気分はいつも、私次第

『逃げても、逃げてもシェイクスピア 翻訳家・松岡和子の仕事』

松岡和子さんは、シェイクスピアの戯曲の完訳を達成した方です。
全作品を翻訳された方は、日本人では3人目。そして初めての女性です。

シェイクスピアの戯曲は、子ども向け物語を小学生の頃読んでいました。
しかし翻訳された戯曲となると・・・大人になるまで読んでいなくて。
しかし・・・どこか・・・堅苦しい言葉に思えて。ちょっと遠ざけていました。

しかし、松岡さんの訳は、とても面白い。
そうなんです。面白い。
私は松岡さんの翻訳では、『リア王』が最初でした。
コレって、中学か高校の国語の教科書に掲載されていて。
その印象から『リア王』をチョイスしたのですが・・・

アレ?こんな下ネタ満載(失礼)話だったっけ?(笑)と。
猥褻なんですよね、わいせつ(とひらがな表記してみる・笑)

直接的な場合もあれば、隠語的、比喩もある。
戯曲の下の方には、言葉の説明がとても多く書いてあって。
戯曲そのものを読むと同じくらい、説明が面白かった。

松岡さんの訳なら楽しいし面白い。
そう思って、数冊集めました。

そんな松岡さんのシェークスピア話なら・・・と期待して読んだ本です。
が!!!!!!
私が全面的に悪いのですが・・・

この本は、松岡さんの評伝のような内容なんですよね。
著者の草生亜紀子(くさおいあきこ)さんは、
松岡さん御自身の魅力に感銘を受け、ご両親の話を聞くうちに
「これは・・・朝ドラのような家族なんだ」みたいに思ったそうで。

シベリア抑留の辛酸を経て、帰還した父親。
その間奇跡的に日本に戻り、子どもを育てた母親。
と和子の兄弟姉妹などの話。
つまり松岡和子さんのルーツ(オーバーですが)からスタートしていて。
和子の子ども時代、学生時代、シェイクスピアとの出会い。
結婚、出産、子育て、義母との葛藤・・・
ね、朝ドラ雰囲気ありますでしょ?

私は・・・松岡さんが語るシェイクスピア話を読みたかったので。
もう、完全ミスマッチで御座いました。

松岡さんが語るシェイクスピア戯曲のアレコレもありますよ。
最終章に。分量もかなりある・・・でもこれだけじゃ物足りない。

と、私がダメでしたね。

本の内容は、本当に朝ドラですね。
それも面白いのですよ・・・でも私が望むものではなかった・・・

朝ドラを読んでみたい、のならこの本はオススメです。
私は・・・私の望みの本を読みますわ(ペコリ)


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