IT翻訳 Nobuyuki の仕事部屋

ボランティアでソフトウエアーローカライズのために翻訳をしている。

台風4号の夜に

2007-07-21 20:13:50 |  Mozilla Org.


シューマンのピアノコンチェルトを聴く。ポピュラーなピアノコンチェルトのひとつである。今日市立図書館へ行きCDを借りてきた。ピアニストはマルタアルゲリッチ。珍しくこの曲しか収録されていない。40分にも満たないCDである。

先週の今頃東京のコンサートホールでこの曲をライブで聴いていた。ライブで聴くのは始めての曲であった。まるで、ベートベンのコンチェルトのように迫力があった。しばらくクラッシクのライブなど行っていなかったので、久しぶりに楽しい時を過ごした。

今こうしてCDで同じ曲を聴いても、先週のライブ演奏には遠く及ばない。迫力が違う。コンサートは、音が腹のそこまで響いていた。終始目を瞑って聞いた。そうすると、音に集中できる。クラッシクを聞く時は、目を瞑って聞いてしまう。音が心にまっすぐに響いてくる。本当に心地よい。音楽と自分が一体化して、恍惚とする瞬間である。

家内と一緒に聴いた。席は離れ離れとなった。というのは、チケットを買うのが別々だったから。家内は娘と一緒にショッピングに行くつもりだった。しかし、娘は当日アルバイトがあるというので、中止になった。そこで、私と一緒にコンサートに行く事になった。私は予約券を持っていたが、家内は当日件を買ったので、別々の席になった。

家内はクラッシク音楽のファンではない。しかし、演奏後感想を聞くと結構満足していたようだ。ショッピングより楽しかったかな。

演奏会がおわって、子どもたちの家へ行った。台風4号のせいで大雨であった。遅い晩御飯を一緒に取ろうと約束して、最寄の私鉄の駅に降りたときは、傘をさしてもずぶぬれになるほどだった。水たまりを避けるように歩いて、待ち合わせの焼肉店へ行く。やれやれ、店に着いた頃には、履いていたスニーカーの中まで、濡れてしまった。

子どもたちと食事をするのは、2ヶ月ぶりである。義父の葬儀以来のことだった。皆でビールで乾杯。4人で外食したのも、数ヶ月ぶりであった。自然会話は弾む。子どもの近況についてである。いつの間にか長男の話になった。

長男は、専門学校へ行ってギターを学んでいる。高校時代から、バンドを組んで活動していた。高校卒業後も、大学へは行かずに音楽を選択した。自然、話題は音楽活動についてになった。ライブ活動をしたいが、オーディションに受からないとできないという。彼の通う専門学校では、ライブ活動をする生徒には、資金援助をする制度がある。しかし、無条件に援助してくれるのではなく、オーディションを受けて通ったバンドにしか、援助はないという。そして、まだこれからオーディションを受けるとの話だった。それを聴いて家内は、怪訝な顔をした。

その専門学校の入学案内には、ライブへの資金援助について最大の“売り”として説明されていた。しかし、そのような条件には一切触れられていなかったという。入学案内を見る限りは、生徒ならだれでも資金援助を得られるように読めたという。長男がその学校を選択した理由の一つは、ライブ活動への援助があるためだった。オーディションに受からないとライブへの援助がないと言う事は、その学校の生徒でも一度も援助を受けてライブを持てないことがあると言う事になる。

思うに、アンフェアな話だ。確かに、無条件にライブの資金援助を与えることはできないのかもしれない。それならば、条件があることを入学案内に明記すべきだ。条件に触れずに、“わが校は生徒がライブを開く時は援助をします”と宣伝するのはおかしい。しかも、公認された専門学校での話である。世の中この種の話が多い。さしずめ“不当景品類及び不当表示防止法”に抵触するような話であろう。

そんな訳で、長男の話はせかっくの家族団らんに水を差すことになった。