「SONY」と云うブランドは世界のTOPブランドであり戦後の日本経済発展期には正に「技術のSONY」として世界に知れ渡り日本人の誇れる一つでしたが、その「SONY」が絶不調です!H25期第1四半期の連結決算は2595億円の純損失で、赤字は3期連続という酷いものでした。
私は大学卒業後日立製作所本社の家電事業本部にてオーディオのカセットデッキを担当していましたからSONYは正にライバルでしたが何処から見ても偉大であり優れた企業でした。特に「ウォークマン」の発表とその後の売上は驚異的で程々感心したものです。その後もカラーTVのトリニトロン、ベータ方式ビデオカセットと次々に卓越した技術を発表したのですが、余りの独自性で特許使用料を高く取ろうとして返って孤立し他社へ普及させる事に失敗しました。いずれも安い使用料で先ず国内を統一し、その後世界標準として売り込む戦略だったなら今日の凋落は無かったと思います。
そして多分これらの失敗からSONYは革新する事への恐れを抱いたのでしょう。その後のSONYはこれまでの技術を磨く事に注力し、あの「ウォークマンの奇跡」を忘れてしまいました。
そこに眼を付けたのがあのMACの生みの親の天才スティーブジョブス氏でした。彼は迷走するアップル社に出戻ると、先ずSONYの「ウォークマン」の完全電子版とも云える「i-POD」を開発しあっという間に「ウォークマン」市場を席巻しました。そしてその戦略の2番手に携帯電話の次世代モデルと云える「i-Phone」を発表し世界の度肝を抜きました。そして仕上げは次世代PCを予感させ今や企業端末はマイクロソフト社のWindowsの独占と思われた市場に風穴を開けたモバイル端末「i-PAD」でした。
今やアップル社は一度は買収されたマイクロソフト社を追い抜いて時価総額6000億ドル超の世界一の称号がついたのですが、実はこの成功ストーリーは本来SONYの戦略の筈でした!
それでは何故強大で他社の追従を許さなかった技術のSONYがこの簡単なストーリーを実行出来なかったのでしょうか?
その原因にSONYだけではない日本の多くの大企業がはまっている意思決定の老旧化現象があります!
今の日本は政治も行政も経済界も1980年代の誰もが成功した「JAPAN as NO1」時代の功績を自分の力と過信している60歳世代のTOPが抑えていて若い世代の斬新な感覚の製品開発が阻害されています。特にベンチャー企業への投資/融資のチャンスは殆どありません。
その体質の根源には日本経団連が仕組んだ2005年改正の「不正競争防止法」および2006年4月施行の「公益通報者保護法」に仕組んだ上場企業のコンプライアンス規定があります。これは上場企業と取引する相手企業に規模や年商等を制限した内容を持つもので、それまでは実力あれば比較的自由に取引OKの構えがベンチャーは原則取引せずの原則に変化し、今日の欧米や韓国にも遅れをとる原因になりました。
日本のベンチャーキャピタルや銀行の投融資は殆どひも付きのしがらみ案件で純粋な技術だけで勝負する事は不可能に近いのです。
その結果、今日の日本は先端技術を開発した多くのベンチャー企業を潰すのが当然の体質に成り下がったのです
「SONYの凋落」は実は「先進技術へのリスクを重んじ冒険しない体質」という日本の大企業が抱える共通の現象であり、政府も行政も更に大学までも改革しないと日本は沈み続けるでしょう!
私は何故か今日の日本の凋落が太平洋戦争で情報戦で負けたストーリーと酷似していると思えてなりません!
