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後だしじゃんけん日記

古い革袋に新しい酒?

「いのちのバトンタッチ」ー映画”おくりびと”に寄せて 講演会 青木新門先生

2011年11月20日 | 観た&聴いた

11月18日 応現院(真如苑の寺院)で 青木新門先生の講演会がありました。

映画「おくりびと」の元となった「納棺夫日記」の作者。

お話は、ある日1本の電話が入り、本木雅弘と名乗った人が

「納棺夫日記」の中の一文を使わせて欲しい頼んできた処から始まりました。

それは彼がインド・ベナレスに行って撮影した写真集の1枚に是非付けたいということでした。

アイドルの写真集に使える一文では無いのに、とあやしみながらも見ると

上半身裸の彼がインダス河にろうそくを灯した菩提樹の葉を流そうとしている一枚でした。

実は彼が「納棺夫の日記」を映画化したいと熱願しているのを知ったのでした。

紆余曲折の末、かなり経って映画化されることになりましたが、青木さんには強いこだわりがあったのです。

それは青木さん(先生とお呼びするにためらいがあります)の満州での幼年期まで遡ります。

惨憺たる8歳の思い出。引き揚げてからの生活。学生時代は安保の頃。早稲田を中退してから納棺夫に

なるまでの経緯。それを息を継ぐのも惜しむようにお話なさいました。

こんなに机上の水をクイクイ飲むかた初めて観ました。

映画とのつながり、モックン(本木雅弘)の人柄・人間力、アメリカの著名な写真家との接点、

とてもとても書き切れません。    canonja.blog95.fc2.com/blog-entry-174.html

                        このブログに詳しく出ています「青木新門講演ーじゃいこの駄文でごめん」

結局、タイトルと原作者名は使わない事という条件を付けたそうです。

   さて沢山の死者と出会い、その家族と接し青木さんは 生と死 に最も近くで

   体験されたことから、導かれた 深い言葉 をうかがいました。

   いのちのバトンタッチ   に繋がっていくのでした。

終わって本の販売とサイン会がありました。・・・・・長蛇の列・・・・私のズーット前で売れ切れ

 


ボクらの時代  谷川俊太郎・宮藤官九郎・箭内道彦

2011年11月14日 | 観た&聴いた

この異種組み合わせの意外性・・・・オヤオヤと怪しみながら観ました。

ところが、中身 濃かった。

滅多にない谷川俊太郎のこうした番組への登場。

3回の結婚・離婚は一夫一婦制へのこだわりがあったから。佐野洋子の話もでたよ。

宮藤と箭内は東北出身で、3.11の東北大震災への想いと姿勢を語り、

谷川もあれ以来の心の有り樣を語った。

更に子供時代いかに母親に愛されたかを語った。

宮藤は子供の発言から導かれる創作の展開に気づき、箭内は結婚観を話すことに・・・・

共通したのは、震災で受けた衝撃で自分が変わってきたこと。

      それがどんな形で見られるのか?3人ともとても素直に語り合ったのでした。


ステキな金縛り 映画

2011年11月11日 | 観た&聴いた

ステキな金縛り[予告]

脚本・監督 三谷幸喜

出演 西田敏行・中井貴一・阿部寛・KAN・浅野忠信・山本亘・山本耕史・草薙剛

    市村正親・浅野和之・唐沢寿明・佐藤浩市・小日向文世

    深津絵里・戸田恵子・竹内結子・篠原涼子・深田恭子

綺羅星のごとく、スタークラスの俳優が出演しております。

なんだなんだ・・・・この大盤振る舞いは生誕50年のお祝い

なかにはメークが濃くて正体の判らないままの人もありました。

傑作  大傑作   三谷作品を全部観ているわけではありませんが、いやぁ面白い×3乗。

面倒なので登場人物は俳優名にて・・・・シツレイ!

ドジな女弁護士 深津絵里 は、高名な今は亡き弁護士 草薙 の娘ながら、不祥の娘。

事務所長の阿部寛から後がないよと言い渡されて、難儀な事件を担当するとこになる。

被告 KAN は無実の罪と訴えるが、証明出来るのは、幽霊 西田敏行 のみ。

KANは殺人の行われた時、山奥の旅館に泊まり一晩中幽霊に圧し掛かられて身動き

出来なかった。と。こうなったら深津は、その幽霊を証人として裁判に登場させようと思い立つ。

廃屋のようなその宿屋に泊まり彼の幽霊を待つ・・・・出ました! 捕まえました!

