私は南の島に来て初めて味わう夜を心地よく迄満喫したいと思い、ホロ酔い気分でテントから外に出た。そこに見たものは先ず夜空の美しさである。吸い込まれるような青さ、星はダイヤをちりばめた様に輝き、手で掴んで見たい衝動にかられた。月は黄金の色鮮やかに大きい。眼下に目を転じれば、これ又なんと素晴らしい光景であろう。椰子の葉には夜露が宿し、その葉は微風に揺らぎ、月の光を反射してか?暗い中にも緑と黄金の光をピカ . . . Read more
上陸祝いの準備も整い、ビールの栓があちこちで心地よい音と共に抜かれていた。この時の隊長は正に戦国時代の武将そのものであった。そして静かな口調の中にも力強く、中隊編成から始まり、出撃、航海、上陸までの経過を語り、部下の労をねぎらうと共に今後の厳しい戦斗対策を披露した後、隊長の音頭でカンパイ、戦友達は隊長の訓辞を肝に命じながらも何ヶ月振りかでビールを一気に飲み干した。この時のビールの美味さはなんと
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