフトボール〕

時事通信(08月22日01時00分)

 五輪初出場の27歳、広瀬が渋いプレーで盛り上げた。7回1死二、三塁で三塁走者として打者・藤本との間でサインプレーを決めた。投手が投げた瞬間スタートを切り、ボール球を体勢を崩しながらバットに当てた藤本の投ゴロで本塁へ。思い切ったスライディングで敵失を誘い、貴重な3点目のホームを踏んだ。「捕手にぶつかっていくような体を張ったプレーだった。ああいうプレーはチームを勢いづける」と斎藤監督。
 その裏には三塁右への強烈なライナーを好捕。7回の安打といい、勝利を呼ぶ活躍だった。(北京時事)


ソフト「金」奪取…選手抱き合い喜び爆発、ファンも大歓声

読売新聞(08月22日00時59分)

 「よくやった上野」「おめでとうニッポン」──。21日の北京五輪・ソフトボール決勝で、日本は米国を3対1で下し、悲願の金メダルを獲得した。

 その瞬間、グラウンドの選手たちは抱き合いながら喜びを爆発させ、スタンドのファンは「日の丸」を振って歓喜の声を上げた。

 試合は六回まで2対1で日本がリード。前日、2試合で318球を投げた上野由岐子(ルネサス高崎)が先発し、再三ピンチを背負いながら、米国打線をホームランによる1点のみに抑えた。

 最終回の七回、日本は米国内野陣の2つのエラーに乗じて1点を追加した。その裏、米国は先頭打者をヒットで出したが、上野の鬼気迫る投球の前に、後をつなぐことができなかった。

 最後の打者を打ち取ると、上野は両手を上げて喜びを表し、駆け寄ってきたチームメートと抱き合った。控えの選手たちもベンチを飛び出し、マウンドの近くで歓喜の輪を作った。

 スタンドの日本のファンは立ち上がって拍手を送り、「日の丸」を振りながら歓声を上げた。多くのファンが上野の名を呼び、力投をたたえた。

 前日の豪州戦も応援したという東京都品川区の江川河代さんは「とにかくうれしい。上野さんの精神力の強さに脱帽です」と興奮気味に話し、友人で埼玉県富士見市の鴫原美奈さんは「チームワークが素晴らしかった。言葉にならないぐらい感動しました」と、目を潤ませながら話していた。(メディア戦略局編集部・久保田稔)

奮起した打線=見極め明確-ソフトボール〔五輪・ソフトボール〕

時事通信(08月22日00時59分)

 米国の牙城を崩すには、何より打線の奮起が必要だった。前日まで徹底されていなかった狙い球、バントへの集中力。この大舞台では明確だった。
 3回の先制点。三科の二塁打は高めに浮くライズボールに合わせた。三科は先発で2人しかいない右打者。「左打者は苦戦する。4年間この投手の研究だけしてきた」と言う。狩野の遊撃への適時内野安打は沈む球の落ち際をたたいた。狩野は「打席に立つ位置を前に変えていた」と言い、いずれもオスターマンの勝負球を見極めていた。
 4回。貴重な本塁打を放った山田も甘いライズボールを弾き返した。第1打席で1度も振らず三振して球筋を見極めた。初球の沈む球を空振りして誘い、浮いたところをコンパクトに合わせた。山田は「落差が大きい。上か下かを絞ること」と胸を張った。
 前日目立ったバントの失敗もなかった。3回の峰、7回の三科の犠打はいずれも得点に結び付いた。エース上野が3連投。負担を軽くするのが何よりの薬になった。(北京時事)

[時事通信社]

「会って抱き付きたい」=上野選手の両親-ソフトボール〔五輪・ソフトボール〕

時事通信(08月22日00時52分)