それから彼を説得し、裁判に出廷させるべく頑張る。

さて・・・見えない・聞こえない幽霊証人を、どうしやって証言させるのか?

・・・・話はここまで・・・・

西田落ち武者はこれ以上ない存在。釣りバカ日記のはまちゃんを凌駕する適役の大好演。

昔々、TVで 坊っちゃん の赤シャツだったか野だいこで初めて見た時以来の感激でした。

    西田敏行  あんたはエライ  私何の権威もなくてゴメンネ。

    その他の出演の皆さま。みんな好かった。

    阿部寛は法廷でタップを踊らされ、最後は死んでしまう。

    山本亘の法廷画家・浅野忠信の西田の子孫の小田原の学者はスマートな存在。

         アレアレ やっぱ イケメンじゃぁ・・・・私としたことが・・・・

しかし喜劇に欠くべからざるペーソスも味良く仕込んでありました。

      しかし・・・・一番は脚本・監督の三谷幸喜さま 

       こんな傑作の後、どうなさるの~  (いらぬ心配?)

今まで何本かTVも映画も観ました。しかし喜劇ゆえの わざとらしさ が時に

鼻についてユーモアもつらいなぁと感じておりました。

だからチャップリンも好きではなく、喜劇を観る資質に欠けてるのかも?と思っていました。

   (ちなみに私好きなのが シミキンと堺俊二 のコンビ。洒落てたのだ。

深津さま 最後になってすみません。シリアスな映画もおかしな舞台も安心して楽しんでおります。

 

 

 

 


野村万作・萬斉 狂言の会

2011年11月07日 | 観た&聴いた

11月5日 アミューたちかわで「立川狂言の会」があり、お誘いうけて行ってみました。

狂言を観るのは初体験です。      舞台はお能と同じようでした。

初めに 解説・ワークショップ が有りました。狂言の約束事を分かりやすく解説。

次にセリフを指導どうり全員でなぞって大声で語ってみるのです。

音調・抑揚    狂言独特な 言い回し。これがなかなか楽しい。

それから鋸を挽く動作と擬音のせりふ。  フフフフ・・・皆その気になるものですね。

      このご指導は、とても好かった。出し物の解説もパンフ付きで丁寧でした。

演目 1.舟渡婿      船頭・舅 野村万作  竹山悠樹・石田幸雄

    2.六地蔵      すっぱ  野村萬斉   月崎晴夫・高野和憲・深田博治・岡聡史

野村万作・萬斉 父子は余りに有名ですから、私も知っております。

殊に 萬斉 は、すっぱ(詐欺師)役でも、ひと際上品な佇まい、小顔な美形でスター性は

ド素人の私にも判る存在感。

      さて、解説効果もあって退屈することもなく楽しい舞台でした。

      「六地蔵」は動作もにぎにぎしく、場内は笑い声に包まれました。

眺めながら私フト ”しゃべくりセブン” を思い浮かべていました。

日本のお笑いのルーツは 狂言 という想いがフツフツと湧いてくるのでした。

ホリケンのとっぴょうしもない割り込みが何となく納得できたような・・・・・


ボクらの時代 大橋巨泉・永六輔・藤田潔 後編

2011年10月31日 | 観た&聴いた

 先週に続きます。若き日の彼らの映像が映し出されました。

華がありましたね~。やっぱり今見ると躍動する若さ、爆発力が懐かしい。

永がテレビから離れた理由。巨泉がされどテレビが好きな理由。

視聴率と視聴質の問題。

そしてもう一人此処にいて欲しかった 前田武彦 。

藤田が「前田武彦が居ないから、僕が引っ張り出されたんだ。」とのたまう。

「まぁ、この3人が顔を揃えたのは、来年はどうなってるか分からないから。」・・・と。

しかし、未だまだ多忙な3人でありました。

   さて、先週のこの欄にコメントを頂きました。

     

       藤田潔さんの記事 (WEDGE Infinity)
   
        管理人様

    はじめまして。以前、藤田潔さんにインタビューし、記事を書きました。

    ご参照いただければ幸いです。

            鉄腕アトムをアメリカに売った男

              http://wedge.ismedia.jp/articles/-/559

私、旅行中で開けるのが遅くなってしまいましたが、これがスバラシイ

     早速に知人から電話が入りました。

「昔、主人がアメリカ出張から帰って、”アメリカのTVで鉄腕アトムを観たよっ

と話していたのよ。此処に繋がった~」  興奮した声でした。

     飯尾さま 有難うございました。

私も感激して読ませて頂きました。今や世界に冠たる J-アニメ。

扉を開けて下さった方のご苦労を知りました。

 


