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ノーカントリー

2008-03-24 00:15:44 | Movie
第80回アカデミー賞で作品賞、監督賞、助演男優賞(ハビエル・バルデム)等、主要4部門を受賞した『ノーカントリー』を観てきた。
1980年代のテキサスを舞台にしたサスペンス・スリラーで、コーエン兄弟の監督作品である。
バルデム扮する殺し屋"シガー"の不気味さが話題になり、是非観たいと思っていた作品だ。

さてそのストーリーは・・・。
ハンティング中に多数の死体とともに、大量のヘロインと200万ドルを見つけたモス(ジョシュ・ブローリン)。
危険を承知でその金を奪ってしまい、最悪な殺し屋シガー(ハビエル・バルデム)に追われることになる。
同じく死体の山とモスのトラックを見つけたベル保安官(トミー・リー・ジョーンズ)は、ベルに危険が迫っていることを察知し、彼らの行方を追う。
はたしてモスの運命は? ベル保安官はモスの身柄を確保し、殺し屋を捕らえることが出来るのだろうか?
それぞれの思惑が絡みながら、物語は意外なクライマックスを迎えていく・・・。

観終わった後、クライマックスの展開にいくつかの?が浮かび上がってきた。
頭の中を整理していき、やっとストーリーが繋がってきた。
いずれにしろ、モヤモヤとした結末であることは確かだ。

テーマの鍵は本作品の原題にあると思う。
『No Country for Old Men』。訳すと、もはや年老いた人々が暮らせる国はない、となる。
ノーカントリーだけだとなぜこのタイトルなんだろう?という感じだったが、映画が始まる時のこの原題を思い出し、なんとなく解ってきた。
そう、この国には古き良きアメリカはもう無いということなんだろう。
古き良きアメリカの良心の象徴がベル保安官で、対極にある得体の知れない悪が殺し屋シガーというところか。

さてこのバルデム演じるシガーだが、殺人に快楽を求めるサイコ野郎ではなく、仕事のためなら躊躇無し殺人を繰り返す冷血な殺し屋だ。
ボンベを手に下げ、圧縮ガスを使ったエアガンでブシュッという音とともに殺人を行う。
この殺人手段をみて、TVドラマ、必殺シリーズの仕置きと共通する非日常的な殺人を連想してしまったのは私だけだろうか?
また太いサイレンサーを装着したショットガンもシガーの不気味さを演出する道具となっている。
バルデムが嫌がったシガーのユニークな髪型も不気味さを助長している。

基本的にはサスペンス・スリラーだが、社会派映画の側面も持ち合わせている。
決して後味の良い映画ではないが、バルデム演じるこの冷酷な殺し屋シガーは一見の価値有りだ。

ノーカントリー公式サイト


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