 ソフトボールで金メダルを獲得したエース上野由岐子投手(26)の父正通さん(54)さんは、観客席で娘の勝利に「夢を見ているみたい。すごい子供です」と感動。「全員が(娘を)守ってくれた。おめでとうと言って抱き付きたい。最高です」と笑顔を見せた。
 母京都さん(52)さんは「24時間、ソフトボールのことばかり考え、『いかに時間を使うかが結果につながる』と言っていた。体力は限界だったでしょう。休ませてあげたい」と思いやった。
 上野選手の精神力の強さについて、京都さんは「好きの一念とアテネの悔しさがあった。宇津木さんや斎藤監督、みなさんに支えられ、育ててもらった」と感謝した。
 20日のオーストラリア戦後、上野選手に「おめでとう」と声を掛けると、「こんな長い試合でごめんね」と気遣う言葉が返ってきたという。京都さんは「あんな大変な試合をして、どうしてこういうことを言えるんでしょう」と目を細めた。(北京時事)
正通(まさみち)京都(みやこ)
【日本・米国】日本の先発・上野=北京市の豊台ソフトボール場で2008年8月21日午後7時1分、矢頭智剛撮影

<五輪ソフトボール>上野の3完投413球 悲願引き寄せる

毎日新聞(08月22日00時50分)

 ◇北京五輪ソフトボール女子決勝(第14日の21日)

 ◇日本、3-1で米国を破り初の金メダル

 勝利の瞬間、何度も両腕で天を突いた。「最後の五輪」で、チームのエース、上野由岐子が米国の連覇を止めた。「投げさせてもらって満足。まだまだ投げられる」。26歳右腕は常識破りの2日間で3完投の力投で、日本の悲願をかなえた。

 前日の準決勝、3位決定戦の延長戦2試合を投げ抜き、計21イニングで318球を投げた。その夜「握力が落ちている」と周囲に漏らした。だが、斎藤春香監督(38)から「行けるか」と問われると、うなずいた。

 世界最速119キロの豪速球を持つ。だが今大会は調子が上がらなかった。1次リーグ初戦のオーストラリア戦では「記憶にない」という1イニング2本塁打を浴びた。

 球速も伸びず、上野を育ててきた元代表監督の宇津木妙子・ルネサス高崎総監督(55)には「心も体もぼろぼろ」と伝えた。最後の五輪でエースを務める重圧のせいか、投げ急いでフォームを崩していた。

 だが準決勝の米国戦で表情が一変した。上野は語ったことがある。「自分より強い相手と戦うときが一番楽しい」。1次リーグの米国戦で、日本は五輪で初めてコールド負けを喫していた。その強敵を前にしたとき、上野の表情が挑戦者のそれに戻った。「100%の力じゃなくても、自分らしく」。言葉から力みが抜けた。

 決勝も苦難続きだった。不運な内野安打に走者を背負い、雨による中断で肩も冷えた。上野の精神力を示す言葉がある。「どんな状況に立たされるか考えて悩むより、何かが起きたときにどう対応できるかを大切にしている」。この日の95球を含め、2日間で413球を投げ抜いた。

 日本の戦力が最も充実していたとされる00年シドニー五輪でも、全勝で臨んだ決勝で米国にサヨナラ負けした。今回のチームは、それほど前評判は高くなかった。だが頂きに立った。不調にも不運にも負けない精神力を持つ大黒柱がいてこそ、である。【藤野智成】

ソフトボールの五輪除外問題〔五輪〕

時事通信(08月22日00時44分)

 ソフトボールは、野球とともに2012年ロンドン五輪で実施競技から除外される。ただし、16年五輪で復活する道は残されている。発端は02年8月、国際オリンピック委員会(IOC)のプログラム委員会が五輪の肥大化抑制策として野球、ソフトボール、近代五種を外す見直し案をIOC理事会に勧告したこと。理事会は継続審議とし、同年11月のIOC総会では賛否を04年アテネ五輪以降に先送りした。
 アテネ五輪後、プログラム委員会が12年五輪の実施競技見直しのため、現行28競技などの評価報告書をまとめて05年6月に公表。ソフトボールに関しては、五輪や世界選手権でのマスコミの関心の薄さなどを指摘。同年7月、IOC総会で野球とソフトの12年五輪除外が決まった。(北京時事)

