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華の会

日本文化を考える

市場原理主義と小さな政府

2005年10月05日 | 政治
日本政府がめざす『市場原理主義と小さな政府」

中嶋経営科学研究所の中島隆氏のレポートです。
  http://www.nakajima-msi.com
http://www.nakajima-msi.com/mzbox/mz0125.html

上記のアドレスをクリックして表示される論文

『臥 龍 通 信 第 125号 市場原理主義と小さな政府』は

小泉政権がこれから目差す『小さな政府論』の矛盾点が
簡潔に良く整理されています。
以下にポイントを纏めて見ました。

Ⅰ日本政府は総選挙の結果を受けて、
 「市場原理主義」の「小さな政府」を目指して動き出しました。
 国家や社会が望むものは日本国民の労働と納税ですから、
お金持ちや勝ち組の高額納税者が国家から認められ、
 ニートやフリーターや派遣社員の存在は否定されます。
 企業で働く社員も効率良く成果を出せない社員はクビです。

Ⅱ「官から民へ」の「小さな政府」とは、
 国の予算を少なくする為に国民の自己負担、自立を要求する政府です。
 国民は国に頼るなという政府であり、国民は自立して、
 すべて自己責任で生きて生きなさいという政府です。
 自立出来ない障害者や生活保護世帯を
 どこまで国家が面倒を見て行くかは、
 「小さな政府」と国民の税負担の割合で決定されます。

Ⅲただ問題なのは、「小さな政府」の議論が、
 「大幅な財政赤字」と関係して行われれば、
 前の「小さな政府」の議論とは違ってきます。
 大幅な国家財政の赤字と借金削減のために
 「小さな政府」を目指すのであれば、
 国民の税金は、削減されることなく
 すべて国家財政の赤字と借金削減に使われます。

Ⅳヨーロッパでは敗者の為の救済制度があります。
 ①欧米の「市場原理主義」と「効率性と成果主義」の競争社会には、
   敗者のために「キリスト教的社会福祉思想」がありますが、
   日本に競争社会の勝者と敗者の共存を考える
   「キリスト教的社会福祉思想」はありません。

  ②「高福祉国家」は当然に「大きな政府」で「税金の高負担国家」です。

Ⅴ国家経営に失敗した政府は国家財政の赤字と借金のために
 「小さな政府」を目指します。税金は削減されないし、
 これから大きく増大していく医療や介護費用・教育費は
 すべて国民の自己責任の自己負担というのが、
 日本政府が目指す「小さな政府」です。
 敗者に大増税と自助努力を要求する社会になろうとしています。

具体的な問題点
①日本の報道関係各社もおかしいのですが、
 「小さな政府」と言うのであれば、
 「いつから国民の大減税は始まるのでしょうか。」と聞くべきです。

②大人の家出
 大人の家出が増加し、2000年から昨年まで5年連続で
 7万人を上回ったことが、警察庁のまとめでわかりました。

③小さな政府で自立を要求される人々
 2005年版「障害者白書」によれば、
 約351万人の身体障害者手帳(身体障害)、
 約45万人の療育手帳(知的障害)、
 約258万人の精神障害者保健福祉手帳(精神障害)
 を交付されている障害者は全体で約655万人以上にもなります。
 まず、自立しようにも自立できない障害を抱えた人々の
 約655万人が応益負担という負担を要求されます。

④消えてなくなった国民の資産
 消費税が導入されて、
 国民が16年間に支払った消費税額の累計約148兆円で、
 法人三税(法人税、法人住民税、法人事業税)の減税額は
 累計で約145兆円とほぼ国民の消費税と同額になります。
 国民の消費税は日本企業の減税のために使われ、
 日本企業は145兆円もの税金を国民の消費税で負担させ、
 企業は利益として蓄積してきました。
 
 日本の金融機関と大企業は国際的なレベルの競争力のある
 企業経営を行う事が出来ず、バブル経済で破綻しました。
 日本政府はバブル経済で破綻した企業を救済するために、
 この10年間、低金利政策や法人税減税政策を実行しました。
 もしも、低金利政策で国民が受取れなかった利子約300兆円や
 法人減税の約145兆円など、総額445兆円以上を
 きちんと税収として徴収出来ていれば、
 現在の財政赤字の返済に使うことができたのです。

④「小さな政府」への改革
 日本の国家予算の平成17年度(2005年)は、
 一般会計予算規模が82兆1829億円です。
 そのうち、税収が47兆7929億円で、
 借金である公債発行が34兆3900億円になっています。
 一方、平成17年度予算においては特別会計の歳出額は
 約412兆円となっています。
 平成17年度の政府会計の一般会計と特別会計は
 約494兆円と日本のGDPとほぼ同額の規模です。

 国会の国会議員の監視も、国民の監視もない
 国家公務員が毎年扱うお金が
 一般会計の約5倍の規模の約412兆円あるのですが、
 国民にその内容を明確に開示していません。
 この他に国民は国家公務員の使い放題の
 31特別会計205兆2000億円があることさえ知らされていません。

全文は下記のアドレスで見る事が出来ます。
http://www.nakajima-msi.com/mzbox/mz0125.html