夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人

2024年05月18日 | さ行の映画
Story
貧しいお針子の私生児として生まれたジャンヌは、類稀なる美貌と知性によって貴族の男たちを虜にし、社交界の階段を駆け上がっていく。ついにヴェルサイユ宮殿に足を踏み入れた彼女は、時の国王ルイ15世と対面し、瞬く間に恋に落ちる。国王の公式の愛人、公妾となったジャンヌだったが、王太子妃のマリー・アントワネットが嫁いできたことで、彼女の立場は弱まってしまう。(MOVIE WALKER PRESSより)
2023年/フランス/マイウェン監督作品




評価 ★★★★

ベルサイユのばらでも有名なデュ・バリー夫人の物語ですが、ベルばらでは私利私欲のために狡猾で下品なキャラクターとして描かれていたのに対して、この映画では知的で上品でとても感じの良い女性として描かれていました。
子どもの頃から本を読むのが好きな女性だったんですね。貴族の家庭教師をしたりと、平民の出身でありながら、その度胸と頭の良さで最終的にはルイ15世の愛人まで昇り詰めていって、私が想像していた女性とは全然違いました。

それにしても、この当時のフランスでは貧しい女性が一人で生きていくために、地位と富のある男性の公妾、つまり愛人になることが一種の職業として許されていた時代だったのには驚きでした。
華やかなブルボン王朝らしいとても寛容な制度というか、平民の女性でも頑張れば貴族のような優雅な生活が手に入る時代だったのですね。

ただ、そんなジャンヌ(デュ・バリー夫人)を貴族の女性たちは面白く思っていなくて、特にルイ15世の未婚の娘たちはジャンヌに度重なる嫌がらせをします。マリー・アントワネットが嫁いできてからは、娘たちは彼女も味方につけて、社交界でジャンヌに声をかけない、完全に無視を決め込むんですね。最終的には、アントワネットはルイ15世に怒られて、ベルばらでも有名なあのシーン、ジャンヌに一言だけ声をかけることになりますが、女性同士の大勢になると嫌な感じがこの映画でも丁寧に描かれていました。

この映画の監督でもあるマイウェンがヒロインのデュ・バリー夫人を演じていますが、お世辞にも美人とは言い難くて、、ルイ15世を一目惚れさせるような美貌の持ち主なら、例えば、アン・ハサウェイとかキーラ・ナイトレイのような華のある美人女優を起用していたら‥もっとこの映画に入り込めたような気がします。
一方でルイ15世を演じたジョニー・デップはいつもの個性的な役柄とはひと味違って、穏やかで優しく威厳のある国王を好演していて、意外にも適役でした。物語が面白かっただけに、主演のヒロインにいまひとつ共感出来なかったのが残念でしたね。






評価 ★★★☆☆

主な感想はnyancoが書いてるので私は簡単に。
実際にヴェルサイユ宮殿でロケしたらしく、その壮麗さが素晴らしかったです。
例えばソフィア・コッポラが撮った「マリー・アントワネット」の時はさして印象に残らなかったのですが、やはりフランス人が製作すると映像の厚みというか重厚さの度合いが違いますね。リアルすぎる女優陣の顔立ちよりも目を奪われてしまいました。

wanco的に印象に残っているのは、ファーストシーンで丘の斜面に近づいていくと娘時代のジャンヌ(デュ・バリー夫人)が画家にデッサンされている場面になり、ラストシーンでもこの風景が繰り返されるのですが、斜面に佇むジャンヌが宮廷での彼女の不安定な立ち位置を象徴しているようでした。



映画『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』公式サイト


(「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」2024年 2月 kino cinéma立川髙島屋S.C.館 にて鑑賞。)

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