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のぼうの城

2012-11-18 22:56:49 | Movie
史実に基づいた戦国エンタテインメント映画『のぼうの城』を観てきた!
原作は和田竜によってもともと脚本用として作られたものだが、その後自身により小説化されている。
この小説は175万部の大ベストセラーとなり、本屋大賞の第2位にもなった。
小説は自分も読んだが、痛快なエンターテインメント時代劇になっていてとても面白かった。
だから映画化のニュースを聞いてからずっと楽しみにしていた。
ほんとは公開と同時に観たかったのだが、忙しい週末が続きやっとこの映画を観ることができた。

監督は『ゼロの焦点』の犬童一心と『日本沈没』の樋口真嗣によるダブル監督。
海外作品では兄弟監督によるダブル監督作品はあるが、邦画では珍しいのではないだろうか?
“のぼう様”と呼ばれる主人公成田長親を演じるのは野村萬斎。
城を守る侍大将を佐藤浩市、山口智充、成宮寛貴らが、攻める豊臣軍の石田光成を上地雄輔、侍大将に山田孝之、平岳大が演じている。

さて、気になるそのあらすじは・・・。

天下統一を目論む豊臣秀吉は最大の抵抗勢力である関東の雄、北条家討伐に必死になっていた。
そして同時に北条方の支城への侵略をはじめ、武州・忍城(おしじょう)にも手を伸ばしていた。
ここにはでくのぼうを意味する“のぼう様”と領民から呼ばれ、愛される城代成田長親(野村萬斎)がいた。
秀吉は石田光成(上地雄輔)を総大将とする2万の兵を送り込むが、迎え討つ忍城軍はたった500の軍勢のみ。
秀吉に内通し、おとなしく城を明け渡すはずだったが、使者である長束正家(平岳大)の無礼な態度をみて、長親は突如宣戦布告をし、周りを驚かす。
将に求められる智も仁も勇もない、でくのぼうのような将の長親は果たして領民と城を守ることができるのだろうか・・・。

うーん、なかなか痛快なエンターテインメント作品に仕上がっていて楽しかった。
もともと小説は読んでいたのでストーリーはわかっていたので、役者陣がいかに個性の強いキャラクター達を演じるのかに興味を持っていた。
この作品のキャスティングはなかなか興味深いものだったが、誰もが納得の演技をしていたと思う。
主人公の成田長親を野村萬斎が演じると知った時、意外な感じがした。
でくのぼうの“のぼう様”とはちょっと違うのでは?と思った後、最大の見せ場となる船の上での田楽踊りのシーンを思い出し、なるほどと思った。
このシーンを考えたら納得のキャスティングとなった。
事実、歌も振り付けも任されたこのシーンは予想以上に見ごたえがあった。
田んぼでの領民の田楽踊りの歌、振り付けも野村萬斎が担当したとのことなので、本作品への関わりは非常に大きかった。
やはり彼をキャスティングしたことは大正解だったと思う。
またおてんばで情に厚い甲斐姫を演じた榮倉奈々のストレートな演技も良かった。
他に迎え撃つ個性溢れる忍城軍の侍大将となる正木丹波守利英を佐藤浩市、柴崎和泉守を山口智充、酒巻靭負を成宮寛貴が演じていたが、どれも期待を裏切らない演技だった。

クライマックスの水攻めのシーンには苦労をしたと思う。
東日本大震災の発生により、津波被害を連想させるこのシーンを含む本作は公開を1年間延期することになった。
そして、人が水に飲み込まれるようなシーンはカットしたとの事。
それでも実際の水を4000トンほど使ったという水攻めのシーンは迫力があった。
それだけに津波被害にあわれた東北の方にはつらい映像だったかもしれない。
このあたりについては製作陣は相当気を使ったのではないだろうか。

さて、予想を裏切らない出来となっていた本作は、老若男女を問わずオススメ出来る作品ですが、実際こういった作品を好むのはやはり大人でしょうかね。
やはり戦国時代劇という邦画ならではジャンルは不滅ですね。
楽しくて、ホロっとさせるいい作品でした。


映画「のぼうの城」オフィシャルサイト


映画『のぼうの城』本予告編


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