伯父の戦記_33_第二防空中隊いよいよ出撃(2)

2007-09-06 | 伯父の戦記
地上の人間となった私は何時しか兄の事を思い出していた。それは少年時代、共によく学び、遊び、そして喧嘩もした思い出ではなかった。  あれは確か昭和15年12月と記憶する。現地(南支)に入隊のため、兄が私服のままで東京駅から出発した時の事である。列車が発車した時、大勢の見送り人の中から私を見つけ、手を振りながら肩に掛けていた出征兵の氏名が書かれた襷を投げていった時の事である。なぜ兄は襷を投げて行った . . . Read more
Comments (2)