私は大学卒業後日立製作所本社の家電事業本部にてオーディオのカセットデッキを担当していましたからSONYは正にライバルでしたが何処から見ても偉大であり優れた企業でした。特に「ウォークマン」の発表とその後の売上は驚異的で程々感心したものです。その後もカラーTVのトリニトロン、ベータ方式ビデオカセットと次々に卓越した技術を発表したのですが、余りの独自性で特許使用料を高く取ろうとして返って孤立し他社へ普及させる事に失敗しました。いずれも安い使用料で先ず国内を統一し、その後世界標準として売り込む戦略だったなら今日の凋落は無かったと思います。
そして多分これらの失敗からSONYは革新する事への恐れを抱いたのでしょう。その後のSONYはこれまでの技術を磨く事に注力し、あの「ウォークマンの奇跡」を忘れてしまいました。
そこに眼を付けたのがあのMACの生みの親の天才スティーブジョブス氏でした。彼は迷走するアップル社に出戻ると、先ずSONYの「ウォークマン」の完全電子版とも云える「i-POD」を開発しあっという間に「ウォークマン」市場を席巻しました。そしてその戦略の2番手に携帯電話の次世代モデルと云える「i-Phone」を発表し世界の度肝を抜きました。そして仕上げは次世代PCを予感させ今や企業端末はマイクロソフト社のWindowsの独占と思われた市場に風穴を開けたモバイル端末「i-PAD」でした。
今やアップル社は一度は買収されたマイクロソフト社を追い抜いて時価総額6000億ドル超の世界一の称号がついたのですが、実はこの成功ストーリーは本来SONYの戦略の筈でした!
それでは何故強大で他社の追従を許さなかった技術のSONYがこの簡単なストーリーを実行出来なかったのでしょうか?
その原因にSONYだけではない日本の多くの大企業がはまっている意思決定の老旧化現象があります!
今の日本は政治も行政も経済界も1980年代の誰もが成功した「JAPAN as NO1」時代の功績を自分の力と過信している60歳世代のTOPが抑えていて若い世代の斬新な感覚の製品開発が阻害されています。特にベンチャー企業への投資/融資のチャンスは殆どありません。
その体質の根源には日本経団連が仕組んだ2005年改正の「不正競争防止法」および2006年4月施行の「公益通報者保護法」に仕組んだ上場企業のコンプライアンス規定があります。これは上場企業と取引する相手企業に規模や年商等を制限した内容を持つもので、それまでは実力あれば比較的自由に取引OKの構えがベンチャーは原則取引せずの原則に変化し、今日の欧米や韓国にも遅れをとる原因になりました。
日本のベンチャーキャピタルや銀行の投融資は殆どひも付きのしがらみ案件で純粋な技術だけで勝負する事は不可能に近いのです。
その結果、今日の日本は先端技術を開発した多くのベンチャー企業を潰すのが当然の体質に成り下がったのです
「SONYの凋落」は実は「先進技術へのリスクを重んじ冒険しない体質」という日本の大企業が抱える共通の現象であり、政府も行政も更に大学までも改革しないと日本は沈み続けるでしょう!
私は何故か今日の日本の凋落が太平洋戦争で情報戦で負けたストーリーと酷似していると思えてなりません!
yahooコメントから貴ブログのリンクを通じて拝見させて頂きました。
現場は正に貴方の仰る通りの状況に陥っております。
40歳以下の若手世代と、45歳以上の世代で一つの差が生まれている状況です。
40歳以下の世代は採用数も少なく、部下無しの中堅社員が多数おります。部下無しという事は雑用を彼らがこなすことになります。私の周りでも30代後半の働き盛りに雑用に追われている人間が多数おります。
それに貴ブログでも記載されている2005年と06年の両法で、社内書類が爆発的に増え、間接部門が発言権を持ち、営業や工場といった現場と本社は益々離れていっております。
50代以上の役員に彼らに新しい事業を提示してもまったく理解されません、また、会社もリスクを恐れる余り、開発希望の資料には役所の如く確認印が並び、部署を通過する毎にリスクや製品のとがった部分がそぎ落とされていき、つまらない既存のスペック延長品ばかりが開発ベースに並びます。(彼らはイノベーションを説明できないので、既存の何%性能増といった言葉を好みます)
また、製造現場も疲弊しております。
経営者は海外移転をどんどん進めていますが、結局はそれは国内の縮小を意味します。自分たちの将来の食い扶持を減らす海外移転事業を担当している工場の職員は、「自分たちを将来リストラする事業をやっているのか」と、悲壮感漂う悲鳴をあげています。
私を含め彼らと酒を酌み交わすたびに出る言葉は
「50代の役員は後10年食えればいいから海外に出ればいいんだろうが、俺達はあと30年食っていかないといけない。海外移転は将来絶対自分たちの首を絞める」
と。常に後ろ向きの会話をするばかりです・・・。
7153