夫婦でシネマ

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【ジェームズ・キャメロン特集】エイリアン2

2009年11月03日 | あ行の映画
Story
宇宙の果て。宇宙船ノストロモ号で未知の怪物との死闘を演じたリプリー(シガニー・ウィーバー)が救出されたのは、57年後だった。軌道上の宇宙ステーションで休養するリプリーだったが、そんなある日、彼女の元に企業側の人間バークがやって来る。彼によれば、エイリアンの卵を発見した惑星は現在、アチェロンと命名され、テラフォーミングと入植が進行中だ。しかし、入植者からの連絡が途絶えた。原因究明のため、再び惑星へ同行してくれないかとの依頼だった。一旦は断ったリプリーだが、繰り返しあの時の悪夢が襲って来る。これを克服するためには、再び彼の地へ戻って決着をつけるしかないと決心するのだった。
入植者の救出のために編成された宇宙海兵隊員と共に、宇宙船スラコ号でアチェロンへ向かうリプリー。隊員達は、ヒックス伍長(マイケル・ビーン)をはじめ強者揃いだが、リプリーの不安は消えない。
やがて、リプリー達が降り立ったアチェロンでは、エイリアンとの想像を絶する闘いが待っていたのだった。
1986年/アメリカ/ジェームズ・キャメロン監督作品





評価 ★★★★★

J・キャメロンの12年ぶりの新作『アバター』に期待は高まるばかり!そこで、キャメロン映画をおさらいしてみました。

1本の映画が言葉の定義を変えた!
私は1985にNYの親戚を訪ねて渡米したのですが、その時、成田空港のパスポートコントロール外国人窓口には「ALIENS」と表示されていました。そして、「エイリアン2」公開を挟んで1992年に再び渡米した時は「FOREIGN COUNTRY PEOPLE」に変わっていたのです。「ALIENS」の本来の意味は異邦人。「エイリアン2」(原題「ALIENS」)の大ヒットで「異星人」の意味が強くなったために変更したんだなと当時思った記憶があります。1本の映画が言葉の定義を変えたという訳で、これは言語学的にも興味深い事例だと考えられます。(笑)

キャラクターの面白さ
J・キャメロン映画が面白いのは、アクションはさることながら、キャラクター設定の妙だと思います。「エイリアン2」は、前作から57年後という、意表をついた設定で始まります。そのため、リプリーの一人娘がすでに亡くなっていたという状況で、これが惑星アチェロンの唯一の生存者である少女ニュートへの執念とも言える愛情になったんだなと思いました。

そして、宇宙船スラコ号での冒頭シーン。
まず、コールドスリーピングチャンバーの蓋が開くや否や、葉巻を口にくわえるアポーン軍曹。この仕草一つで彼の個性が際立ってきましたね。続いて、兵士たちの食事しながらのバカ話場面に至る描写で、ヒックス伍長やハドソン(ビル・パクストン)、バスケスなどの主要キャラの特性を印象づけて感情移入を促します。

物語の息つく間のないほどの展開
ついにアクションが始まってからは、全編クライマックスの連続とでも言うべき展開に息つく間もありませんでした。エイリアンの恐ろしさを身を以て知るリプリーに対して、「場所だけ教えな。あとは仕留めてやる。」と嘯く兵士(バスケス)。
言わんこっちゃない、最初の植民者救出ミッションで海兵隊はエイリアンにメタメタにやられてしまったのでした。緒戦で戦力の大半を失ったことが後のエイリアンへの恐怖を倍増させます。
海兵隊の強襲→エイリアンの襲撃→リプリーの逆襲→クイーンエイリアンのリベンジ というやったらやり返す式の交戦が次第にエスカレートしていく展開に目が釘付け状態です。

