2007年5月5日
讃岐うどんで名高い香川県で、うどんのゆで汁に関する排水基準を定める条例制定の動きがあるとのニュースがありました。報道(5月1日産経新聞)によると、同県のうどんの生産量は、昭和55年度は約1万7,000トンでしたが、「讃岐うどんブーム」にわいた平成15年度は約6万7,000トンと4倍近くまで増加。17年度も約6万1,600トンに上った、とのことです。
水質汚濁防止法は、『工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する汚水を規制すること、生活排水対策の実施を推進することにより、公共用水域及び地下水の水質汚濁の防止を図り、国民の健康を保護するとともに生活環境の保全を図ること』を目的として制定されました。規制対象は、『特定施設があり公共用水域に水を排出する事業場、有害物質を製造・使用・処理する特定施設から汚水を地下に浸透させる事業場、貯油施設を設置する事業場から事故などにより油を含んだ水を排出する事業場』とされ、具体的な基準は、排水基準を定める省令によって定められています。
うどんのゆで汁は、一見、問題なさそうな感じがしますが、同省令別表第2に掲げられた『生物化学的酸素要求量(単位:1リットルにつきミリグラム):160(日間平均120)』基準が問題となります。香川県の調査では、うどん店の排水におけるは生物化学的酸素要求量は、平均で1リットルあたり1,000ミリグラム、と明らかに排水基準を大きく上回っています。しかし、この排水基準は、『1日当たりの平均的な排出水の量が50立方メートル以上である工場又は事業場に係る排出水について適用する(排水基準を定める省令別表第2備考2)』とされていることから、香川県内のほとんどの小規模店については、水質汚濁防止法上は適用除外とされています。
一方、水質汚濁防止法は、『都道府県は、当該都道府県の区域に属する公共用水域のうちに、その自然的、社会的条件から判断して、第一項の排水基準によつては人の健康を保護し、又は生活環境を保全することが十分でないと認められる区域があるときは、その区域に排出される排出水の汚染状態について、政令で定める基準に従い、条例で、同項の排水基準にかえて適用すべき同項の排水基準で定める許容限度よりきびしい許容限度を定める排水基準を定めることができる』として、条例による排水基準の上乗・横だしを認めています。
今回の香川県の条例化の検討は、まさしくこの規定によるもので、『県内にうどん店が約1,100店もある本場、香川県で、ゆで汁の大量排水が問題化。「名産品で環境汚染」という事態にもなりかねない状態だ。このため、イメージダウンを避けたい同県では独自の条例制定を検討。大学と連携した排水処理装置の研究・開発にも乗り出している。(5月1日産経新聞)』との経緯となった模様です。
検討される条例では、排水の汚濁基準や浄化槽導入の義務化などの対策のほか、罰則規定も盛り込まれる予定となっており、平成20年度の施行を目指しているそうです。
【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【行政情報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【ISO14001】
◆「環境法令管理室」に「4月23日から4月29日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2007.4.29
◆「環境法令管理室」に「4月23日から4月29日までに発表された改正予定法令一覧」をアップしました/2007.4.29

讃岐うどんで名高い香川県で、うどんのゆで汁に関する排水基準を定める条例制定の動きがあるとのニュースがありました。報道(5月1日産経新聞)によると、同県のうどんの生産量は、昭和55年度は約1万7,000トンでしたが、「讃岐うどんブーム」にわいた平成15年度は約6万7,000トンと4倍近くまで増加。17年度も約6万1,600トンに上った、とのことです。
水質汚濁防止法は、『工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する汚水を規制すること、生活排水対策の実施を推進することにより、公共用水域及び地下水の水質汚濁の防止を図り、国民の健康を保護するとともに生活環境の保全を図ること』を目的として制定されました。規制対象は、『特定施設があり公共用水域に水を排出する事業場、有害物質を製造・使用・処理する特定施設から汚水を地下に浸透させる事業場、貯油施設を設置する事業場から事故などにより油を含んだ水を排出する事業場』とされ、具体的な基準は、排水基準を定める省令によって定められています。
うどんのゆで汁は、一見、問題なさそうな感じがしますが、同省令別表第2に掲げられた『生物化学的酸素要求量(単位:1リットルにつきミリグラム):160(日間平均120)』基準が問題となります。香川県の調査では、うどん店の排水におけるは生物化学的酸素要求量は、平均で1リットルあたり1,000ミリグラム、と明らかに排水基準を大きく上回っています。しかし、この排水基準は、『1日当たりの平均的な排出水の量が50立方メートル以上である工場又は事業場に係る排出水について適用する(排水基準を定める省令別表第2備考2)』とされていることから、香川県内のほとんどの小規模店については、水質汚濁防止法上は適用除外とされています。
一方、水質汚濁防止法は、『都道府県は、当該都道府県の区域に属する公共用水域のうちに、その自然的、社会的条件から判断して、第一項の排水基準によつては人の健康を保護し、又は生活環境を保全することが十分でないと認められる区域があるときは、その区域に排出される排出水の汚染状態について、政令で定める基準に従い、条例で、同項の排水基準にかえて適用すべき同項の排水基準で定める許容限度よりきびしい許容限度を定める排水基準を定めることができる』として、条例による排水基準の上乗・横だしを認めています。
今回の香川県の条例化の検討は、まさしくこの規定によるもので、『県内にうどん店が約1,100店もある本場、香川県で、ゆで汁の大量排水が問題化。「名産品で環境汚染」という事態にもなりかねない状態だ。このため、イメージダウンを避けたい同県では独自の条例制定を検討。大学と連携した排水処理装置の研究・開発にも乗り出している。(5月1日産経新聞)』との経緯となった模様です。
検討される条例では、排水の汚濁基準や浄化槽導入の義務化などの対策のほか、罰則規定も盛り込まれる予定となっており、平成20年度の施行を目指しているそうです。
【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【行政情報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【ISO14001】
◆「環境法令管理室」に「4月23日から4月29日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2007.4.29
◆「環境法令管理室」に「4月23日から4月29日までに発表された改正予定法令一覧」をアップしました/2007.4.29
でも裏でそんな問題があったなんて(Θ_Θ)
食べ物も考えて食べないといけませんね☆彡