ソフト日本、米国破り念願の金=団体球技32年ぶり=なでしこはメダル逃す〔五輪〕

時事通信(08月22日00時37分)

 【北京21日時事】北京五輪第14日は21日、ソフトボール決勝で日本が米国を3-1で破り、初の金メダルを獲得した。2012年ロンドン五輪で実施競技から除外となる前の大会で、念願の優勝を果たした。日本勢の金メダルは今大会9個目。団体球技での金メダルは、1976年モントリオール五輪バレーボール女子以来32年ぶり。
 日本は前日に延長戦の2試合、21回を投げていたエースの上野由岐子(ルネサス高崎)が1失点に抑え、3試合連続完投を演じた。打線は3回に1点を先制した後、4回には山田恵里(日立ソフトウェア)の本塁打で2点目。1点差の7回には追加点を奪って振り切った。96年に実施競技となってから3大会連続で制していた米国は、初めて優勝を阻まれた。
 サッカーの日本女子は3位決定戦でドイツに0-2で敗れ、日本勢としては68年メキシコ五輪男子の銅以来となるメダル獲得はならなかった。
 女子高飛び込み決勝で入賞を狙った中川真依(金沢学院大)は11位。卓球シングルスの男子は韓陽(東京アート)が4回戦、水谷隼(明大)は3回戦で敗れ、男女とも姿を消した。近代五種で日本選手として4大会ぶりに出場した村上佳宏(自衛隊)は31位だった。
 陸上の男子400メートルリレーで日本は決勝へ進出。女子200メートル決勝はベロニカ・キャンベル・ブラウン(ジャマイカ)が21秒74で連覇した。 (了)

祝・ソフトボール「金」■記念大特集Ⅰ・関連記事8連発一挙掲載!!

2008-08-23 06:15:48 | Weblog
画像は、時事通信社。

高めのボール玉を打った殊勲の山田恵里選手(24)の本塁打打法は、これぞニッポン女子の秘技「ダイコン打ち」!!

昔の女の子は、ダイコン打ちしかできなくて空振り三振が多くてね、見ちゃいられなかった。
でも、女子ソフトプロ恵理選手が使うとお見事、ホームランにしちゃんだね。伝家の「秘技」復活に万々歳!!

 次の恵理選手のプロフィールは、選手名鑑より。
氏名 山田 恵里 所属 日立ソフトウェア
よみがな やまだ・えり 最終学歴 神奈川・厚木商高
性別 身長 165センチ
競技 ソフトボール 体重 58キロ
種目   生年月日 1984/3/8
ポジション 外野手 出身地 神奈川県
主な戦歴 2004年アテネ五輪代表。

http://news.biglobe.ne.jp/special/beijing2008/player/softball/index_2.html



 ソ・決勝戦の生中継の視聴率は、な、なんと47.7%を記録。国民の半分が・・・、この辺の数字のことはよくわかんないけど、とにかく大半の人が勝利に酔い痴れたということではないのかな。

陸上の男子400メートルリレーの朝原らの銅メダルも特筆ものだけど、タナボタは否めない。

星野ジャパンは、もともと偏狂な「勝利の方程式」が狂ってのまさかの逆転負け?
たしか、投手コーチは、大野だったな。戦犯はこいつ、とかいう気持ちはさらさらないけど、その辺はじっくりとね、じっくりとやりましょうよ。

 ソフトには、絶対的な守護神上野投手がいたし、ダイコン打ちのホームランバッター恵理外野手がいた。西山も鉄壁の守りもあった。数学ではなく、全員が一丸となっての化学的な超物質Qが誕生してのだいしょうりだろう。

チーム野球の面白さを再確認したね。

 アメリカへのコンプレックスを跳ね除けた・・・、そんな大興奮を拙ブは永久保存することに。

次は、第一回祝大特集・関連記事10連発!!