人間ドラマが描かれていること
エイリアン達の猛襲に重火器で応戦する海兵隊の文字通り戦争映画になっているのですが、背景に人間ドラマがしっかり描かれているのが見逃せません。クライマックスのクイーンエイリアン対リプリーは、母性の対決になっているんですね。クイーンエイリアンは、リプリーに自分が産んだ卵を焼き払われており、彼女?にとってはリプリーは憎むべき相手。片やリプリーは自分の娘を投影したニュートを守るため。シガニー・ウィーバーの凄い形相と相俟って、いわば鬼子母神どうしの最終対決になっているから最高に盛り上がる訳です。
アンドロイドのビショップ(ランス・ヘンリクセン)が非常に人間的に描かれているのも感動をあげるのに一役買っていました。

そんな感じで、書きたいことは多々ありますが、SF、アクション、人間ドラマが渾然一体となったSF映画の傑作ですね。


以下は、多少マニアックになるので興味のない方は飛ばして下さい。

軍事企業の謀略
忘れがちなのですが、リプリーが勤める多国籍企業は軍事産業部門を持っていて、これが、エイリアンを捕獲して(目的はDNAだと思いますが)新兵器の開発に利用しようと謀略をめぐらせていること。この点は1作目から描かれており、本当の敵は軍事産業ということになります。結果として、企業側から派遣されたバークの裏切りによって散々な目に遭うのです。
アチェロンへ派遣された海兵隊も最初からダメダメ部隊として編成されたようで、中尉の統率力の無さからもそれが窺えます。この中尉が最期にバスケスと自爆するシーンは感動的でした。

キャメロンはミリタリーマニアか
SFファンとして嬉しいのは、映画中に登場する兵器類がマニアックに描かれていること。
海兵隊が使用する銃器へのこだわり。スマートガンやグレネードランチャー付きM41など(ヒックス伍長は、ターミネーターでも使っていたショットガンを持ってました)。
装甲兵員輸送車の細かい芸当(狭い箇所を進む時、砲塔が自動的に移動!)。
ビショップが遠隔操作で軌道上の着陸船を起動させる感動的なシーン。
標的を自動検出して発砲するセントーリガンの描写(特別編のみ)
とどめは、クイーンエイリアンとの対決に使用したパワーローダー!これに乗ってリプリーが登場した時は、場内に爆笑と拍手がわき起こったのを今でも鮮明に覚えています。



私もこの映画には大興奮で、パート1より面白かったです。特に、シガニー・ウィーバーが少女を助けて奮闘する姿が最高に格好良かった。彼女も今ではすっかり年をとってしまいましたが、当時はとても奇麗でしたね(海兵隊員に、白雪姫がいる、と言われてました)。
評価 ★★★★★


その他のキャメロン作品はこちら!

ターミネーター

アビス

ターミネーター2

トゥルーライズ

アビス 完全版

タイタニック




(「エイリアン2」1986年 9月 wancoが山形市 にて鑑賞)

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (白くじら)
2009-11-03 12:41:57
「アバター」楽しみですねぇ。
世界観がかなり違うようなのでどんなことになるのか予想不可能な世界で楽しめそうです。

「エイリアン2」は前作とうって変わってアクション主体の作品にはなっていましたが、事態が何転もする作品に仕上がっていて、私もオススメマークを付けている作品です。
ビショップが全開の逆の立場というのもいい演出でしたね。

それにしてもあのラストの宇宙放り出しは前作と同じだったので、絶対にまだ襲い掛かってくると思っていました。

と好きな作品でしたが、3作目でこの頑張りを無にしてくれるようなプロローグが悲しすぎました。

初期のレビューですが、トラックバックさせていただきました。
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アバター、楽しみ! (wanco)
2009-11-07 01:56:57
白くじらさん、こんばんは。
コメとトラバ、ありがとうございました。

「アバター」は、最初はファンタジー風の映画かなと思い、これはどうかな?と心配していたのですが、予告編を見るにつけ、結構ハードなアクション篇らしくて期待が高まっています。

エイリアンに対する、必殺真空放り出し(笑)は「4」でも出てきましたね。唯一「3」が斬新な最期でした。
その「3」ですが、私もあまり良い印象がありません。
自分的には、エイリアンシリーズは「2」で完結にしたいです。
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