気分はいつも、私次第

『ヒトラー 虚像の独裁者』

えっと・・・これは困ったなぁ本ですかね?
いや良い意味で、ですよ。私にとっては。

つまり・・・難しいのですわ、はい。

『ヒトラー 虚像の独裁者』著者は芝健介氏。
『ホロコースト―ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌』を書かれた方です。
私も自分本として購入しております。
また研究者としても、著作家としても有名な方。
私も芝氏が翻訳したナチスやホロコースト関連本、何冊も読んでいます。

「芝氏なら大丈夫!」みたいな神話を勝手に作っております(笑)

で、この『ヒトラー』本ですが・・・
こういうタイトル見ますと
「芝氏が何か一定の結論のようなものを読ませてくれるのか?」と思いませんか?
私は、ある程度そういう方向なのかと思いながら購入しました。

・・・・・・・・・・・・本ですから、読み取り方は千差万別。そうですよね。

ヒトラーに関する多大な情報や知識、または見解・・・
それを紹介している本、読後思った感想です。

その時代時代の背景も含めて
「ヒトラーをどう見ていたのか」ということを紹介している。
そんな内容だと私は思っています。

だから、何かしら結論のようなものを期待したら、ちょっと「アラ」になる。

別な視点でいえば「さぁ、あなたはヒトラーをどう見ますか」と問われる本になる。

これは・・・読む前の本に対する期待等々もありますが
こういう歴史や人物に関する本を「どう読むのが好きか」てなことも加味されるかな。

ということで・・・「結論は読み手にお任せ」本は、私の大好物(笑)なので。
私はこの『ヒトラー』、大好きになりましたよ(笑)


・・・・・・・・・お断りしておきますが、総統愛を告白している訳じゃ無いからね。
この本がお気に入りになった、ってことだからね。
あっ、ザイス=インクヴァルトの名は3回出てきたかな~
3回も出てくるなんて・・・・・・(号泣・笑)
まぁオーストリア併合の部分だけなんだけどね。


ヒトラーってどういう人物なのか?
って、分からんがな~で宜しいでしょうか?

私はこのブログでヒトラーに関するドキュメンタリー番組の記事を
何回か書いています。
薬物依存だった。性的に問題が?などなど。

ここで言いたいのは、「見たいようにしか見ない」ってことです。
ヒトラー評伝は複数ありますよね。
歴史資料や証言等々、著者はその時代のできる限りのものを集めて吟味に
ヒトラー像に近づこうとする。
それは悪いことでない。当然です。
でも、著者が「考えるヒトラー」「見たいヒトラー」になることは
避けることはできない。

ヒトラーだけではありません。全てが、そういうものだから。

だから○○という著者の視点のヒトラー像。
それを無限に組み合わせ重ねることで・・・・・・
もしかしたら、実際に生きたヒトラーに近づけるかもしれない。

私はこの本を読んで、そう思いました。
この本はヒトラーをテーマとしていますが
歴史・・・に限らずでしょうが
万事全て、そういうものなのかなって。
(「何言ってるの?的に感じたら、スンマセンです)

神が与えた力を持った指導者(フューラー)なのか。
国民が「導かれること」を望んだため生れた存在なのか。

当時のドイツという国の内情も当然書かれています。
「指導者を望んだ」と一口に言っても、??になってしまう。
自分で考えることをやめたのか?
当時の行き詰まった社会。何をしても上手くいかない。
そう考える人々の「代弁者」がヒトラーなのか。

私が今ココで書くことは、私が読んで感じたこと考えたことです。
指導者というより代弁者かぁ・・・
どの階層の人々も、「自分の代弁者」と感じたのだろうか。
そう思わせるものがヒトラーの演説にあったのだろうか。

個人的な魅力。それを夢幻勘違い、とはいえないだろう。
多くの方々も鑑賞されたであろう、ヒトラーの地下防空壕で日々の映画。
ドイツの指導者としては、もう終わっている様子。
言動も感情が勝っているような。これも楽物のせいなのか?

薬物に関しては、確かに侍医モレルが劇薬などをヒトラーに処方していた。
が、薬物に依存していたか?となるとちょっと違うような。
つまり・・・ゲーリングのようではないってことで。
薬物依存者という当時の証言は見当たらないようで。
というか、依存者の典型のような証言が見当たらないってことらしいです。

その反面、地下防空壕では女性や側近には、程度の差はあれ紳士的に振る舞っている。
多くの人を惹き付けた「ヒトラーの魅力」は
最後の最後の地下防空壕でも発揮されていたのか?
「ヒトラーがいなければ自分も終わり」的に考える人たちが
最期も共に・・・と思ったのだろうけど(ゲッベルスのように)
そうではない人もいただろうし。
勿論地下から逃げた人もいたが、残った人もいた。
任務だけで・・・とも言えない・・・かもしれない。

ヒトラーに近づこうと、様々な側面からアプローチする。
そのアプローチしていることの紹介本・・・みたいなんです。

だから・・・この時代のこと、背景・・・もっとハードル上げると
○○など人物は、もう「分かっていますね」的になっているので。

だから「難しい」ってことになる。

ホロコーストに関すること、経済方面は、それほど取り上げていないと。
政治、軍事・・・ですかね。
ヒトラーが首相になるまで・ソ連戦は、かなり分量ありますね。
 
かなり分厚い本(新書)ですが、どうでしょ?
オススメは・・・しないかな~?
「私は勧めんが、お好きならどうぞ」てな姿勢で(笑)

「オッ」と思った部分は、
SD(親衛隊内部の情報部)の国内諜報では、
国民の言動・・・世論をこまめに情報収集していたとのこと。
戦争の状況、生活への不満、特権を持つ者への不平、
辛辣な政治ジョーク・・・
どこまでヒトラーに伝わっていたのか?
この本では、届いていなかったと書かれていますね。

・・・・・・SD情報部は、これを知って・・・逮捕していたのか?
でもこの不満を上層部に知らせては?
ヒトラーに届く前に止められていたかもね。
または、ヒトラーは知っていてもスルーしたのかも。

と・・・ウン、自分で考えること、満載ですね(笑笑笑)

「一体どんな本なのよ~~~~?」とお思いの方
大変申し訳ありません(ペコリペコリペコリ)
分からないと思われたら、
他の方のレビューを読んでいただければ・・・(ゲホゲホ他人様に丸投げッ!)


私が思ったこと。
「ハーメルンの笛吹き男」をイメージしました。
有名な伝説。私も研究本読みました。
(『ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界』阿部謹也)

でもイメージは、子どもが読む伝説が強かった。
笛吹き男の笛の音色を聞き、家から飛び出す子ども達。
何が起こったから分からない。走り去る子どもの背を見る大人達。
笛の音色に導かれ、男の後をついていく子どもの行列。
大人の止める声は届かない。

一体どこへ?

それは街の大人達が笛吹き男を騙した報い。
子ども達・・・街の未来を奪う男。

大人にとって、笛吹き男は悪魔の使い。いや悪魔そのもの。
しかし子ども達にとっては?
物語には、ついていく子ども達の気持ちがはっきりされていない。
騙されていた?魔法にかかっていた?
「幸せの国」に連れて行ってくれる?って思った?
でもついていく限りでは・・・幸せで夢心地だったのかもしれない。

ヒトラーも、その声で、連れて行ったのだ。
ドイツを。世界中を。
それまで誰も行ったことのない所へ連れて行った。
誰も見たことにないものを見せた。



演説家。
文字通り、歴史上誰も及ばない、唯一無二の演説家。



これが私の今の段階のヒトラー像です。


**画像追加しておきます


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