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 バイクが教えてくれたことなどを勝手に気ままにつづるブログです。
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No.1 【2輪を操るメソッド 】 (自転車の乗り方)

2012年07月01日 20時38分12秒 | 3.ライディングテクノロジー

ライディングテクノロジーを始めるにあたって、最初に自転車の乗り方を述べようと思います。


これをお読みの皆さんは、どのぐらいの練習で乗れるようになったでしょうか?。


私が初めて自転車に乗ったのは、小学校の2年生ぐらいだったでしょうか?。今から40年以上も前の事です。恐らく1970年以前ですね。当時の日本は高度成長真っただ中。貧しいけれど、みんなが汗水流して、本当に汗水流す仕事が大半だった時代。


けれども今日より明日が確実に良くなる実感を得られた時期だったと思います。それこそ失うものは何もない、戦後からまだ25年程度のことです。(3丁目の夕日をイメージ(笑))


さて、前置きが長くなってしまいましたが、私はバイクに乗り始めて、うまくなりたいと考えるうちに、バイクでやっている練習の基本要素に、自転車との共通性があり、自転車の乗り方にも使える部分があるな、と気がつきました。それは自分の子供が自転車に乗る時期が来た時に、そうやって教えようかと作戦を考えた時に編み出した方法です。


実際にそれを実践して見たところ、予想以上に簡単に乗れるようになったのです。ほとんどこけることなく、ものの5分で何とか乗れるようになり、30分もすれば、十分出かけれるようになりました。これはどちらかと言えば運動音痴な息子にもかかわらず、でしたので、その方法には我ながら満足したのです。


そして2年後、2番目の娘にもまた同じ方法で教えたのですが、こちらはさらに輪を掛けて運動は苦手な女の子。ところがこちらも同じく、ものの5分ほどで乗れるようになったのです。確か1度ぐらいしかこけていないはずです。


このように、自転車の乗り方については、独自のメソッドを見出した(大げさか(笑))なので、ここで紹介しておきたいと思います。(出来たら後でPDFで説明書を添付しようと思います・・・いつになるやら)。 小さいお子さんをお持ちのご両親には、ぜひこの方法で教えて戴きたい。ほとんど怪我する事なく、朝公園に押して行って、昼前には乗って帰って来れます。本来、自転車の説明書に添付しておけばどうだろうかと思うほどですが、それだと自転車に傷も付かず、補助輪も売れないし、買い替えも伸びるから教えない、、というわけではないでしょうけど。


さておまちかね、その方法とは!


あまりに簡単で怒られそうですが、それは【真っすぐ走らせず、円を走らせる】ということです。


理由は2つ
(1)「真っすぐ走る」ということは特異現象であって、2輪は「絶えず曲がって走る」乗り物なのです。直進はカーブの曲率が無限大というたった一つの現象なのです。


(2)私たちはついつい、真っすぐ走るように教えようとします。どこに真っすぐ走れる公園が有るでしょうか、追い駆ける親も大変です。ですから、最初から円を走らせます。ただそれだけ(でも奥は深いんですよ)。


それでは以下に、やり方を説明しましょう。


お父さん、お母さんへ、
初めての自転車を買ったら、補助輪は要りません。まず、サドルを調整して両足のかかとが半分浮くぐらいに調整します。余り低いとペダルにうまく力が入りません。基本両足のつま先がつけば十分です。自転車の用意が出来たら、天気の良い日に近所の、ちょっと人の少ない時間帯を選んで公園に出かけましょう。


①場所の準備
半径3~4メートルの円が描ける広さを確保します。4~6歳児ぐらいの小さい自転車でしたら、半径2mぐらいでも良いでしょう。簡単に目印になるように、棒か何かで円を書きます。


②基本の座学
乗りたい気持ちを抑えて、自転車の特性を見せてあげます。サドルか、荷台を持って自転車を片手で押します。そして左に傾けると左に、右に傾けると右にハンドルが切れることを見せます。いわゆる手放し運転での挙動です。このように、2輪車はハンドルを切るのではなく、基本は車体を傾けて、ハンドルを 【切らせて】 曲がるのだというイメージを見せてあげます。これはとても大事です。「そうか、曲がりたい方に傾けるんだな」そして、「ハンドルには力を入れず、切れた方に添えてやればいいんだな」というイメージを抱かせてあげます。これはバイクも同じでなんです。


③ペダルの漕ぎ方
初心者は、ペダルの漕ぎ方でハンドルを大きく揺らしてしまいます。ですから、ハンドルに力を入れず、交互に踏み込むことを教えます。これは次の乗り方で実践します。


④乗り方
はい、もうここからは実際に乗り出します。ブレーキやら、いろいろ細かいことは後で良いです。ドキドキの初心者には細かいことは頭に入りません。

②と③だけとりあえずイメージ出来れば良いのです。教える子供の利き足が右なら左旋回、左利きなら右旋回から始めます。これは倒れこんだ時に利き足でペダルをこぐことで自転車が起き上がることで転倒回避につながるからですし、得意な方で先に練習します。


補助する人は、円の内側からサドルと最初はハンドルを支えます。そしてせいの、でペダルを漕がせて、車速が乗るまではしっかりサドルを握って補助し、ただしハンドル側は軽く添えておくようにして、ライダーに任せます。スピードが出過ぎないように適度な速度で漕がせます。ガイドラインとして引いた円のラインを目安に、大体で構わないので丸い円を描いて走らせます。こうすることで、補助する側も楽に自転車に付いて回れます。


