今日、久しぶりに同級生の彼女と会った。
彼女は同じ市内に住んでいるのだが
これまで様々な苦労を重ねてきている人だ。
自分のことはさておき、家族のために生きてきたような人だ。
義理の両親の介護をしたり、病気になったご主人や息子さんたちの看護をしたり、
とにかく家族のために困難に立ち向かって生きてきた人なのだ。
これまで彼女に会った時には、
いつも自分の置かれている状況を私に話したくてたまらなかったようで
自分の思い(今思えば愚痴が多かったように思うが。)をワ~~ッと話していた。
私が口をはさむような暇もないぐらいにしゃべっていることが多かったように思う。
気持ちのはけ口がなくて、私にそれを話すという形で発散させていたのだろう。
私は、そうした彼女の話を聞いた後はぐったりと疲れていた。
こっちが気持ちが滅入ってしまいそうな感じでストレスがたまるような・・・。
しかし、今日の彼女はこれまでとは違っていた。
義理の両親を見送り、実の母も見送り、
病気を克服したご主人のわがままを黙ってみることが出来るようになっていた。
病気の息子さんもある程度回復して、体力をつけるために自ら運動を始めたという。
生活自体がかなり落ち着いたからなのだろう。
彼女の顔は、優しいほほえみが終始浮かび、輝いているように見えた。
これまで何度となく聞かされていた愚痴が、今日は全く出てこなかった。
ご主人の年金で生活しているからお小遣いもなく
お金には苦労しているのだと言いながらも
それが嫌でたまらないという顔はしていなかった。
強くなったのかな。
いろんな苦労を重ねてきて、
どんなことが起こっても怖くないという気持ちになれたのかもしれないな。
私は彼女に聞いた。
「これまでの人生を振り返って充実していたと思う?」・・・と。
彼女は言った。
「私はこうしか生きられなかったのだと思う。
誰にも特技があるというけど、私は家事が得意だったのかもしれない。
ゆっくりのんびり過ごすという生き方をするのが、自分にはあっていたように思う。
充実していたとは言えないと思うけど、この生き方しかできなかったのね。」と。
そうか、彼女のこれまでの人生は困難なことがたくさんあったけど
家族のために力を尽くすことで、彼女の心は落ち着き穏やかになっていったのだろうか。
これからは自分のために生きてほしいと、今日つくづく願った私だ。