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カムイ外伝

2009-09-21 01:01:01 | Movie
白土三平原作のコミック『カムイ外伝』が実写版映画として公開された。
カムイ外伝』というと、幼い頃テレビアニメシリーズで見ていた記憶がかすかにある。
水原弘が歌った主題歌は今でもよく覚えている。
「しのびがぁー、とおおーる、けものみぃーちぃ、かぁぜぇーがカムイのぉー、かげをきぃーるぅ
幼い頃の記憶とはスゴイもので、今でもフルコーラスで歌える。
しかし、ストーリー等は正直あまり覚えてない。
まあ、抜け忍と追忍の逃亡劇なんて、わかるような歳じゃなかったことも事実だ。
とりあえずなんとなく懐かしさを感じ、気になるので観にいってきた。

監督は崔洋一、カムイ役を松山ケンイチ、ヒロインのスガル役を小雪が演じている。

実写版『カムイ外伝』のあらすじは・・・。

貧しい階級に生まれ、生きるために忍びになったカムイは、理不尽な殺戮を嫌い、忍びの世界から抜け出す。
しかし掟により仲間の忍びから執拗に命を狙われることに・・・。
命がけの逃亡をしているある日、松山藩主の愛馬の足を鉈で切り落とし、持ち去る漁師の半兵衛を目撃する。
なぜか気になり半兵衛の逃亡を助けるカムイ。
半兵衛の住む島へ一緒に向かうが、彼の妻はかつての仲間で、カムイと同じ抜け忍のスガルだった・・・。

とっても泥臭いヒューマンドラマだった。
歴史の授業で習ったように、江戸時代、士農工商の下には、えた・という階級があった。
どうもカムイを始めとする多くの忍びはこういったクラスの出身らしい。
生き抜くため、強くなるために忍びとなるという設定だ。
しかし、自分の意思すら持つことを禁じられ、命じられれば親をも殺戮する。
そんな環境に嫌気がさし、掟破りの抜け忍となるもの、その抜け忍を亡きものにするために自分の命をもかける追忍達。
仲間なんて誰一人としていない状況で、ひたすら生きるために逃亡を続けるカムイ。
この逃亡劇は永遠に終わることはない。
人が信用できないカムイが、なぜそこまでして生き抜こうとしているのか?
愛するものさえいない状況でそこまで生へ執着するのか?
結局、そのあたりはよくわからなかった。

先日観た同じ忍者ものの劇場作品『GOEMON』とは全く正反対の映画だった。
『GOEMON』はスタイリッシュなファンタジー映画だ。
城や衣装、髪型すら、史実を無視して作っているが、クールな映像はまさしくエンターテインメントそのもの。
一方『カムイ外伝』はリアルな現実、リアルな環境の中で描かれる泥臭いヒューマンドラマ。
まあ、崔監督が手がけるわけだから、当然予想できた内容だ。
あと衣装だっていわゆる忍者の格好なんかしてない。
このあたりもリアルな感じがする。

ただ、この映画はそれだけはない。
もちろん迫力あるアクションシーンもたくさんある。
カムイの必殺技、変移抜刀霞斬りや飯綱落としもちゃんと映像化されていて、ファンにはたまらないかもしれない。
それ以外の格闘シーンもなかなかのものだった。
主演の松山ケンイチのアクションもそうとうがんばってたし、小雪や小林薫を含め、出演している役者陣が生き生きとしたいい演技をしていた。

『カムイ外伝』は床屋で順番待ちしている時に、時々読んだりしたことがある程度だが、作品の雰囲気はきちんと再現されているように思う。
なお、後半部は漁師たちの島を舞台としている話だが、これはカムイ外伝第二部にある「スガルの島」というエピソードらしい。
これまた原作に忠実に描かれているらしいが、原作を読んでないのでなんともコメントできない。

さて、映画が終わり、館内が明るくなってびっくりしたのは観客にシニアな方々が多いこと。
半分以上が還暦を越えていそうな方ばかりだった。
きっとカムイに特別の思いがあるんだろうと思う。
そういう方々に感想を聞いてみたかった。
カムイをよく知らない自分が思うのとはまた違う感じ方をしているのかも知れない。

カムイ外伝 公式HP


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