西分堂日記

書画を趣味にする私が、感じたこと見聞きしたこと、たまに、自作の書画を掲載できれば、と思います。

御岳そま唄(菊池良示)

2008年07月22日 | Weblog
以前、ご紹介したアンティーク喫茶「吾一」さんに飾られている菊池良二の画、
「御岳そま唄」。
単純化された形でリズミカルに踊る女子衆の姿が描かれていて、
祭囃子が聞こえてきそうな画です。
他所で、良示のスケッチブックの展示を見ましたが、
クロッキー風の浴衣の踊り手の姿が描かれていました。
この踊りの画を図案化した手ぬぐいが、
良示のふるさと秋田で染められています。
ガラスが反射してよく撮れていないのがとても残念です。

良示は日本画の巨匠川合玉堂の弟子で、
思い眼病を患って、病に伏した夭折の画家です。
玉堂さんのお弟子の中で、私の一番好きな画家です。
玉堂さんのお弟子さんは画壇で高い地位に登り詰めた人が何人もいます。
良示は身体が弱かったためか、
そういうチャンスに恵まれることなくこの世を去りました。
私の見た良示の画にはどれも
形でないものが描かれているように思います。
この画はリズミカルの弾むような「楽」。
良示がしばしば描いた働く女性の画は、汗の匂い、土の匂い、忍耐、逞しさを。
雪の中で佇み祈るキリスト教の女性を描いた「祈り」は深い悲しみを。
人は病の中で、研ぎ澄まされた心の目で持って、
健康な人には見えないものを見る事があるといいますが、
たぶん、良示もそうだったのでないか、と思います。





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