映画『ツレがうつになりまして。』

2011年10月18日 | 観た&聴いた

映画『ツレがうつになりまして。』予告編

監督 佐々部 清

ツレ(夫 堺 雅人)   ハル(妻 宮崎あおい)

原作は細川貂々のコミックエッセイ

IT関係に勤めている ツレ(妻ハルは彼をこう呼んでいる)は超真面目人間でこだわりの人。

自分で弁当を作って出勤する。一方妻ハルは仕事が漫画家ということもあってか、

寝るのも起きるのもマイペース。世間のしきたりは、なんのその・・・・

ツレの調子が落ちてきて、ウツと診断される。    うつ病    辛いらしい。

しかし画面は、どこか明るく軽やか・・・・妻ハルのキャラクターのせいか?

映画館内は結構な入り具合で、前半は笑い声がアチコチで上がっていた。

しかし・・・後半になると隣席のおばさんは啜り泣くのが止まらない。私もいささか。

ハルの実家の床屋さんの両親の支えてがいいねー。

飼っているペットのイグアナとチビ亀が好演。救われる画面を作る。

多分 うつ病 に関心の有る方は参考になると思う。

しかしケースは多岐に渡るからね~。ある面この映画は応援になると思うよ。

「篤姫」での将軍夫婦役は忘れがたい故、この映画も見たかったのです。

私 自分では気が付かなかったけれど、堺雅人のフアンなのでした。

       そう言えば、観るはずのない 塚原卜伝 (NHKBS時代劇)見ておりますもの。

       これまた堺雅人の剣豪、意外。三船敏郎とか渡辺謙とかとイメージまるで違う!

       ”坊ちゃん”風なんだなぁ これが・・・・。太刀さばきは綺麗ですぞ。

       時代劇でも 現代人 で、そこがいいのよ!・・・・閑話休題・・・・


エクレール・お菓子放浪記  映画

2011年10月04日 | 観た&聴いた

原作    西村滋

監督    近藤明男

出演 吉井一肇(新人)・いしだあゆみ・早織・林隆三・遠藤憲一・高橋恵子

原作者 西村滋は6歳で母を9歳で父を亡くして放浪生活を送った。

やがてその経験をもとに作家となった。1976年「お菓子放浪記」

                         1994年「続 お菓子放浪記」

                         2003年「お菓子放浪記 完結」

「お菓子放浪記」は彼の作家生活を貫く背骨でもあります。

この映画はアキオ少年が感化院以来、体験し続けた第2次世界大戦中の

酷くも厳しい生活を追っていきます。

女教師 陽子 の弾くオルガンで「お菓子の好きなパリ娘」を聴き、共に歌い

それが生きる力となって、懸命に生きていく。

フサノという業突婆さんに引き取られ、映画館の雑務係になる。

婆さんのあざとさを知り、そこを飛び出して芝居の一座に紛れ込む。、

    昭和のエピソードが山盛りの風景。

東京は爆撃で火の海となり、陽子先生の住む広島に原爆が落とされたと知る。

心の中の宝物だった先生が死んだと思って、川に入り流されながら

「お菓子の好きなパリ娘」を歌う。川岸でそれを見つけた戦災孤児たちに救けられる。

  それから・・・・・逞しく生きる孤児たちのリーダーとなる。

      私は主なロケ地となった石巻出身ですから、なおのこと胸につまされる風景が

      沢山出てきました。おまけに主人公と同じくらいの年令の子供でした。

      思い重なる事が多くて冷静な感想が出ません。 

      取り敢えずエクレールなんて知りませんでした。 川の表情が美しかった。

      葦の茂った穏やかな川。    そこを津波が襲いました。今年の3月11日のことです。

             この映画はそれ以前に撮影されたのでした。

 


『僕たちは世界を変えることができない。』 映画

2011年09月30日 | 観た&聴いた

『僕たちは世界を変えることができない。』予告篇

原作 葉田甲太

監督 深作健太

出演 向井理・松坂桃李・柄本佑・窪田正孝・村川絵梨

原作者の自費出版のドキュメンタリー的映画化。

中心になったのは、医大生 コウタ。

彼らは閉塞した学生生活を、夜な夜なイベントサークルで女子学生たちと過ごして

気晴らししていた。ズルズル暮らしているある日、1枚のパンフレットを手にする。

「カンボジアに小学校を建てよう!」   自分でも思い掛けない衝動にかられて彼は

動き出す。150万円が要るのだ! 仲間に呼び掛ける・・・・?なんで?だった仲間が4人になった。

150万円を作るということが、どんなに大変だったか?

