西分堂日記

書画を趣味にする私が、感じたこと見聞きしたこと、たまに、自作の書画を掲載できれば、と思います。

臨王鐸 行草詩巻(節臨)

2011年01月23日 | 臨王鐸
臨王鐸 行草詩巻(節臨)

百感中原事
魂々向夜生

百感す中原の事
魂魂 夜に向かいて生ず


王鐸が王義之、王献之親子の書を日常的に臨書したのは余りにも有名であるが、
また米フツの書も熱心に学んでいる。
私は米フツを中心に学んでいるわけだが、
米フツになく、王鐸にあるのは
力を抜いて、筆の自然の動きに任せた筆運びでないか、
と思う。

その柔らかさがあって、力強い部分がより強調される。
相反する部分があってこそ紙面にダイナミックな構成が生じるわけである。
水彩画などで、赤いバラの花や林檎を描く時、
赤を強調する一つの手段として
補色関係の色を部分的使うのによく似ている。

それと王鐸の詩は
どこか詩情があるように感じる。
一方、米フツの詩は儀礼的あるいは表敬的な印象がある。

とは言え、王鐸は米フツを学んだ。
米フツの筆使いに共通する部分は、右払いで筆を紙面から放す一瞬前に瞬間的に筆圧を加えたであろう跡が見られる。
「原」「夜」の最後の画である右払いにそれは残っている。


玉蘭堂  聖筆
呉竹 かん墨自在+墨運堂 松潤
翠祥園 長楽(半切1/ 4)


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