記者会見で金メダルをかじるソフトボール日本代表=2008年8月22日午前11時25分、藤生竹志撮影

<五輪ソフト>エース上野「重みのあるメダル」

毎日新聞(08月22日18時04分)

 初の金メダルを獲得したソフトボール日本代表が22日、北京市内のJOCジャパンハウスで会見し、改めて優勝の喜びを語った。

 21日夜の決勝で米国に完投勝利を収めたエースの上野由岐子(ルネサス高崎)は、前日の準決勝、3位決定戦からの3試合を1人で投げ抜いた。次回の12年ロンドン五輪では実施競技から外れることを受け、上野は「みんなが金を取りたい一心で、必死にプレーした結果。いろんな意味で、重みのあるメダルだった」と振り返った。

 また、斎藤春香監督は「北京五輪は一つの区切り。これから復活を目指すためにも、日本が金メダルを取って、多くの人にソフトボールの素晴らしさを知ってもらいたいと思っていた」と話した。

 ウイニングボールを手にした一塁手の佐藤理恵(レオパレス21)は「感極まって、空に投げてしまった」と言う。佐藤によると「気付いた審判が拾って、マネジャーに渡したと聞いている」とのことだが、まだ斎藤監督の手元には届いていないという。【堤浩一郎】
大会1番の輝きは、胸に金メダルの上野のものだった(浅野直哉撮影)

■ソフト上野、鉄腕伝説…8年後、正式競技復活の切り札

夕刊フジ(08月22日17時00分)

 【北京=宮脇広久】「祭りの後」は-。ソフトボール日本代表は、正式競技採用以来、3大会連続で金メダルを獲得していた米国を決勝で破り、初の金メダルを獲得した。2日間で3連投、計413球を投げた鉄腕・上野由岐子投手(26)は一気に国民的ヒロインの座へ。ところが、ソフトボールは次回の2012年ロンドン五輪で正式競技から外されてしまう。成し遂げた快挙と、不透明な将来には実に気の毒な格差がある。

 まさに神様、仏様、上野様と奉りたくなった。上野は20日、午前9時半試合開始の準決勝・米国戦で延長9回147球の熱投も実らず1-4で敗れると、試合終了約5時間後には豪州戦のマウンドへ。ここでも延長12回、171球を投げ抜いた。

 そして勝ち上がって迎えた21日の決勝・米国戦で7回95球の完投勝利。試合終了は午後8時25分。2日にわたる34時間55分内に、28イニング計413球を投げたことになる。対照的に米国は2投手の継投で、2日間でアボットが10イニング、オスターマンが6イニングと分け合った。

 それでも上野は「今回はコンディションがいい形で調整できた。そういう意味では、まだまだ投げられる可能性はあります」と言い切ったのだから、恐れ入る。五輪史に残る力投伝説だ。

 しかし、ソフトボールは野球同様、今大会限りで五輪正式競技から外される。4年に1度の世界選手権が2年後に迫っているとはいえ、世間の注目度、盛り上がりは、五輪とは雲泥の差。最大の目標を失う彼女たちは、いったいどこへ行くのか。

 金メダルを獲得した選手には、JOC(日本オリンピック委員会)から報奨金、1人300万円が贈られる。JOC関係者は「日本ソフトボール協会から別に報奨金が支給される可能性がありますが、野球やサッカーと違って、ソフトには有力なスポンサーが付いているわけでもなく、懐が寂しいのが実情。いずれにせよ、多くは望めないでしょう」と気の毒な背景を打ち明けた。

 前日本代表監督の宇津木妙子氏は、上野が所属する日本女子リーグのルネサス高崎の総監督で恩師。

 宇津木氏は「余程の精神力がなければ、あれほどの連投はできない。日本のソフトボール界のためによくやってくれました。ソフトが正式競技から除外される理由のひとつは、過去の五輪で米国以外に金メダルを取る国がなく、ひとり勝ちだったから。そういう意味で、この金メダル獲得には大きな意味がある」

