夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー

2023年09月23日 | か行の映画
Story
そう遠くない未来。人工的な環境に適応するよう進化し続けた人類は、生物学的構造の変容を遂げ、痛みの感覚も消えた。“加速進化症候群”のアーティスト・ソール(ヴィゴ・モーテンセン)が体内に生み出す新たな臓器に、パートナーのカプリース(レア・セドゥ)がタトゥーを施し摘出するショーは、チケットが完売するほど人気を呼んでいた。しかし政府は、人類の誤った進化と暴走を監視するため“臓器登録所”を設立。特にソールには強い関心を持っていた。そんな彼のもとに、生前プラスチックを食べていたという遺体が持ち込まれる...。(Filmarksより抜粋)
2022年/カナダ・ギリシャ/ デヴィッド・クローネンバーグ監督作品





評価 ★★★☆☆

近未来、一部の人類は突然変異を起こして痛覚が麻痺した上に体内で新たな臓器を生成し始めた。その中の一人、ソール・テンサー(ヴィゴ・モーテンセン)はパートナーのカプリース(レア・セドゥ)と共同で臓器摘出パフォーマンスを行う。

”内臓感覚”というのがクローネンバーグを語る時のキーワードとしてよく使われますが、今回は”感覚”どころか臓器摘出シーンが見せ場になっているのでグロテスク度はかなり高い。
文明は崩壊状態にあるのか、人々は廃墟のような建物に住んでいる一方で、一部の技術が突出して発達しているような世界が舞台です。
有機的デザインのガジェットが色々出てくるのがファンには嬉しく、臓器が天井からぶら下がってるみたいな医療用「オーキッドベッド」、人体骨格モデルのような外観で食事を介助する「ブレックファースターチェア」などが描写されましたが、自動外科手術マシーン「サーク」のデザインが秀逸です。

ソールとカプリースのアーティストコミュニティーを中心に、新しい臓器を管理する臓器登録所の職員やら、臓器犯罪を取り締まるニューバイスユニットの捜査官やら、産業廃棄物を食糧として消化できるように進化した反政府組織やらが絡んできて、話が錯綜。私は途中から理解するのを放棄してしまいました。
反政府組織が作った廃棄物再生食糧を食べて恍惚となるソールは、新しい人類が台頭する暗示と共に、現代へのクローネンバーグ的回答なのかもしれませんが、そんなことはどうあれ、独特の映像世界と不穏な感じを煽る音楽に浸れてクローネンバーグワールドを満喫できたのはよかった。

クローネンバーグは「ヒストリー・オブ・バイオレンス」以降、サスペンス調の作品が続いていたのですが、最新作は「ヴィデオドローム」のタッチに近く、原点回帰というか80歳にして全然変わってないのに感心しました。




映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』公式サイト


(「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」2023年8月 立川シネマシティ にて鑑賞)

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