私が中学生の頃。
今は亡くなった大阪の祖母と同居していた時期があった。
祖母は大らかな性格でいつも炬燵に入ってテレビを見ては笑っている人だった。
食事もその炬燵で食べていたのだけど、毎回私が食べる時に祖母がじっと見つめてくるのだ。
声もかけずに無言でまさに穴が開くほどじーーーっと私が食べるのを見ている祖母。
『何 ガン見してんねん!食べずらいわ!』と当時の私は思っていた。
中学生の私には気恥ずかしくもうっとおしく毎回の食事で変な気持ちになった。
慌ててかき込んで食べ終えると片付けもせず、礼も言わずそそくさと自室に駆け込む。
「やめて。なんで見つめてくるの?」とは言えなかった。
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時が過ぎ私も子を持って、祖母と同じことをしている。
食べる姿を見ていたいのだ。
ずーっと見ていたい。毎回見ていたい。
しかも無言でじーーーっと見つめている自分に気づき ハッとして何か話しかけるようにしているがついやってしまう。
今になって分かり過ぎるあの時の祖母の気持ち。
そして毎回食事を準備することの大変さ。
しかし、中学生の私の気持ちもまだしっかり記憶にあるので、これから成長していくふたりに対しては気を付けていこうと思う。
無言じゃなければいいんよね。
会話があれば見世物になっているような感覚にはならない。
あの時の祖母に対しては感謝の気持ちしかない。
今 やっと分かったよ おばあちゃん。