 「日本にも上野のような凄い投手がいることもアピールできた。ソフトを普段見ない人たちにも感動を与えたと思いますよ。世界選手権が2年後に迫っていることだし、16年の五輪でソフトが復活するかどうかはわかりませんけど、せっかくここまで来たのだから、米国に勝てるレベルを維持できるよう、強化を続けなければなりません」と一気にまくし立てた。

 00年シドニー五輪で銀メダルを獲得した際には、「女大魔神」と異名を取った高山樹里投手をはじめ、選手たちがテレビのワイドショーで盛んに取り上げられるなど、時の人となった。だが、日本リーグにまで注目するファンは稀で、ブームの潮が引くのも実に早かった。

 かといって、野球のように「メジャー挑戦」なんて夢もない。むしろ、練習環境の良い日本リーグのチームに、米国や豪州の代表経験者が来日して加入しているほどだ。

 上野の父・正通さん(54)は、スタンドで愛娘の晴れ姿に目を潤ませながら、「無敵の米国が負けたのですから、悔しがって8年後には、意地でも正式競技に復活させるのではないですか」と望みをつなぐが、既に代表では中堅にあたる上野は、8年後には34歳。現役を続けているかどうかは微妙だ。

 「親の心境としては微妙です。花嫁修業をしてほしい気持ちも当然ある。今まではこの五輪にすべてを捧げてきた。彼氏なんかもいないようですが、最大の目標にしてきた大会が終わったことで、そっちの方向に行くかもしれませんね」とも。

 タフネスだけでなく、世界最速といわれる球速119キロを誇り「オリエンタル・エクスプレス」の異名を取る上野にとって、目標とする8年後は、あまりに長い。このまま埋もれさせるのは、あまりにも惜しい人材だ。熱しやすく冷めやすいといわれる日本人気質。どこかに格好のヒノキ舞台がないものか-。

五輪ソフトボール日本代表会見 みんなの思い集まったメダル

産経新聞(08月22日16時05分)

 ■上野「いろんな意味で重い」

 【北京=川越一】北京五輪のソフトボールで悲願の金メダルを獲得した日本代表15人が、優勝決定から一夜明けた22日午前、北京市内のホテルに設けられたジャパンハウスで記者会見し、改めて優勝決定の瞬間を振り返った。

 21日の決勝、米国戦。七回二死、最後の打者を三ゴロに打ち取った。ウイニングボールは一塁手の佐藤理恵(レオパレス21)のグラブに収まった。だが、感極まった佐藤は、ボールを空高く投げてしまった。「審判のコールを聞いた瞬間に、感極まって空に投げてしまったんですよ。その後、審判が取ってくれて、それをマネジャーに渡してくれたと聞きました。で、監督に最後のウイニングボールは監督にいくと思います」と佐藤。

 しかし、目の前で事の次第を聞かされた斎藤春香監督は目を白黒させた。「まだ、いっていないんですね…」と佐藤。日本のソフトボール史に残るウイニングボールが“行方不明”になっていることが明らかになった。

 一夜明け、興奮が静まった選手たちには金メダルの実感がわいてきた。エースの上野由岐子(ルネサス高崎)は「思っていたよりもいろんな意味で重いです」。4番の馬渕智子(日立ソフトウェア)は「一緒に頑張ってきたみんなの思いが集まったメダルだと思う」と話した。上野の“女房役”を務めたチーム最年少、20歳の捕手、峰幸代(ルネサス高崎)は「自分だけの夢じゃない、いい色のメダルを取れて心から本当にうれしい」と振り返った。

 しかし、悲願達成にも、喜んでばかりはいられない。ソフトボールは今大会を最後に夏季五輪の正式競技から除外されてしまうのだ。斎藤監督は「ソフトボールは一つの区切りで五輪からなくなってしまうけど、この15人が復活に向けて頑張ってくれると思う」といって選手たちに視線を向けた。

