夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

結婚しようよ

2008年03月10日 | か行の映画
Story
香取家の主人・卓(三宅裕司)は、不動産会社に勤める平凡なサラリーマン。専業主婦の妻・幸子(真野響子)、大学生の長女・詩織(藤澤恵麻)、バンド活動に情熱をそそぐ次女・歌織(AYAKO)の一家4人で、卓の決めた「晩ご飯は必ず全員揃って食べる」というルールを守って暮らしてきた。だが詩織は想いを寄せる苦労人の青年と会うため、歌織は波に乗り始めたバンド活動のため、揃わない日が増えていく。家族との時間が何より幸福だった卓は、すっかり意気消沈してしまい…。(goo映画より)
2008年/日本/佐々部清監督作品





評価 ★★★☆☆

吉田拓郎の熱烈なファン・佐々部清監督が描くホームドラマ!

前作の「夕凪の街・桜の国」を期待してこの映画を観に来た方は、ちょっと面食らってしまうかもしれません。今作は前作とは一味も二味も違って、軽いタッチで楽しめる作品に仕上がっています。

三宅裕司が、フォークソングの夢を捨てて、家族のためにがんばる、ごく平凡なサラリーマンを好演しています。彼のほんわかとした演技は、観ているだけで和みますね。その他には、父親の夢を受けついで音楽の道を目指す、次女・歌織役のAYAKO(中ノ森BAND)がいい味出していました。さすがミュージシャンだけあって、彼女の歌は抜群に上手かったし、演技の方も、一家のムードメーカーといった役柄を好演していて、とても良かったです。

父親の卓が決めた「晩ご飯は必ず家族全員で揃って食べる」というルールは面白いと思いました。妻や娘たちが今時珍しいくらい従順で、父親の決めたルールを大切に守って暮らしているのも、なんだか新鮮で好感が持てましたね。また、食卓を飾る料理がどれも美味しそうで、キムチ鍋とか、おでん、湯豆腐などが登場しますが、家族皆で鍋を囲む、仲の良い幸せな家族像が伝わってきました。

ただ、『団塊の世代』の父親といえば、会社のために人一倍働いてきたというイメージがあるので、晩ご飯までに帰宅できるというのは、ちょっとリアリティがないというか、説得力がなかったですね。私の父親もそうでしたが、普通は毎晩、午前様ですよ。。私が子供の頃は、家族揃って毎晩、夕食を囲むというのはなかなか無かったですね。まぁ、映画なのでその辺りは突っ込んでもしょうがないですが・・・。。

また、音楽の夢をがんばっていた卓の若い頃の回想シーンがありますが、このシーンがあまりにもさらっと描きすぎているために、現在の卓の、夢を犠牲にしてがんばっている、無念さ切なさみたいなものが伝わってこなかったです。もう少し、当時の若者文化などを含めて、この回想シーンをじっくりと描いてほしかったように思います。この映画で、吉田拓郎のヒットナンバーが聴けるのは楽しいですが、どうせなら、主人公に拓郎への熱い想いを語ってほしかったなぁ。

全体的に物足りなさはあるものの、家族の絆や、今では忘れられた父親の威厳などが、この映画では上手く描かれていて、ホームドラマとしてはなかなか楽しめる作品です。


映画『結婚しようよ』公式サイト


(「結婚しようよ」2008年2月 長野 長野ロキシーにて鑑賞)

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4 コメント

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Unknown (5011)
2008-03-11 23:21:16
ご無沙汰です。

実にツッコミどころは沢山ありましたよね。
いくら何でも初対面の青年を夕食には招かないだろうとか、次女の初ステージを見にいってるのに結婚式まで自分のギターに気付かないとか、数えてたらキリがないって感じでしたけど、観ててなぜか嫌にならなかったんですよね。
年のせいかもしれないですけど、観てて心地よかったんですよ。
真正面から照れずに「ベタ」なことをやるってのが佐々部監督の持ち味だと勝手に解釈してます。(笑)

TBさせていただきました~。
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お久しぶりです (nyanco)
2008-03-15 17:43:14
5011さん、こんばんは!
こちらこそ、ご無沙汰しています。
お返事遅くなりましたが、TBとコメントありがとうございました。

本当にツッコミどころ満載の映画でしたね。
でも、佐々部監督の持ち味なのか、私も不思議と気にならず、「ベタ」なところがかえって心地よい映画でした♪(^^)
役者たちが皆好演していましたよね!
ラストの結婚式のシーンで、卓が拓郎の歌を歌うところなんかは、なんだかジーンときて良かったです。
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こんばんは! (kira)
2008-03-19 01:43:01
ちょっと気恥ずかしいくらいの仲良し家族、
彼らの周りの善良な友人たち。
でも、ホント、トシのせいでしょうか(笑)
やっぱり最後はじ~んとして、幸せな気分で帰れました♪
知らない曲が一つもなかったことにも驚きでした!
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kiraさんへ (nyanco)
2008-03-20 14:52:09
コメントありがとうございました!
本当に、恥ずかしいくらい仲良しの家族でしたね。(^^)
でも、今の時代にかえってそれが新鮮に見えて、ほほえましい気持ちになりました。
ベタな展開が多くて、突っ込みたくなるところもあるんですが、なぜか、観終わった後は幸せな気持ちになる不思議な映画でした♪
拓郎の歌が映画の雰囲気に合っていて、良かったですよね。
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