厳しい現実。イタイ体験をし、やはり現地に行かなきゃとなる。

ガイドに連れられて観たカンボジアの歴史と現状。

ポル・ポト時代の残酷な爪あとを辿る。そして今なお多くの未処理の地雷の存在。

貧しい住民の生活。学校は屋根もない。学びたいピュアな子供達の眼。

  好意を寄せていた女子学生は、別の人の恋人に・・・・

  挫折感に打ちのめされて、デリヘル嬢を呼び膝枕して、癒される。(とても印象的)

苦労を積みかさねて約1年後に目的の 小学校 が建った。

ボランテア活動の青春像と言えば、陳腐な表現になるけれど、清々しい彼らでした。

俳優が等身大で、とっても安心感に満たされました。やっぱり泣けた。

(大河ドラマで秀忠で初登場した時の違和感水木しげる役も演技以前の問題ですが・・・・、

しかし人気は上昇し続けてきました。最近は爽やかな男子いろけでいい感じですが。)

 

 


~ピアソラ・90thメモリアル・ナイト~ ♪トリオ・リベルタ♪

2011年09月10日 | 観た&聴いた

トリオ・リベルタ 〈放送・映画科 収録実習〉

中野のZEROホールでトリオ・リベルタのライブがありました。

ピアソラはアルゼンチン生まれ、タンゴの作曲家でありバンドネオン奏者

 1921~1992 つまり生誕90年に当たるので 90thメモリアル。

トリオ  石田泰尚(Vn)   中岡太志(Pf.Vo)  松原孝政(Sax)

      3人ともクラシック界の俊才。

      ピアニストの中岡が声がけしてトリオ・リベルタが生まれて10年になるという。

プログラムの第1部 7曲  現代音楽のような雰囲気。

                  ピアソラはクラシック調やジャズ風の作品が多いとか。

                  MCはピアノの中岡。若々しい解説でした。

         第2部 8曲 うち2曲にはスペイン語の歌が入っていました。

                  ピアノを弾きながら中岡が歌いました。

                  彼は本当にピアソラを愛しているんですね。

                  2部はタンゴらしい雰囲気でした。   

                  おまけにアンコール 2曲。圧巻でした。

   松原はテナーサックス・アルトサックス・クラリネット 使い分けていました。

   ヴァイオリンの石田泰尚は神奈川フィルのコンサート・マスター。

   オーケストラの第一ヴァイオリニストでお見かけすることもありますが、

   活動は多岐にわたって居ります。

   膝を折って低く構えての特異な演奏スタイルから、飛び上がって着地するエンディング。

   スタイリッシュと言われる華麗な弓さばき?いやぁ~ 見ているだけで楽しい!

   バンドネオンが入らないタンゴですが、これはこれで洗練されたスタイルなのでしょう。

     何と言っても リベルタンゴ 大傑作を名演奏で聴けてシアワセ 


『神様のカルテ』 映画

2011年09月04日 | 観た&聴いた

映画『神様のカルテ』予告編

原作を読んでいまして、このキャスティングを見た時、ぴったりだと思いました。

この予告編で雰囲気は伝わっていると思うのですが、主役の医師の櫻井翔は

アイドル色を消すためでしょうか必要以上に、野暮ったいです。く(素朴なのですが・・・)

妻のハル役の宮崎あおいは、これしかイメージ出来ないくらい適役でした。

脇を固める俳優陣が加賀まりこ・要潤・吉瀬美智子・柄本明・岡田義徳・原田泰造など

アンサンブルも見事です。

信州の街病院での超激務と大学病院の医局勤務のエリートコースの選択を

迫られ、自分に問いかけながら患者に接していきます。

古い旅館を住まいとする、頑張りながら結果を得られないユニークな仲間の姿。

心温まる、しかし厳しいエピソードも挿入されます。

私にとって 病院で死を迎える加賀まりこの老女 にシュミレーションを重ねます。

癌による死は酷いけれど、加賀まりこはきれいですよ。こうは行かない!

    清々しく、涙も気持ちよく流れました。

 エンドロールに流れるのは、辻井伸行の作曲・演奏のピアノ。透明な豊穣な曲がお似合いでした。