■思ったより金メダルは重い…ソフト日本チームが会見

読売新聞(08月22日13時15分)

 北京五輪のソフトボールで金メダルを獲得した日本代表選手が決勝戦から一夜明けた22日、北京市内のジャパンハウスで記者会見した。

 準決勝から3連投し、413球を投げ抜いたエースの上野由岐子(ルネサス高崎)は、優勝の実感と金メダルの感想を聞かれ「最後のバッターを討ち取ったときに、(優勝を)味わった。(金メダルは)思っていたよりも重い」と白い歯を見せた。

 斎藤春香監督が決勝での上野の3連投を決めたのは、当日の午前中だったという。上野は「予選から決勝に出るつもりだったので心の準備はできていた。(決勝当日の朝は)自信を持って、いいコンディションでマウンドに立てた」と明かした。

 ソフトボールはロンドン大会では正式競技から外れることが決まっているが、「北京が最後になるのは残念だが、アメリカに勝つことが五輪での競技復活ということを聞いていたので、優勝してうれしかった。これからはソフトの復活のために頑張りたい」と語った。

 記者会見に先立ち、選手たちはジャパンハウスでのトークイベントに登場。北京日本人学校の生徒から優勝記念のパネルを手渡された斎藤監督は、感極まって目を真っ赤にし「うれし泣きは初めてのこと、生徒たちの思いもあり再びこの地にやって来られた」と改めて優勝の喜びをかみしめていた。(メディア戦略局編集部 林宗治)

上野「心からうれしい」=一夜明け、金メダル実感〔五輪・ソフトボール〕

時事通信(08月22日13時03分)

 【北京22日時事】北京五輪で悲願の金メダルを獲得したソフトボール日本代表が22日、北京市内のホテルで記者会見し、エースの上野由岐子(ルネサス高崎)らが歓喜の瞬間から一夜明けた感想を語った。
 延長2試合を含め決勝トーナメント3試合を一人で投げ切った上野は「選手みんなが金メダルを取りたい一心でプレーした。たくさんの人の思いを背負っての金メダル。心からうれしかった」と喜んだ。
 金メダルの実感は「最後の打者をアウトにした時」と上野。今後の目標を聞かれると「五輪のために我慢してきたこともあった。心の底からソフトボールを楽しみたい」と笑みがこぼれた。
 2012年ロンドン五輪では実施競技から外れる。「米国に勝って金メダルを取ることで(五輪に)復活の兆しがあると聞いていた」と上野。斎藤春香監督も「区切りとなる大会。復活するためにも、日本が優勝することを考えて臨んだ」と話した。(了)

女子ソフトの最高視聴率47.7%〔五輪・ソフトボール〕

時事通信(08月22日11時55分)

 日本が優勝した21日の北京五輪女子ソフトボール決勝戦の中継放送(NHK総合)の平均視聴率は関東地区で30.6%、関西地区で25.0%、名古屋地区で30.9%だったことが、ビデオリサーチの調べで22日分かった。最高視聴率は47.7%(関東地区)だった。

上野413球投げ抜いた!日本「金」…ソフトボール

スポーツ報知(08月22日08時00分)

 ◆北京五輪 ソフトボール決勝 米国1-3日本(21日・豊台ソフトボール場) 鉄腕・上野だ、日本金メダルだ-。日本は前日20日に2試合を投げた上野由岐子(26)=ルネサス高崎=が、完投し2日間413球の熱投。打線も山田恵里(24)=日立ソフトウェア=のソロ本塁打などで3点を奪い、宿敵・米国を振り切った。球技としては1976年モントリオール大会女子バレーボール以来のV。2012年ロンドン大会で実施競技からいったん外れる最後の戦いを制した。日本の今大会での金メダルは9個となった。

 上野を中心に日本ナインの歓喜の輪ができた。もみくちゃになりながら空に手を突き上げた。ピンと伸びた人さし指が金メダルの証しだ。「鳥肌が立ちました」自身の夢、日本の夢が結実した感覚が体中を襲った。