うまく円を漕がせつつ、ハンドルから力を抜かせ、サドルをつかんだ手で自転車を内側に引っ張り、ハンドルが内側に切れることを教えます。手放しで走らせたイメージを理解させるのです。そしてハンドルを補助していた手を緩め、ライダー自身がうまく円をなぞらせている感じがでてきたら、補助で支えていた手をハンドルから離します。サドルはもうしばらく離さず補助し、手放し運転の要領で、自転車が円を描くように補助します。その補助が無くともライダーが自立して走れるように安定して来たら、手を離し、円の中心で自転車を見ながらいつでも補助出来るように見ておきます。


この円を走らせながら補助している手を加減して、内側に倒れかかると、「ペダルを漕いで」と声を掛け、自転車を立ち上がらせることを体感させます。こうして自立して倒れないことを実感させながらぐるぐる回ります。そして漕ぎ方と曲がり方がつかめたところで、もう一度サドルを握って、ブレーキを掛けて止めます。子供にブレーキを握らせると、そこでスリップダウンしてブレーキ恐怖症にならないように、介助者が捕まえて停めた方が安心です。


次に反対回りを同様に行います。こちらは利き足ではないので、ちょっと難しくなります。スピードを少し控えめにして練習します。


これでもうメソッドは終了です。真っすぐ走ることはもう出来ています。あとは、大事な仕上げ、それはブレーキのかけ方、これをしっかり覚えます。


先ほどと同じ利き足側の旋回をし、止まらないようにしながら、左手、後輪のブレーキを掛けます。強さはじわっと握って、その感触を覚えます。自転車が止まらないように速度を落とすだけです。意外と利かない、車両が姿勢変化しないということを体感します。足をつかないように回り続けながら加減を覚えます。次は右手、前ブレーキを掛けます。すると結構急に利くこと、握ると自転車が起き上がろうとする、あるいはロックして倒れこむ、ということを覚えます。最初と同じくブレーキの練習はサドルを補助して、転倒しないようにしてあげます。こうしてブレーキは速度を調節することと、止まることに使うのだときちんと教えます。最初にこれをいい加減にすると、足を出して止まろうとします。足を出しても止まれないのです。きっちりブレーキを掛けられるようにブレーキの「加減」を覚えます。


これでひとまず乗れるんですが、、、けれどもここでもう一つ、上級の練習をすれば完璧です。それは同じような大きさの円をつなげて、8の字を作ります。そしてお子さんに右旋回から左旋回への切り替えを教えます。これで大事な【切り返し】を覚えます。これを習得すれば自在に曲がれるようになります。直進を教える必要は有りません。もう、行きたい方向に自転車を操れるようになっているはずです。


どうですか、簡単だったでしょう。膝をすりむいて、自転車を傷だらけにして練習する必要は有りません。だれでもこれで乗れるようになります。親も息切れせずに、なんとかついて行けるでしょう(笑)


どうでしょうか、ここまで30分位ではないでしょうか?。最後に直進で急ブレーキを掛ける練習をします。最初にリアブレーキを掛けて、すかさず前ブレーキをロックしない限度で握ります。そして短く止まれるようになったら、(ここで、急ブレーキが怖さを感じないようにスピードは控えめで良いです。)訓練は終わりです。お疲れさまでした!。


PS)自転車を練習した遠い昔、兄が小3の時、自転車を買ってもらったけれど、私はそれがうらやましくてしかがありません。兄は既に友達から借りて、乗れるようになっていたので自分はその自転車で練習すると、直ぐに倒してしまいひどく怒られる。母親がなだめていっしょに練習してくれるのだけれど、どうにも乗れない。そこで補助輪を付けてもらえることになりました。しかし今度は兄が納得しない。そりゃそうです、補助輪のついた自転車ではまともに走れませんからね。


そういうわけで、しばらく補助輪つけてペダルの漕ぎ方だけ習得すると、直ぐに補助輪は外されてしまいました。記憶にはないけれど、いつの間にか乗れるようになっていました。しかし数限りなく転倒し、自転車が傷だらけになったことは良く覚えています。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
自転車の乗り方にもメソッドがあったとは驚きましたw (ユーヒチ)
2012-07-02 15:33:58
自転車の乗り方にもメソッドがあったとは驚きましたw
教えるような機会があれば是非実践してみたいですね!
僕も幼い頃は何度もコケて乗れるようになりました。

20歳を超えたころ、バイクのコーナリングフォームを見直す時に
自転車で練習をしてました。
8の字ではなくハングオンの練習をして何度も
フロントから何度もスリップダウンしたのはいい思い出ですw

30を超えてセルフステアを実感しようと思い、また自転車で練習しました。なんだかんだで一番良い教材になってますw
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>ユーヒチさん (河童ライダー)
2012-07-02 21:28:05
>ユーヒチさん

コメントありがとうございます。
乗れるようになってしまうと、何が難しかったか忘れてしまうのですが、最初の乗れない子供は、ハンドルで曲がろうとするんですよね。

親戚とか、近所の子供とか、もし苦労している乗れない子供が居たら、実践してみてください、ヒーローになれること間違いなしですよ(笑)。

バイクはこれと違うステージが有るのでまたご紹介したいと思います。
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