先週金曜、ある小学校(2年生)でお絵描きイベントを行った。
母親が日本の小学校で教師として働いているので、その学校と交流を持とうという計画だった。お絵描きイベントは、「あなたにとって大切ものはなにか」というテーマで生徒に絵を描いてもらい、日本タンザニア双方の絵を比較して、子供達に色々と考えてもらおう、というもの。
絵を描いてもらうだけではなく、写真などで紹介し合い、なぜその子が
大切なものにそれを選んだのか、その社会背景を知ってもらうというのも目的の一つだった。
率直にいうと、タンザニアでの今回のイベントは正直難しかった。
イベントの際、まず私がスワヒリ語で分かりやすく説明し、さらにそれを生徒がきちんと理解できるよう、再度小学校の先生に説明して貰い、先生と私で進めたのだがなかなか生徒には伝わらず、絵を「一つだけかいてね」といったにも関わらず、家、花、ボールのように何種類もかいたり、(というのも、先生が「例」として掲示したものをそのまま生徒たちが真似し始めた。)
その後もう一度描かせて、一つだけねと何度も私たちで説明したが、一向に伝わらず、結局皆だいたい同じ絵に。)
「なんで家を描いたの?」という問いに、「理由はない」が返ってくるだけ。
正直困惑してしまった。まさかこんな結果になろうとは。
タンザニアでイベントをやる前に、母親から日本の子供達が描いた絵を送ってもらった。
小学2年生が描いた絵だとは思えないほど、迫力満点で思い思いにみんな描いており、感想もしっかり書いてあった。
日本のと比べちゃならないけど、タンザニアの高学年でイベントすればか良かったかな。
でもそれじゃ意味ないか。。
うーん、こういう結果になるのも仕方ないのかな。
今回感じたことは、ここタンザニアでは
「自分で考えてその考えを何かに表現する力」を育てる教育(情操教育)が、まだまだ発達段階なんだなということ。
勿論、都市でやったり場所を変えれば違う結果になったのかもしれないけれど。
それにはいろいろな教育の問題がある。
例えば、教師について。
タンザニアでは教師不足が大の問題です。
今回の小学校2年生は全部で200名程度、それに対し先生は2人のみ。
先生の教育レベルも問題。
今回もびっくりしたのが、「~さんの絵はとてもきれいなのになんであなたはそんなに下手なの」
と生徒を何度も叱って指導していたこと。「うまくできたね!」「素敵ね!」とか褒めの言葉は一切ない。
先生に「きれいに絵を描く」が今回の目的ではないと何度も説明したんだけどな。
これじゃ子供の感受性伸びないし、生徒も二度とお絵描きしたくなくなっちゃうよ。
勿論、物質的な問題も。
長机に生徒が4,5人。机が足りないと生徒は床で勉強する。
プレハブなので、日中はものすごく暑くなる。
雨季に入り大雨が降ると雨がプレハブに響き、先生の声がかき消されまったく聞こえない!
要は授業になりません。生徒自身もノートを買えない子、えんぴつもちーいちゃく使っている。
本当に、勉強する環境が日本のように整ってない。
このように教育だけをとっても様々な問題が次々と出てくるのがタンザニアの現状。
改めて日本の子供たちが描いた絵と比較した時に、なんで同じ2年生なのにこんなにも差が出るんだろう(絵の質だけではなく)、と教育の差を思い知らされ、すぐには変わらないであろうタンザニアの教育について考えると正直ショックだったけれど、(勿論、日本の教育についても考えるきっかけになったけど)、このお絵描き交流を通して、日本のみんなに少しでもタンザニアのことを知ってもらえたらなと思った。
ところで、週末近所の子供達に同様のお絵描きをしてもらおうと思い、
近所の高校生に手伝ってもらって一緒にやってみた。
・・・のは良かったが、町の小学校より近所の方が大変だった。。
というのも、10名ほど家に来た子供達のうち、半数が学校に通ってないという状況だった。
通っていない子のうち11歳の女の子には同じ質問を何度も高校生に繰り返してもらったけど、
結局理解してもらえず、絵も好きなものを3つ描いていた。
この状況何とかしないと。どうみても学校に通ってない子たちは
生活レベルが厳しそうで、服も汚れ、体もきちんと洗ってないので臭う。
(洗うという教育を母親ないし父親から教育されていない。そもそも義理母父と住んでいるケースが非常に多く、その場合、きちんとした教育が生き届いていない)
学校に通いたいけど様々な理由で通えない子たち。
そういう子たちに何かを教えてあげるとか、そういう活動をした方が良いんじゃなかろうか。
私なんかが数学とか教える立場じゃないけど、週末寺子屋みたいな感じて子供達が勉強したいこと、算数なら簡単な計算とか、何かそういうことしてみよう。とりあえず今週末から始める予定である。本当に生活の基礎となるようなこととか、健康の話、トイレ終わったら手を洗おうとかでもいいし、そういうのを冗談混ぜながら話していきたいな。
とまぁ、イベントは一応終わったけれども、日本の子供達がTZの絵や写真をみて
沢山のことを考えてくれるといいな、嬉しいなと思いました。
長くなりましたが、今日はこの辺で。