 魂の投球だった。前日の準決勝・米国戦、3位決定戦のオーストラリア戦はともに延長を戦い、21イニングで計318球を投げ抜いた。激闘から一夜明け、再びグラウンドに立った。「思ったよりも体力を消耗していた」MAX119キロの剛速球はもう投げられない。その代わり100キロ台の球で丁寧にコーナーをついた。1回、いきなり迎えた1死満塁の大ピンチにも変化球を交え、後続を抑えた。4回、雨で18分の中断をはさんだその裏、バストスに一発を浴び、さらに6回1死満塁のピンチも「ホームランだけは打たれない配球」を心がけた95球の力投。「まだ投げられる感覚はある」と“鉄腕”は言ってのけた。

 10年越しの一戦だった。シドニー五輪前に日本代表候補に入ったが、当時高校生だった上野は、体育の授業中に腰ついを骨折した影響で断念。アテネでは1次リーグで対戦があったが登板はなく、日本は3位決定戦で敗退。「米国とやってみたい。自分の力を100%出して、どこまで通用するか試したい」金メダルだけを追い求め、五輪用のユニホームにはベルトのないタイプをリクエスト。「米国対策」で磨いた変化球を投げると右ひじ内側がベルトに当たるからだった。

 試合後は斎藤春香監督(38)を3度胴上げ。自分を信じ、連投させてくれた指揮官に感謝した。さらにほかにも金メダルをささげたい人がいた。恩師で所属するルネサス高崎の宇津木妙子総監督と宇津木麗華監督だ。シドニー、アテネと日本代表を率いた宇津木総監督は、前日、上野にメールを送った。「かなえられなかった夢を託すから」上野は投球で応え、その夢をかなえた。「総監督と監督の気持ちを背負ってこれたことに感謝しています」母・京都(みやこ)さんが「勝っても絶対に泣かない子」という上野の目に涙が光った。宇津木総監督もバックネット越しに手を振るまな弟子の姿に「本当にありがとう、と言いたい」と涙した。

 中学の卒業式の答辞で「自分の夢はソフトボールで五輪に出て感動を与えたい」と誓った上野の夢はかなった。「2016年に戻ってくることを期待して次につなげたい」ソフトボールファンの夢がつまった金メダルは、上野の胸で一際輝いていた。

 ◆上野 由岐子(うえの・ゆきこ)1982年7月22日、福岡市生まれ。26歳。9歳のときにソフトボールを始め、柏原中3年で全国大会優勝。九州女高に進み99年世界ジュニア選手権V。2001年、日立高崎(現ルネサス高崎)入り。02年の世界選手権、中国戦で完全試合達成。同年の釜山アジア大会金メダル。アテネ五輪1次リーグ、中国戦でも完全試合を達成し、銅メダル。06年の世界選手権は銀メダル獲得。174センチ、72キロ。右投右打。

星野監督 ソフトの上野「うちにも欲しい」

スポーツニッポン(08月22日06時00分)


 【北京五輪 野球】女子ソフトに星野ジャパンも続くぞ!韓国との決戦前夜、ホテル内でくつろいでいた星野監督は日本勢9個目の金メダル獲得の一報を聞くと、思わず笑顔を見せた。
 「野球とともにロンドン五輪から外れてしまう女子ソフトがなあ。あとに続きたい。励みにしたい。うちの選手も見とるやろ」。野球とともに最後になるかもしれない北京五輪。闘将も“アベック金”を胸に秘めた。
 2日で3試合を完投したエース上野には「剛腕というか、日本女性の強さを世界に見せつけた。うちにも欲しいね」と声を上ずらせた。20日に米国にタイブレーク方式で敗れてからの頂点。星野ジャパンも20日に同じように米国に敗れているだけに「オレたちと一緒やないか。凄いぞ、女子ソフト」。日本勢10個目の金メダルでフィナーレを飾ることを誓った。