枯れ葉

Story
フィンランドの首都ヘルシンキ。理不尽な理由で失業したアンサ（アルマ・ポウスティ）と、酒に溺れながらも工事現場で働くホラッパ（ユッシ・ヴァタネン）は、カラオケバーで出会い、互いの名前も知らないままひかれ合う。しかし不運な偶然と過酷な現実が、2人をささやかな幸福から遠ざけてしまう。（映画.comより）
2023年/フィンランド・ドイツ/アキ・カウリスマキ監督作品





評価　★★★☆☆

出てくる人は皆、無表情で無愛想で、しかし悲惨な境遇におちいってもどこか可笑しい、カウリスマキ映画です。
今回は、酒が原因でクビになったホラッパと、ホームレスへの親切が仇となって失業したアンサの出会いとすれ違いの物語。

ひとめぼれして付き合って、つまらないことで衝突して別れて、今度はお互い理解しあってまたくっつく、といったお決まりのパターンを踏襲してます。
ホラッパが事故で瀕死の重傷を負うのも、死にかけた後の再生を描いたよくある展開でした。

アンサの家のラジオから(貧乏だからテレビがない)ウクライナでの戦乱の報道が何度か流れてきますが、二人の物語を対比させてシンプルな幸せの価値を訴えているように思えました。
これからの二人の将来は決して安泰とは言えませんが、何かホッとする幕切れで、枯れ葉という題名もカウリスマキにかかるとポジティブなものに変わりますね。


映画『枯れ葉』公式サイト


（「枯れ葉」2024年1月　立川シネマシティー にて鑑賞）